ウパダシチニブ水和物、中等症以上の活動期クローン病の治療薬として、日本における適応追加承認を申請
アッヴィ合同会社
アッヴィ、ウパダシチニブ水和物について、中等症から重症の活動期クローン病に対する治療薬として、日本における適応追加承認を申請
●ウパダシチニブは 1 日 1 回経口投与するヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
●クローン病は10代後半から20代での発症が多く、患者数が増加傾向にある指定難病1,2
●中等症から重症の活動期クローン病の患者さんを対象とした、複数の国際共同試験データから得られた結果に基づく申請3-5
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は、本日、ウパダシチニブ水和物(以下、「ウパダシチニブ」)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入、および維持療法の治療薬として適応追加承認を申請しました。ウパダシチニブは低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、 クローン病を適応症とする1 日 1 回投与の経口剤として開発中です。
クローン病は、10代後半から20代での発症が多く、日本国内における患者数は約4万人と年々増加傾向にある指定難病です1,2。胃腸(または消化管)に炎症が起きることにより、持続的な下痢や、腹痛、直腸出血をきたす慢性、全身性の疾患です6-8。進行性の疾患であり、時間経過とともに悪化します7,8。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面でも大きな負担となることもあります9。クローン病は、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返すことが多く、長い経過の中で重症化し、入院や手術が必要になることも少なくありません。
そのため、クローン病の治療では、できるだけ早期に治療をはじめ、疾患をコントロールして症状が落ち着いている状態(寛解)を維持し、患者さんの生活の質(QOL)を高めることが重要です。しかし、現状の治療法では初期治療が奏功しない一次無効や、治療奏功後に時間の経過と共に効果が減弱する二次無効となる患者さんも存在します10-22。こうしたアンメットニーズに応えるため、アッヴィはウパダシチニブのクローン病に対する開発に着手し、このたび適応追加承認を申請しました。
さらに、注射など従来の非経口投与の生物学的製剤で治療を行っている患者さんに対しては、1 日 1 回投与の経口剤として、患者さんの負担を軽減しうる新たな治療選択として期待されます。
今回の申請は、日本人患者さんを含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づいています3-5。1日1回45 mgを投与する寛解導入療法試験では12週時において、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法試験では52週時において、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解および内視鏡的改善を達成しました3-5。これらの試験におけるウパダシチニブの安全性に関する結果は、これまでに確認されたウパダシチニブの安全性プロファイルと概ね一致しており、安全性に関する新たなリスクは認められませんでした3-5,23-26。
U-EXCEED寛解導入療法試験、U-EXCEL寛解導入療法試験、およびU-ENDURE維持療法試験について3-5
本申請の根拠となった複数の国際共同試験は、中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんを対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。U-EXCEED試験では、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった中等症から重症のクローン病患者さんを対象に1日1回45 mgを投与する寛解導入療法において、ウパダシチニブの有効性と安全性を評価しました。U-EXCEL試験は、既存治療や生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった中等症から重症のクローン病患者さんを対象に1日1回45 mgを投与する寛解導入療法において、ウパダシチニブの有効性と安全性を評価しました。U-ENDURE 試験では、U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験においてウパダシチニブ45 mgを経口投与する12週間の寛解導入療法で効果がみられた患者さんを対象に、1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。各試験で得られた主要な結果は、それぞれ2021年12月、2022年2月および2022年5月に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03345836、NCT03345849、NCT03345823)に掲載されています。
ウパダシチニブについて
アッヴィが自社開発したウパダシチニブは、低分子の選択的JAK阻害剤で、複数の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められています。本剤は機能的選択性を示し、JAK2のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を優先的に阻害します27。ウパダシチニブは2020 年 1 月に、既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者さんに対する治療薬として日本における製造販売承認を取得しました。また、2021 年5月には既存治療で効果不十分な関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、8月には、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、2022年5月には既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎に対する治療薬として、適応追加承認を取得しました。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
日本においては、1,400人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookやYouTubeでも情報を公開しています。
1.難病情報センター クローン病(指定難病96)https://www.nanbyou.or.jp/entry/81 2022年7月14日確認
2.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針(2022年3月改訂)
3.A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Biologic Therapy. ClinicalTrials.gov.2022. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345836
4.A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitnib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Conventional and/or Biologic Therapies. ClinicalTrials.gov.2022. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345849
5.A Maintenance and Long-Term Extension Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Crohn's Disease Who Completed the Studies M14-431 or M14-433. ClinicalTrials.gov.2022. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345823
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8.Crohn's disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. 2020. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on August 26, 2021.
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