リサンキズマブ、中等症以上のクローン病を有する成人患者の治療薬としてCHMPより肯定的見解を取得
アッヴィ合同会社
アッヴィ、リサンキズマブ(スキリージ(R))について、中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんの治療薬としてCHMPより肯定的見解を取得
ー 3つの第III相試験(2つの寛解導入療法試験および1つの維持療法試験)の結果1,2に基づくCHMPの肯定的見解
ー クローン病は、消化管に炎症が起きることにより持続的な下痢や腹痛をきたし、緊急の治療を要することもある慢性、全身性の疾患3,4
ー 承認された場合、リサンキズマブは欧州連合(EU)においてクローン病の治療を適応とする最初のインターロイキン-23(IL-23)選択的阻害剤
ー 欧州委員会の最終決定は2022年第4四半期の見込み。承認された場合、EUにおけるリサンキズマブの3つ目の適応症
イリノイ州ノースシカゴ、2022年9月19日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、リサンキズマブ(スキリージ、静脈内投与(IV)による寛解導入療法時用量600 mg、および皮下投与(SC)による維持療法時用量360 mg)について、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんの治療薬として承認を推奨する肯定的見解を、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)から得たことを発表しました。
アッヴィのvice president兼 development, chief medical officerであるNeil Gallagher, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「私たちは、内視鏡的改善および臨床的寛解という2つの主要評価項目を初めて第III相試験で報告したときのような、より説得力のある革新的な試験デザインを通して、免疫介在性の消化器疾患の治療に関する研究水準をこれからも引き上げていきます。今回、リサンキズマブがクローン病の治療薬としてCHMPの推奨を得たことで、生活に支障をきたしうる困難なこの疾患に対し、患者さんが十分なコントロールを得られるようお手伝いができる状況に近づいています」
アッヴィが行ったクローン病を適応とするリサンキズマブの承認申請は、ADVANCE試験およびMOTIVATE試験(寛解導入療法試験)ならびにFORTIFY試験(維持療法試験)による3つの第III相試験の結果に基づいています1,2。3試験いずれにおいても、主要評価項目である内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、リサンキズマブの投与を受けた患者さんで有意に高い結果となりました1,2,5-10。寛解導入療法試験であるADVANCE試験およびMOTIVATE試験のリサンキズマブ600 mg静脈内投与群では、プラセボ群と比較して12週時にこれらの評価項目について統計学的に有意な改善が認められました1,8,9。さらに、維持療法試験であるFORTIFY試験において、52週時に内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、プラセボ群(リサンキズマブによる寛解導入療法の後にプラセボを投与)と比較してリサンキズマブ360 mg皮下投与群で有意に高い結果となりました2,10。クローン病に対するリサンキズマブの安全性に関する結果は、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のリスクは認められませんでした1,2,8-13。
ベルギーのルーヴェン大学病院消化器・肝臓内科(Department of Gastroenterology and Hepatology, University Hospitals Leuven, Belgium)のMarc Ferrante, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「クローン病を抱えて生きることには多くの困難が伴うことがあり、患者さんの健康に関連する生活の質に大きな影響が及ぶ可能性があります。リサンキズマブは中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんにとって、有望な治療選択肢になりうると考えられ、欧州委員会の最終決定を心待ちにしています」
EUでは、クローン病に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性について規制当局による評価中です。
リサンキズマブ(スキリージ)は、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。
クローン病について
クローン病は、消化管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性、全身性の疾患です3,4。進行性の疾患であるため、多くの患者さんで時間経過とともに悪化し、手術などの緊急治療が必要となる合併症を引き起こすこともあります3,4。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面にも大きな負担となることがあります14,15。
ADVANCEおよびMOTIVATE寛解導入療法試験、ならびにFORTIFY維持療法試験について1,2,8-10
これら3つの第III相試験は、中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんを対象に、リサンキズマブ(600 mgおよび1200 mg)寛解導入療法ならびにリサンキズマブ(180 mgおよび360 mg)維持療法の有効性および安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。寛解導入療法試験であるADVANCE試験およびMOTIVATE試験の主要な結果は2021年1月、維持療法試験であるFORTIFY試験の結果は2021年6月に発表しました。詳細は、https://www.clinicaltrials.gov(ADVANCE試験:NCT03105128、MOTIVATE試験:NCT03104413、FORTIFY試験:NCT03105102)をご覧ください。
スキリージ(R)(リサンキズマブ)について
スキリージは、IL-23のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害剤です11,16。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、クローン病を含む多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています11,16。EUにおいて、中等症から重症の尋常性乾癬および活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の治療薬として承認されているスキリージの用量は150 mg(75 mgのプレフィルドシリンジ注射薬2本、または150 mgのプレフィルドペンもしくはプレフィルドシリンジ注射薬1本のいずれか)で、0週および4週時の皮下投与後、12週ごとに投与します11。EUでは、クローン病に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性について各国の規制当局による評価中です。乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とするスキリージの第III相試験が進行中です12,13,17。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitter アカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTube やLinkedInでも情報を公開しています。
References:
1.D’Haens G., et al. Risankizumab as Induction Therapy for Crohn’s Disease. Lancet.
2.Ferrante M., et al. Risankizumab as Maintenance Therapy for Crohn’s Disease. Lancet.
3.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn's &Colitis Foundation of America. 2014. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on January 11, 2022.
4.Crohn’s disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. 2022. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on January 11, 2022.
5.AbbVie. Data on File: ABVRRTI71474.
6.AbbVie. Data on File: ABBVRRI71526.
7.AbbVie. Data on File: ABVRRTI72293.
8.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease. ClinicalTrials.gov. 2020. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03105128. Accessed on December 18, 2020.
9.A Study to Assess the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Failed Prior Biologic Treatment. ClinicalTrials.gov. 2020. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03104413. Accessed on December 18, 2020.
10.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Crohn's Disease. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105102. Accessed May 21, 2021.
11.SKYRIZI [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Ltd. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/skyrizi-epar-product-information_en.pdf.
12.A Study Comparing Risankizumab to Placebo in Participants With Active Psoriatic Arthritis Including Those Who Have a History of Inadequate Response or Intolerance to Biologic Therapy(ies) (KEEPsAKE2). ClinicalTrials.gov. 2022. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03671148. Accessed on January 13, 2022.
13.A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Induction Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. 2022. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03398148. Accessed on January 13, 2022.
14.Kaplan, G. The global burden of IBD: from 2015 to 2025. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2015 Dec;12(12):720-7. Doi: 10.1038/nrgastro.2015.150.
15.The Economic Costs of Crohn's Disease and Ulcerative Colitis. Access Economics Pty Limited. 2007. Available at: https://crohnsandcolitis.org.au/wp-content/uploads/2022/02/Deloitte-Access-Economics-Report.pdf. Accessed on January 11, 2022.
16.Duvallet, E., Sererano, L., Assier, E., et al. Interleukin-23: a key cytokine in inflammatory diseases. Ann Med. 2011 Nov;43(7):503-11.
17.Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2022. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on January 13, 2022.
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