シェフラー 厳しい市場環境下でも収益は堅調に推移
特別会計項目を除くEBITマージンは、原料調達費の増加により6.1%に減少(前年同期 10.0%)
当上半期のM&Aによるキャッシュ流出入前のフリーキャッシュフローは、組織再編に伴う一時金の支払いなどによりマイナス2億400万ユーロ(前年同期2億4,300万ユーロ)に減少
2022年度通期見込みを確定
事業体制の変革は順調に進捗:オートモーティブ・テクノロジー事業部での受注拡大、出資比率50:50の合弁会社「Innoplate」の設立、Ewellix社の買収
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202208165159-O1-cawxNomd】
自動車および産業機械分野の世界的サプライヤーであるシェフラーは本日、2022年度上半期の決算報告を行いました。シェフラーグループの2022年度上半期の売上高は75億4,800万ユーロとなりました(前年同期:70億1,400万ユーロ)。為替影響を除いた売上高は、値上げの効果が主なプラス要因となり、前年同期より3.1%増加を達成しました。2022年第2四半期の為替影響を除いた売上高は同4.4%増加の37億9,000万ユーロ(前年同期 34億5,400万ユーロ)となっています。
オートモーティブ・テクノロジー事業部の上半期における為替影響を除いた売上高は1%減と前年同期をわずかに下回りました。自動車業界で続く厳しい市場環境により、顧客からの突発的な注文取り消しが複数件発生したことが主な要因となっています。オートモーティブ・アフターマーケット事業部は、ウクライナ戦争の影響で中・東欧地域の売上高が大幅に減少したものの、為替影響を除いた売上高は前年同期から3.2%の増加を確保しています。産業機械事業部の為替影響を除いた売上高は、同13.6%増の飛躍的な伸びを達成しました。
地域別の収益には差が現れました。欧州(6.0%)、アメリカ(9.5%)、アジア太平洋(3.4%)の各地域では、為替影響を除いた売上高が上昇する一方、大中華圏は前年同期比8.0%のマイナスとなり、大幅な減少となりました。中華圏では、第2四半期に新型コロナウイルス感染拡大防止策としてロックダウンが実施され、これが当該地域の経済を減速させたことが大きな要因となっています。
シェフラーグループの2022年度上半期における特別会計項目を除くEBITは4億5,800万ユーロ(前年同期 7億200万ユーロ)となり、同EBITマージンは6.1%でした(同10.0%)。特別会計項目を除くEBITマージンが昨年同期の水準を下回る結果となったのは、大幅に上昇した原材料費の販売価格への転嫁が一部にとどまっていることが大きな要因になっています。また、中華圏におけるコロナ禍に伴う売上高の減少も、同EBITマージンを押し下げる圧力の1つになっています。計画されていた組織改編の実施に伴う費用を中心に特別会計項目として2,400万ユーロが計上されており、これが当上半期のEBITにマイナスの影響を与えています。
シェフラーAG最高財務責任者(CFO)のクラウス・バウアーは次のようにコメントしています。「2022年度第2四半期は特に印象深い四半期となりました。中国のロックダウンが当社最大の太倉の拠点に大きな影響を与えたことはその理由の1つです。一方で、急速に進むインフレやサプライチェーンの停滞など非常に著しいコスト上昇要因に直面しながら、その影響に対し当社は積極的かつ慎重に対処することができ、その成果を実感できたことも理由の1つとして挙げられます。このように厳しい市場環境にありながら、堅調な数値で決算できたことを非常に嬉しく感じています」。
オートモーティブ・テクノロジー事業部で受注拡大
オートモーティブ・テクノロジー事業部の2022年度上半期売上高は45億1,500万ユーロとなりました(前年同期 43億6,500万ユーロ)。自動車産業は厳しい状況が続いており、市場全体の生産量が低下したことが響き、為替影響を除いた売上高は前年同期より1.0%減少しています。サプライチェーンの世界的な停滞で、顧客からは突発的な注文取り消しが相次ぎました。この問題の根底にあるのは、継続する半導体不足です。また、ウクライナ戦争の影響や新型コロナウイルスの感染拡大なども、当事業部の収益に影を落としました。一方、大幅に上昇する原材料費の価格転嫁は収益にプラスの作用をもたらしています。
Eモビリティおよびシャシーシステムのそれぞれの事業部は、前年度から引き続き当上半期でもほとんどすべての地域で順調に売上を伸ばしています。為替影響を除いた売上高は、前年同期よりそれぞれ13.0%と19.0%の増加率を達成しています。各事業部共に増産が続いたことがその主な背景として挙げられます。
結果としてオートモーティブ・テクノロジー事業部全体では、2022年度上半期に1.8%の減少となった世界の自動車生産の平均値を超える業績を達成することができました 。当事業部の業績が世界水準を0.8ポイント上回っています。変動の激しい市場環境の中、受注量は過去2年間で最高となる合計66億ユーロ拡大しました。この内32億ユーロがEモビリティ事業からの計上で、すでに当事業の2022年度通期目標をこの6ヶ月間で達成したことになります。
オートモーティブ・テクノロジー事業部の2022年度上半期における特別会計項目を除くEBITは9,100万ユーロとなりました(前年同期 3億6,000万ユーロ)。同EBITマージンは2.0%で、極めて好調だった前年同期の8.2%を大きく下回る結果となりました。その主な要因は、中国の新型コロナウイルス感染拡大防止策による影響、原材料費の高騰、そして突発的な顧客からの注文取消しなどが挙げられます。
オートモーティブ・アフターマーケット事業部の売上高は9億6,900万ユーロに増収
オートモーティブ・アフターマーケット事業部の2022年度上半期売上高は9億6,900万ユーロ(前年同期:9億1,100万ユーロ)となり、為替影響を除いた売上高は3.2%増加しました。
増収となった主な要因として、高騰する原材料費の販売価格への転嫁が進んだことが指摘できます。その他、為替影響を除いた生産高の増加も追い風となり、アメリカ11.9%、アジア太平洋で24.1%それぞれ前年同期より増えています。欧州の売上高は前年同期よりわずかに減収となり、為替影響を除いた売上高は0.3%の減少となりました。ウクライナ戦争により中・東欧地域の売上が大幅に落ち込んだことが主な要因となっています。対照的に、西欧地域や中東・アフリカ地域の売上は増加となりました。
結果として、当事業部の特別会計項目を除くEBITは1億2,600万ユーロ(前年同期:1億3,600万ユーロ)、同EBITマージンは13.0%(同14.9%)となりました。前年同期を下回る結果となりましたが、2021年上半期は同第2四半期に費用の臨時回収が行われ、異例の高水準であったことが原因と考えます。
2022年度上半期産業機械事業部の為替影響を除いた売上高は13.6%増
産業機械事業部の2022年度上半期売上高は20億6,500万ユーロとなりました(前年同期:17億3,800万ユーロ)。為替影響を除いた売上高は前年同期より13.6%増加しています。
地域別の為替影響を除いた売上高は、欧州で前年同期より25.7%、アメリカで10%、アジア太平洋で21%、それぞれ増加しています。販価の値上げに加え、産業用ディストリビューションおよび産業用オートメーションの各産業部門の欧州向け生産量が大幅に増加したことも、大きなプラス要因となりました。アメリカおよびアジア太平洋地域では特に産業用ディストリビューション部門の需要が高水準で推移したことも、産業機械事業部の売上を増加させるさらなる追い風となりました。大中華圏の為替影響を除いた売上高は、風力発電産業部門の減収などが影響し、前年同期より4.6%の減少となりました。
産業機械事業部の2022年度上半期における特別会計項目を除くEBITは2億4,100万ユーロ(前年同期:2億600万ユーロ)となりました。同EBITマージンは前年同期からほぼ横ばいの11.7%(同11.8%)となっています。
組織改編費用のフリーキャッシュフローへの影響
2022年度上半期のM&Aによるキャッシュ流出入前のフリーキャッシュフローは2億400万ユーロのマイナス(前年同期:2億4,300万ユーロ)となりました。減少の主な要因は、収益の低下に加え、運転資金の増加と組織改編に伴う一時金2億400万ユーロの計上などが挙げられます。運転資金の増加は、膨らんだ棚卸資産と売掛金が原因となっています。この結果、フリーキャッシュフローは前年同期(2億4,300万ユーロ)の水準から大幅な減少となりました。
無形資産や財産、および工場や設備にかかる資本的支出(capex)は、3億3,100万ユーロ(前年同期:2億6,800万ユーロ)に上昇し、対売上高比率は4.4%(同3.8%)となりました。2022年6月30日現在の純金融負債は25億5,200万ユーロ(2021年12月31日現在 19億5,400万ユーロ)に増加しています。
2022年度上半期における親会社の株主に帰属可能な純利益は2億4,900万ユーロ(前年同期:4億6,300万ユーロ)となりました。特別会計項目を除いた純利益は2億6,500万ユーロ(同4億3,700万ユーロ)、議決権を持たない普通株式1株当たりの利益は0.38ユーロ(同0.70ユーロ)となっています。
2022年6月30日現在のグループ総従業員数は82,790人です。(2021年12月31日現在:82,981人)
2022年度通期見込みを確定
2022年7月25日に開催されたシェフラーAG取締役会にて、2022年5月9日付け発行の通期見通しが確定されました。シェフラーグループは、当社を取り巻く経営環境について、「これまで経験したことの無いマクロ経済的・地政学的不透明感が継続する」という表現を用いて予想しています。特に、ウクライナ戦争の今後の展開や新型コロナウイルスの感染拡大状況には大きな影響を受けると考えています。
シェフラーグループの事業体制変革は着実に進展
オートモーティブ・テクノロジー事業部では、モビリティの電動化に向けた事業体制の変革は2022年度も順調に進展しています。6月に当事業部本社のドイツBühl(ビュール)で開催されたシンポジウムでは、自動車および産業機械サプライヤーであるシェフラーはサーマルマネジメント、電動モータ、パワーエレクトロニクス、そしてトランスミッションの4つの要素を一体化した「4in1電動アクスル」を披露しました。昨年度第3四半期にはオートモーティブ・テクノロジー事業部が保有するチェーンドライブシステムのグローバル事業をプライベートエクイティファンドLenbach Equity Opportunities II(レンバッハ・エクイティ・オポチュニティーズII)に売却する手続きが完了しています。
また今年6月、シェフラーはMichelin(ミシュラン)とFaurecia(フォルシア)の水素関連事業合弁会社であるSymbio(シンビオ)社と、グローバルなモビリティおよびエネルギーソリューション向けの燃料電池用バイポーラプレート(双極板)の生産拠点を出資比率50:50で設立する合意書に署名しています。設立される合弁会社「Innoplate(イノプレート)」は、2024年初頭の量産開始を予定しています。生産拠点をフランスHaguenau(アグノー)に構え、年間生産能力400万枚を2030年までに世界で約5,000万枚にまで引き上げ、120人以上の雇用を創出する予定です。
産業機械事業部のロボット市場でのポジション強化に向け、シェフラーはMelior Motion(メリオールモーション)社を買収し、今年度初頭にそのすべての手続きを完了いたしました。さらに、昨年度の決算終了後には産業オートメーション分野のEwellix(エバリックス)社の買収を発表し、産業機械事業部が取り扱う技術分野の中でも特にリニア技術の足場固めを図っています。
2022年6月22日には、「世界クライメートアクションデー」を初めて全社規模で開催しました。当社従業員およそ83,000人が世界各地の拠点で開催されたワークショップに参加し、気候変動対策に取り組むアイデアとして23,000件を超える提案を行いました。
「今年度第2四半期は特に厳しい市場環境となりました。中間期決算では、シェフラーがこうした厳しい環境下や市場状況にも対処できる企業であることが、改めて証明されたと感じています。事業体制の変革については、第2四半期も一貫性をもって進めてきました」とシェフラーAG最高経営責任者(CEO)のクラウス・ローゼンフェルドは次のように述べています。
当社取締役会メンバーのプレス用写真はこちらからご覧いただけます:
www.schaeffler.com/en/executive-board
将来の見通しに関する記述等について
本プレスリリースには、将来の見通しに関する記述が含まれています。将来の見通しに関する記述には、現実の業績や事業活動が本プレスリリースに含まれる将来の見通しに関する記述で言明・示唆された内容と異なるリスク、不確定性や仮定が本質的に内在しています。こうしたリスクや不確定性、仮定が、ここに記載される事業計画や活動の実際の結果や財務状況に影響を与える恐れがあります。シェフラーは、新たに入手した情報や今後起こりうる事象を元に、これらの将来の見通しに関する記述を公的に更新したり改定する義務を負いません。これらの将来の見通しに関する記述は、本プレスリリースが発行された時点でのみ有効ですので、これに全面的に依拠することはお控えください。本プレスリリースに含まれる過去のトレンドや実際に起きた事象に関する記述は、こうしたトレンドや事象が将来的にも継続することを表明するものではありません。シェフラーもしくはその代理人によりなされた、すべての将来の見通しに関する記述は、書面もしくは口頭の伝達手段の別を問わず、上記の注意事項の適用対象といたします。
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シェフラーグループ – We pioneer motion シェフラーグループは自動車および産業機械分野における世界的なリーディングサプライヤーとして、75年以上にわたり、モーションとモビリティの分野において画期的な発明や開発を行ってきました。 電動モビリティ、CO₂効率に優れたドライブシステム、インダストリー4.0、デジタル化、そして再生可能エネルギーなどのための革新的なテクノロジーや製品及びサービスの提供において、当社はモーションとモビリティをより効率的でインテリジェントかつ持続可能なものにするための信頼されるパートナーです。また当社はパワートレインやシャシー用の高精度コンポーネントやシステム、多くの産業機械用の転がり軸受や滑り軸受のソリューションを開発・製造している技術会社です。シェフラーグループは2021年には約139億ユーロを売上げました。約83,000人の従業員を擁するシェフラーは世界最大級のファミリーカンパニーです。また、シェフラーは2021年には1,800件以上の特許出願を行っており、DPMA(ドイツ特許商標庁)によればドイツで3番目に革新的な企業です。
シェフラージャパン株式会社website
シェフラー 厳しい市場環境下でも収益は堅調に推移 | プレスリリース | シェフラージャパン (schaeffler.co.jp)
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