スキリージ(R)について、中等症以上の活動性クローン病治療薬として欧州委員会が承認を発表
アッヴィ合同会社
アッヴィ、スキリージ(R)(リサンキズマブ)について、中等症から重症の活動性クローン病治療薬としての欧州委員会の承認を発表
― スキリージ(R)(リサンキズマブ)の3つ目の適応症承認となり、欧州連合(EU)においてクローン病の治療を適応とする最初のインターロイキン-23(IL-23)選択的阻害剤
― 寛解導入療法試験において、12週時に臨床的寛解、内視鏡的改善、粘膜治癒および内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合はプラセボ群と比較してスキリージ群で有意に高い結果1,2,3
ー 52週時に臨床的寛解および内視鏡的改善を達成した患者さんの割合はスキリージによる維持療法で有意に高い1,2,3
ー クローン病は、消化管に炎症が起きることにより持続的な下痢や腹痛をきたし、緊急の治療を要することもある慢性、全身性の炎症性疾患4,5,6
イリノイ州ノースシカゴ、2022年11月23日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、スキリージ(R)(リサンキズマブ、静脈内投与(IV)による寛解導入療法時用量600 mg、および皮下投与(SC)による維持療法時用量360 mg)について、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんの治療を適応とする、最初のインターロイキン-23(IL-23)選択的阻害剤として欧州委員会(EC)の承認を得たことを発表しました1,2,3。
アッヴィのsenior vice president兼 research and development, chief scientific officer のThomas Hudson, M.D.は、次のように述べています。「腹痛や排便回数の多さといったクローン病の消耗性症状に苦しむ患者さんはまだ多く存在します。だからこそ私たちは、こうした患者さんへの貢献に取り組んでいます。EUにおけるスキリージの承認は、IBDポートフォリオ拡大に向けた私たちの活動における重要なマイルストーンです」
クローン病を適応症とするスキリージのEC承認取得は、3つの国際共同第III相試験プログラム(ADVANCE寛解導入療法試験、MOTIVATE寛解導入療法試験、FORTIFY維持療法試験)の結果に基づいています1。3試験はいずれも多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験で、スキリージの有効性、安全性および忍容性を評価項目としています1,2,3。
臨床的寛解および内視鏡的改善*,†
・寛解導入療法試験である ADVANCE 試験および MOTIVATE 試験において、主要評価項目である臨床的寛解(SF/AP により評価)および内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、スキリージ600 mg静脈内投与群で有意に高い結果となりました1,2,3。
・ADVANCE試験およびMOTIVATE試験において12週時に臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、スキリージ600 mg静脈内投与群でそれぞれ43%および35%であったのに対し、プラセボ群では22%および19%でした1。
・さらに、12週時に内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、スキリージ群でそれぞれ40%および29%であったのに対し、プラセボ群では12%および11%でした1。
・FORTIFY維持療法試験において、主要評価項目である臨床的寛解(SF/APにより評価)および内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、スキリージ360 mg皮下投与群で有意に高い結果となりました1,2,3。
・FORTIFY試験において52週時に臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、スキリージ360 mg皮下投与群の52%に対し、プラセボ群では40%でした1。
・さらに、52週時に内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、スキリージ群の47%に対し、プラセボ群では22%でした1。
粘膜治癒および内視鏡的寛解‡,§
・寛解導入療法試験である ADVANCE 試験および MOTIVATE 試験の実施期間中、粘膜治癒および内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、スキリージ600 mg静脈内投与群で有意に高い結果となりました1,2,3。
・ADVANCE試験およびMOTIVATE試験において12週時に粘膜治癒を達成した患者さんの割合は、スキリージ600 mg静脈内投与群でそれぞれ21%および14%であったのに対し、プラセボ群では8%および4%でした1。
・さらに、2試験の期間中、12週時に内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、スキリージ600 mg静脈内投与群でそれぞれ24%および19%であったのに対し、プラセボ群では9%および4%でした1。
・FORTIFY維持療法試験期間中、スキリージ360 mg皮下投与群で粘膜治癒および内視鏡的寛解が認められました1,2,3。
・FORTIFY試験において52週時に粘膜治癒を認めた割合は、スキリージ360 mg皮下投与群で31%であったのに対し、プラセボ群では10%でした(名目上のp値<0.001)1。
・さらに、52週時に内視鏡的寛解を認めた割合は、スキリージ360 mg皮下投与群で39%であったのに対し、プラセボ群では13%でした(名目上のp値<0.001)1。
ベルギーのルーヴェン大学病院消化器・肝臓内科(Department of Gastroenterology and Hepatology, University Hospitals Leuven, Belgium)のMarc Ferrante, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「日々の症状の管理だけでなく、臨床的寛解および内視鏡的改善・寛解がクローン病治療の重要な目標です。研究の進歩により、患者さんは粘膜治癒など、これまでよりも高い治療目標を目指せるようになっています。中等症から重症のクローン病を対象とした最初のIL-23阻害剤としてのスキリージの承認は、患者さんの健康目標に対応できる治療選択肢の提供に向けた重要な1歩です」
さらに、3試験において、クローン病に対するスキリージの安全性に関する結果は、これまでに確認されているスキリージの安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のリスクは認められませんでした1,2,3。スキリージ群で特に多く認められた有害事象(AE)は、ADVANCE試験では頭痛、鼻咽頭炎、疲労でした2。MOTIVATE試験で特に多く認められたAEは、頭痛、関節痛、鼻咽頭炎でした2。FORTIFY試験で、特に多く認められたAEはクローン病増悪、鼻咽頭炎、関節痛でした3。
EUでは、スキリージは乾癬および関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の成人患者さんの治療薬としても承認されています。
スキリージは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。
クローン病について
クローン病は、消化管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性、全身性の疾患です4,5。進行性の疾患であるため、多くの患者さんで時間経過とともに悪化し、手術などの緊急治療が必要となる合併症を引き起こすこともあります4,5。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面にも大きな負担となることがあります4。
ADVANCEおよびMOTIVATE寛解導入療法試験、ならびにFORTIFY維持療法試験について2,3
これら3つの第III相試験は、中等症から重症の活動性クローン病を有する患者さんを対象に、スキリージ(600 mgおよび1200 mg)寛解導入療法ならびにスキリージ(180 mgおよび360 mg)維持療法の有効性および安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。詳細は、www.clinicaltrials.gov(ADVANCE試験:NCT03105128、MOTIVATE試験:NCT03104413、FORTIFY試験:NCT03105102)をご覧ください。
スキリージ(R)(リサンキズマブ)について
スキリージは、IL-23のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害剤です7。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています7。乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とするスキリージの第III相試験が進行中です8,9,10。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitter アカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTube やLinkedInでも情報を公開しています。
References:
* 臨床的寛解(排便回数および腹痛(SF/AP)により評価)は、1日の平均排便回数および1日の平均腹痛スコアに基づいて判定します。
† 内視鏡的改善は、中央判定で簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超低下した場合(孤立性回腸病変の患者さんでベースラインのSES-CDが4の場合はベースラインから50%以上の低下)と定義されます。
‡ 粘膜治癒:SES-CDの潰瘍面のサブスコアがベースライン時に1以上であった患者さんで0になること。
§ 内視鏡的寛解は、中央判定でSES-CDが4以下かつベースラインから2ポイント以上の低下であることに加え、個々の項目のサブスコアがいずれも1以下である場合と定義されます。
1. SKYRIZI [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Ltd. Available at:https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/skyrizi-epar-product-information_en.pdf.Accessed on November 17, 2022.
2. D'Haens G, Panaccione R, Baert F, et al. Risankizumab as induction therapy for Crohn's disease:results from the phase 3 ADVANCE and MOTIVATE induction trials. The Lancet.2022;399(10340):2015-2030. doi:10.1016/S0140-6736(22)00467-6.
3. Ferrante M, Panaccione R, Baert F, et al. Risankizumab as maintenance therapy for moderately toseverely active Crohn's disease: results from the multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, withdrawal phase 3 FORTIFY maintenance trial. The Lancet. 2022;399(10340):2031-2046.doi:10.1016/S0140-6736(22)00466-4.
4. Crohn's disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. Available at:https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304.
5. The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn's &Colitis Foundation of America. 2014.Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf.
6. Alatab S, Sepanlou SG, Ikuta K, et al. The global, regional, and national burden of inflammatory bowel disease in 195 countries and territories, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2020;5(1):17-30. doi:10.1016/S2468-1253(19)30333-4.
7. Duvallet E., Sererano L., Assier E., et al. Interleukin-23: a key cytokine in inflammatory diseases. AnnMed. 2011. Nov 43(7):503-11.
8. Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2021. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on August 22, 2022.
9. A Study Comparing Risankizumab to Placebo in Participants With Active Psoriatic Arthritis Including Those Who Have a History of Inadequate Response or Intolerance to Biologic Therapy(ies) (KEEPsAKE2). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03671148. Accessed on August 22, 2022.
10. A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Induction Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03398148. Accessed on August 22, 2022.
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