人間関係よりツライ?! 「確定申告」のストレス 確定申告にかかる時間は合計752分にも
2022(令和4)年 3月8日
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.
PRESS RELEASE
2022年度 確定申告に関する実態調査
人間関係よりツライ?! 「確定申告」のストレス
確定申告にかかる時間は合計752分にも
創業時の不安 「収入」の次に「確定申告」
税理士が申告者の実態とビジネスカードの活用法を解説
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(東京都港区、日本社長:吉本浩之、以下:アメリカン・エキスプレス)は、全国の自営業またはフリーランスとして働く男女600人を対象に「確定申告に関する実態調査」を行いました。その結果、確定申告にかかる時間は平均で合計752分に上り、納税や確定申告にストレスを感じている人は、仕事上の人間関係にストレスを感じている人よりも多いということがわかりました。
また、起業コンサルタントで税理士の中野裕哲さんからフリーランスや自営業の方を取り巻く現状の解説と、調査結果を踏まえたコメントをいただきました。
確定申告に関する実態調査 結果概要
1.確定申告の実態:確定申告に必要な作業で最も時間がかかるのが「必要書類のとりまとめ」
●確定申告にかかる時間、最も時間がかかる作業は「源泉徴収票や領収書など必要書類のとりまとめ」129分、次いで「データ集計」127分「集計結果の記入・入力」121分など。多岐に渡る確定申告にかかる作業の合計時間は平均で752分(12時間32分)。
●「仕事上の人間関係」(48.0%)より、「納税や確定申告」(70.7%)にストレスを感じている人の方が多い。
●確定申告でe-Taxを利用する人は44.7%と半数以下。利用者の91.4%が「自宅でできる」ことを評価するも、36.9%が「理解しづらい」。
2.創業時の確定申告の悩み:創業時のお金についての不安第2位が「確定申告」
●事業年数4年未満の人の創業時、お金の不安を最も感じたのは「収入が減る・安定しない」(72.5%)だが、次に不安を感じるのが「納税や確定申告」(63.5%)。6割以上の人が、創業時に確定申告に不安を感じている。
●確定申告の悩みは、「作成に時間をとられる」(57.5%)、「不備がないか不安」(44.5%)、「提出に時間をとられる」(22.0%)、 「確定申告についての情報収集の仕方がわからない」(20.5%)、「相談できる相手がいない」(19.5%)。
3.ビジネスカード:ビジネスカード利用者の60.2%が「経費処理が楽」とメリットを実感 利用を推奨
●ビジネスとプライベートでクレジットカードを分けて利用している人は14.7%。
●ビジネス専用のクレジットカード(ビジネスカード)を利用して良かったこと1位「経費の事務処理が楽、より短時間で行える」(60.2%)。
●ビジネスカード利用の4人に3人は、新しく事業を始める人にビジネス専用のクレジットカードの作成を「勧めたい」(75.0%)。
起業コンサルタント(税理士)・中野裕哲さんからのコメント
●フリーランスや自営業が当たり前の世の中に 増えている個人としての働き方
●“慣れ”も重要な確定申告 コロナ助成金や電子帳簿保存法などの把握も必要
●会計ソフトと連動できるビジネスカードで、ストレスと不安は減らせる
1.確定申告の実態
■確定申告に最も時間がかかり大変な作業は、源泉徴収票や領収書などの「書類のとりまとめ」
全国の自営業またはフリーランスで、自身で確定申告をする男女600人を対象に、最新の確定申告に関する実態調査を行いました。
確定申告は毎年行いますが、確定申告について勉強したり、領収書など必要書類をとりまとめたり、データを集計したりと、さまざまな作業が必要となります。そこで、確定申告に必要な作業について、それぞれどれくらいの時間がかかるか聞きました。
最も時間がかかるのが、「源泉徴収票や領収書など必要書類のとりまとめ」129分、「データの集計」127分、「集計結果の記入や入力」121分となり、その他の作業も含めて、確定申告のために必要な作業時間は平均で752分もかかることがわかりました[図1]。また、確定申告時に大変だと思う作業を聞くと、「源泉徴収票や領収書など必要書類のとりまとめ」(43.8%)、「データの集計」(37.8%)、「日々の帳簿付け」(36.5%)、「集計結果の記入や入力」(34.8%)が上位となり[図2]、大変だと思われている作業は時間がかかる作業と一致しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O5-ay923NOn】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O6-saG3RzTE】
■確定申告にかかるストレスは、収入が減ることや仕事上の人間関係よりもストレスフル
自営業やフリーランスとしてどのようなことにストレスを感じているか、ストレスを感じる〜感じないの4段階で答えてもらいました。すると、「納税や確定申告」にストレスを感じると答えた人は70.7%と今回の調査では最も多く、「売上や収入が減ること」(69.3%)や「仕事上の人間関係」(48.0%)よりもストレスフルなことがわかりました[図3-1]。
最もストレスが高い確定申告ですが、ビジネスの年商別に見ると、年商200万円未満でも65.1%がストレスを感じていますが、年商1000万円以上になると75.4%とストレスを感じる人はさらに多くなっており、年商や事業規模が大きくなればなるほどストレスも大きくなるといえそうです[図3-2]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O3-Zy5b5ecI】
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■インターネットで納税できる「e-Tax」、利用率は半数以下
確定申告は「e-Tax(イータックス)」を通して行うことができます。e-Taxは、インターネットで国税に関する申告や納税、申請・届け出などの手続きができる国税電子申告・納税システムのことで、税務署に出向くことなく、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、自宅からネットで提出(送信)できます。
外出を控えたいコロナ禍の昨今ですが、今期(2021年度分)の確定申告で「e-Tax」を使った/使う予定の人は全体の44.7%と半数以下にとどまりました[図4]。
e-Tax利用者/利用予定者268人にe-Taxの良い点を聞くと、「自宅でできる」が91.4%と最も評価が高く、次いで「添付書類を省略できる」(46.3%)、「24時間いつでも受付してくれる」(41.8%)が評価されています。
一方悪い点としては、「システムが理解しづらい、使いづらい」(36.9%)、利用者認識番号・マイナンバーカードの取得、ICカードリーダライタの用意など「事前準備に手間がかかる」(31.7%)、「わからないことを質問しづらい・できない」(25.4%)などが挙げられ、利用者から見てもまだ課題は多いようです[図5]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O12-28pDKvw2】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O11-TF5d8612】
コロナ禍での確定申告事情 一番大変なのは、「コロナ関連の給付金・助成金」に関する情報収集
コロナ禍の現在、確定申告を行う上で通常より大変だと思うことを聞きました。すると、「コロナ関連の給付金・助成金の取り扱いについて知っていないといけない/調べなければいけない」(26.7%)が最も高く、「売上や経費の変動により例年通りの申告でない」(16.3%)、「申告会場での感染対策」(14.5%)、「申告方法などについて人に相談しづらい」(14.2%)などが挙げられました。
また、事業年数が4年以上の人では、「売上や経費の変動により例年通りの申告でない」が19.5%と、4年未満の10.0%の倍近く高くなっています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O1-3a9Hyj5j】
2.創業時の確定申告の悩み
■創業時の不安では「収入が減ること・安定しないこと」の次に「納税や確定申告」が高い
■事業年数4年未満が特に悩みやすいのは「書類の不備」「情報収集の仕方」「相談できる相手」
働き方改革や在宅ワークの浸透なとで、副業・複業をする人やこれを機に独立して自営業となる人が増えています。ランサーズ株式会社が行った「新フリーランス実態調査 2021-2022年版※」によると、フリーランス人口は2020年1,062万人だったところから、2021年10月は1,577万人と1年で48%も増加しています。
※出典:ランサーズ株式会社『新フリーランス実態調査 2021-2022年版』https://speakerdeck.com/lancers_pr/xin-huriransushi-tai-diao-cha-2021-2022nian-ban?slide=8
そこで、事業年数4年未満の200人に、新たにビジネスを始めるにあたりお金に関して不安に感じたことを聞きました。すると、「収入が減ること・安定しないこと」(72.5%)に不安を感じたという人が最も多かった一方、次いで多かったのが「納税や確定申告」(63.5%)に不安を感じたという人でした[図6]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O8-q0d51E3w】
創業時に多くの人が不安を感じる確定申告ですが、確定申告時の悩みを聞くと、「申告書類の作成に時間をとられる」(57.5%)、「申告内容に不備がないか不安になる」(44.5%)が挙げられました。
事業年数4年以上の人と比較すると、4年未満の人は「申告内容に不備がないか不安」(4年未満44.5%>4年以上39.5%)、「確定申告についての勉強や情報収集の仕方がわからない」(4年未満20.5%>4年以上13.3%)、「確定申告について相談できる相手がいない」(4年未満19.5%>4年以上15.5%)の項目が高くなっています[図7]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O4-C9S36M6v】
3.ビジネスカードの利用実態
■ビジネスでのクレジットカード利用 「支払いを分けている」人は14.7%
一方、クレジットカードを利用していないという人は38.7%も
自営業者やフリーランスのビジネスに役立つクレジットカードとして、中小企業や個人事業主、フリーランス向けに用意されている法人カードがあります。カードの種類により付帯されるサービスは異なりますが、出張費や接待費、仕入れの決済や税金の納付など、などさまざまな経費の支払いに利用でき、会計ソフトに自動的に取り込むこともできるので、必要書類の取りまとめにかかる時間などを短縮することができます。
事業経費の支払いに利用しているクレジットカードの種類を聞くと、「プライベート用の個人カード」を利用している人は49.0%、「ビジネス用の個人カード」は13.0%、上記「法人カード」を使っている人は1.8%でした[図8]。
ビジネスでの支払いとプライベートでの支払いでカードを使い分けているかどうかの割合でみると、ビジネスとプライベートで支払いを分けている人は14.7%でした。一方、事業経費の支払いにクレジットカードを使用していないという人が38.7%もいることがわかりました[図9]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O2-Wj7ESd8O】
■これからビジネスする人にお勧めしたいビジネスカード 利用者の75.0%が利用を推奨 ビジネスとプライベートで支払いを分けていない人に、ビジネス専用のクレジットカード(ビジネスカード)を使わない理由を聞くと、「クレジットカードを分けることを考えたことがなかった」(31.1%)と答えた人が最も多くなっています[図10]。
一方、支払いを分けている人にビジネスカードを利用して良かったことを聞くと、「経費の事務処理が楽になる/より短時間で行える」(60.2%)が一番のメリットとして挙げられました[図11]。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O9-yjx3f588】
またビジネスとプライベートの支払いを分けてクレジットカードを使っている、ビジネスカード利用者に、新しく事業を始める人にビジネスカードの作成を勧めるかを聞くと、4人に3人が「勧めたい」(75.0%)と回答しています[図12]。
まだ認知がされていないビジネスカードの利用やそのメリットですが、すでに利用している人の多くは経費処理をはじめ、さまざまなメリットを感じているといえそうです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O10-rR576XEM】
起業コンサルタント(税理士)・中野裕哲さんのコメント
今回の調査結果について、起業コンサルタントで税理士の中野裕哲さんにコメントをいただきました。
経済産業省後援起業・経営相談サイトDREAM GATEにて、起業・経営相談数10年連続No.1、累計3500人以上の起業家やフリーランス、経営者から相談を受ける中野さんの視点からみたフリーランスや自営業の方を取り巻く世の中の現状と、調査結果を踏まえたアドバイスをいただいています。
■フリーランスや自営業が当たり前の世の中に 増えている個人としての働き方
コロナ禍以降、フリーランスや自営業が増えているというニュースも出ていますが、昨年は国内の大手企業が元社員と業務委託契約を締結する「個人事業主制度」を導入するなど、個人での働き方というのが“当たり前”の世の中になってきていると感じます。人生100年時代ともいわれていますが、長い人生、個人事業主として老後も働き続けるという考え方もよく聞かれるようになりました。
また副業をしている人から確定申告の疑問や「どうやって進めたらいいのか」という相談を受けることは増えており、最近は大企業の人事部の方から「副業をしている人に確定申告のセミナーをやってくれないか」という依頼を受けることもあります。10年前は企業で副業は禁止されているのが一般的でしたが、副業を含めたフリーランスの方の“数”や“当たり前度”は当時と比較すると全く変わってきていると思います。副業といったら昔はこそこそやっている人もいたかもしれませんが今は堂々とできる会社も増えて、「珍しい」というよりも「あなたもやっているの?」という方向に向かっている感覚があります。
■「仕事上の人間関係」より「確定申告」にストレスを感じている人が多いことは驚き
今回の調査結果を見てまず思ったのは、確定申告にストレスを感じている人が私たち(税理士)が思っているよりも多いということです。「仕事上の人間関係」よりもストレスを感じている人が多いということは驚きました。確定申告にストレスを強く感じる方というのは、おそらく帳簿付けなどをせず、申告期限まで前年の領収書などをためてしまっている人なのではないかと思います。また記録をしっかりと残せていないと、領収書をなくしてしまった際に経費としての処理ができなくなり、人によっては“損をした”感覚になってしまう場合もあるのではないでしょうか。実際の申告にかかる作業に加えて、そういった記録上の問題もストレスとしては大きいように感じます。
■“慣れ”も重要な確定申告 コロナ助成金や電子帳簿保存法などの把握も必要
事業年数4年未満の方を対象とした調査結果では、申告内容に不備がないかや、情報収集の仕方がわからない、相談できる相手がいない、といった悩みを抱えている人が多いことがわかりました。確定申告は“慣れ“も重要になってくるものですので、慣れないうちは特に疑問や不安を感じやすいと思います。現在はコロナ禍で、調査結果の通り、コロナ関連の給付金や助成金の取り扱いについても調べて知っておかなければいけません。また、2024年の1月からは電子帳簿保存法改正の猶予期間もなくなり、電子取引データの管理にも注意が必要になってきています。フリーランスの方など、個人で事業をやっている中では、こういった情報は自身で把握しなければならずどうしても時間がかかってしまうのが現状です。
■会計ソフトと連動できるビジネスカードで、ストレスと不安は減らせる
確定申告にはいろいろな悩みや不安がついてきますが、これらを解決する方法として、会計ソフトと連動できるビジネスカードの導入はお勧めです。自動的にお金の出入りが記録されるので、キャッシュで払う場合と違って、レシートなどをなくして困ることも少なくなります。また会計ソフトを通して集計を行ったり、一覧化して確認することができるのも大きなメリットです。
領収書などをいつもためてしまい、申告期間に苦痛を感じているような人にこそビジネスカードを利用していつどこでいくら使ったかがわかるようにしておくことはお勧めします。経費の管理が簡単になり、ストレスを減らすことができると思います。また新しく事業を始めた人も、わかりやすく記録を残しておけるビジネスカードを利用することで、確定申告を含めた業務上のストレスや不安を減らせるのではないかと思います。
効率化できる部分は効率化し、その分の時間を情報収集や、売り上げを上げるため、人付き合いを深めるために、使えるようにしていくことが大事だと思っています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202203088337-O13-UHEZZ4vp】
中野裕哲(なかの・ひろあき)さん
起業コンサルタント®、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナーCFP®。
起業準備から起業後の経営まで「まるごと起業支援」できる専門家として活動中。専門分野は、起業コンサルおよび起業後の総合経営サポート。業種を問わず、起業家やフリーランス、経営者への起業、経営全般にわたる全面支援が得意。著書に 『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)ほか。税理士法人V-Spiritsグループ代表、経済産業省後援DREAM GATE 起業アドバイザー、All About 起業・独立のノウハウ ガイド。
調査概要
「2022年度 確定申告に関する実態調査」調査概要
■実施時期:2022年2月7日(月)~2月9日(水)■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:全国の自営業またはフリーランスで自身で確定申告をする男女計600人(事業年数4年以上:400人、事業年数4年未満:200人)
★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
【アメリカン・エキスプレスについて】 www.americanexpress.jp
1850年に米国ニューヨーク州にて創立したグローバル・サービス・カンパニーです。個人のお客様向けには多様なライフスタイルをサポートする商品やサービスをお届けし、法人のお客様向けには経営の効率化を実現しうる経費管理やデータ分析のツールを提供し、大規模/中堅企業や中小企業、個人事業主にいたるまで幅広いビジネスの成長を支援しています。日本では、1917年(大正6年)に横浜に支店を開設して事業を開始し、現在では世界180以上の国や地域に広がる独自の加盟店ネットワークとトラベル・サービス拠点を通じ、最高品質のサービスを提供しています。また、アメリカン・エキスプレスのカードは、JCBとの提携により、従来からのホテル、レストランや小売店などに加え、公共料金からスーパーマーケット、ドラッグストアなど日々の生活で使えるお店が拡大しています。
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