9月1日防災の日 頻発する地震にお墓も防衛策。全優石の免震工法が注目。
2023年8月1日
全優石
2023年5月5日、石川県能登地方でマグニチュード6.5の地震が発生しました。石川県の珠洲市(すずし)で最大震度6強を観測した他、東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強~1を観測しました。珠洲市では神社の鳥居が倒壊し、お寺のお墓も多数倒壊する被害が出ました。こうした地震が起きるたびに話題を集めるのが「一般社団法人 全国優良石材店の会」(事務局:東京都品川区、会長:吉田 岳、略称:全優石)が開発した「全優石免震工法」です。能登地方地震の直後から全優石加盟店に免震工法の問い合わせが増えています。倒壊した墓石を修復するには高額な費用が必要になります。9月1日の防災の日を前に、注目を集める全優石の免震工法の秘密を明らかにします。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307187181-O1-0er75rY0】
免震工法の開発は1995年に起きたマグニチュード7.3の阪神・淡路大震災で建物と同時に多くのお墓が倒壊したのがきっかけです。永代に渡り供養する大切なお墓の、地震による被害を軽減できないか。全優石の免震施工開発委員会が中心になり20年近い歳月をかけて試行錯誤、2013年に完成させたものです。
2013年12月に鹿島地震研究所(東京都調布市)で、標準的な和型墓石の試験体を複数製作し、阪神・淡路大震災、および東日本大震災の揺れを再現した(共に震度7)実証実験を行った結果、全優石免震施工を施していない試験体が完全に倒壊したのに対して、全優石免震施工を施した同じ形状の試験体は無傷であったことから、全優石免震施工の効果が証明されました。
(※実験結果の動画は右よりリンク、https://youtu.be/zap7wElNzOw)
免震工法は墓石の中心部に剛性周耐腐食性に優れたステンレス棒(免震棒)を使用し、さらに接着部にも衝撃吸収性・エネルギー吸収性に優れているブチルゴム(合成ゴム)を使用した、二重の免震工法を採用しました。
棹石と上台を連結することにより、各部の滑り運動を防止し、ステンレス棒とブチルゴムの採用により共振を緩和し、墓石の縦方向への飛び上がりを防ぐのがねらいです。そうすることにより、墓石自体の破損や倒壊を防ぎ、また隣接墓地の損壊を少しでも軽減することができます。
これまで地震に対しては、耐震という方法がとられてきましたが、全優石では地震の衝撃を吸収する「免震工法」を採用しました。新規の墓石はもちろん、すでに建立したお墓に新たに免震工法を施すことも可能です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307187181-O2-o1r3owTO】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307187181-O3-05A5IvwA】
従来型のお墓の墓石施工として全国的に用いられている一般的な工法は、石材と石材をセメントのみによって接着します。平時は石材の自重により充分な耐久性が保たれますが、大きな地震による耐久性には乏しいとされます。
全優石の免震工法では石材と石材の接着は弾性接着剤、緩衝材のゴム板にプラスし、ダボや金属製カスガイなど補助金具で補強します。ダボとは、木材や石材、金属などをつなぎ合わせる際に使用する小さな円筒形の棒のことです。繋ぎ合わせたい素材(石材など)の双方にダボと同じ大きさの穴をあけ、それぞれの穴にダボの片側ずつを差し込み合体させることでずれをなくし、ぴったりと繋ぎ合わせます。免震工法ではダボ穴にもブチルゴムを充填します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202307187181-O4-RAPr749v】
免震棒で対震性・石の滑り防止を図り、ブチルゴム充填剤で縦方向への飛び上がりを制御、ダボピンで接着剤の経年劣化を補完するというものです。伝統的な工法が積木のように石材をセメントでつなぎ合わせた積み木型であるのに対し、全優石の免震型は免震棒、ダボなどでそれぞれをしっかり組み合わせて一体型にしているのが特徴です。日本の多くの耐震・免震は多くが震度6程度までを目安にしていて、震度7にも耐える全優石の免震工法は群を抜いています。
首都直下地震の発生確率は30年以内に70%、南海トラフを中心とした大地震は今後30年以内に発生する確率が70から80%との予測もあります。地震大国日本では、住宅の耐震、免震工事はもちろんのこと、永代にわたり供養するお墓の地震対策を考えたいものです。
なお免震工法の施工費用は地域やお墓の大きさなどによっても変わりますが、標準的な和形お墓で別途10~20万円が必要です。全優石は全国の墓石施工状況について調査を行い、免震性だけではなく、地域ごとに異なる気候環境(寒冷地仕様など)、地盤状況(盛り土地や泥炭地等)にも対応した施工基準が必要であるため、全国を5つに区分し、それぞれに適した標準施工基準をとりまとめています。
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