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いざ、ブースターワクチン!復習しておこう! 医師が解説、副反応に備える心得と副反応対策“7つ道具”


 新型コロナウイルスワクチンのブースター接種が大々的に実施され始めました。また、子どもたちのワクチン接種も検討されはじめ、再び多くの方がワクチン接種をされることになります。

ワクチン接種の際に現れる副反応に苦しんだ人も多いと思います。副反応に備え、頭痛薬や食糧、飲料などを備えるナレッジを身につけ、なるべく副反応の辛さを軽減させ、健康を維持して乗り切りたいものです。

ワクチン接種に向けてどう体調を整えるべきか、備えておくべきものは?
ブースター接種に向け、対策をおさらいしておきましょう。かくれ脱水委員会 副委員長で麻酔科の医師でもある谷口英喜先生に解説いただきます。

 【監修医師】

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202202217625-O3-xI24Z4TI

済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長
「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜先生
専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」/『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』

 

新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応の起きる・起きない、重い・軽い、は人によります。
3回目のブースターワクチンは、もしかしたら、従来の2回と異なる銘柄のものを接種するという人もいるかもしれませんね。従来の銘柄のものと異なる場合は、体質とのマッチングにより、前回と異なる反応が出る可能性もあります。また、その時の免疫の状態によっても、副反応の度合いが異なる場合も考えられます。
体調を整え、万が一の備えを完璧にしてなるべく健やかにブースターワクチンを乗り切りましょう!

ワクチンの副反応はどうして起こるのか?
副反応には接種直後におこるアナフィラキシーショックと遅発性に起きる発熱、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などがあります。
アナフィラキシーショックはもともとの体質によっておこるもので防ぎようがありませんが、万が一ワクチン接種後にアナフィラキシーショックが起きても、医師が適切な対応をするので医師の判断に従ってください。
一方、多くの方が経験する発熱、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などは、そのときの体力の状態によって症状の度合いが変わってきます。ワクチン接種の日には、これから山にも登れる、100mくらいは走れる、それくらいの体力を蓄えておくのが理想です。
また、ワクチン接種前には、汗をかくような激しい運動、寝不足、過度のアルコール摂取を避けるようにしましょう。

ワクチン接種後、どう副反応に備える?
ワクチン接種後は、注射したほうの腕を使用する作業や運転なども控えるようにして、激しい運動も避けるようにしましょう。ワクチン接種後に発熱、筋肉・関節痛・全身倦怠感が起こるリスクに備え、その日には集中力が必要な業務や運転の予定は入れないように注意しましょう。 もしも接種後に副反応が現れたときは、原則、医師の指示・処方に従うことが必須です。

 
さあ来い、ワクチン副反応! 備えるべき“7つ道具”とは?

体温計 知らない間に危険な状態にならないように…
ワクチン接種後には、自覚がないのに体温を測ったら高熱だったと言うこともあります。高熱を出している場合は、体温を下げ、汗による脱水を回避する必要があります。自分の体調を把握するために体温計は必ず備えておきましょう。

氷枕 
氷  熱は速やかに冷まそう
高熱が続くのをそのまま放置してしまうと、脳や内臓などの器官へダメージを与える危険もあります。
予想外の高熱の際にきちんと頭部を冷却できるよう、氷枕、氷は備えておくと安心です。
おでこに載せる冷却シートは、快適なだけで体温を下げる効果はありませんので、注意してください。

解熱鎮痛剤 アセトアミノフェンを成分とするものを
また、ワクチン接種後に発熱した場合の解熱鎮痛薬は、副作用の少ないアセトアミノフェンを成分とするものを選ぶと良いでしょう。ただし、肝機能が悪い、アセトアミノフェンにアレルギーがある場合などは使えませんので必ず薬剤師さんに相談してから購入するようにしてください。
もしもあまりに高熱が続くなど、症状が重いという場合は、必ず医師の診断を受けてください。

飲料水 脱水を起こすリスクに備え、普段より多めに!
水は生きていくために絶対に必要なものです。副反応が出ると高熱に起因する脱水を起こしやすくなり、普段よりもより多くの水が必要になる可能性があります。1日2リットル分を3日分程度は買い置きしておきましょう。

食料 カロリーがあるものが必須。特にビタミンB、Cを意識的に。
通常の食事も、買い出しに行けなくなってしまうリスクがあるので、3食を3日分程度は買っておきましょう。

食欲が落ちてもまずエネルギーを摂ることが重要なので、エネルギーが摂れるゼリー飲料なども手軽に栄養を摂れていいでしょう。また、食事量が減る場合は栄養を効率よくエネルギーに代謝してくれるビタミンB群や、高熱で起こる炎症を抑えるビタミンCなどの栄養素は特に重要になります。
ビタミンB群は豚肉、鶏肉、サバ、卵などを摂れるインスタント食品や、ビタミンCのためには柑橘系のフルーツジュースなどを準備しておくといいかもしれません。

経口補水液 副反応で起こる「痛み」「倦怠感」が経口補水液で緩和されるのは本当!
発熱で大量に汗をかいたり、欠食(食事を抜くこと)してしまうことから脱水を起こすリスクがあります。
脱水は水分が不足しているだけではなく、塩分、カリウムも足りていない状態です。脱水の緩和には、真水や糖分が多量に入った飲料ではなく、塩分、カリウムが最も効率的に腸から吸収される濃度で含まれた経口補水液を飲むことがおすすめ。

実は巷で噂になっている「経口補水液を飲むと副反応がマシになる」という現象は、当てはまる場合があると思われます。
副反応の時の頭痛、筋肉痛などの痛みや全身倦怠感は、ワクチンの影響のみならず、脱水を起こしているがゆえに増幅している可能性があります。
脱水を起こすと、全身の血液量が減ってしまい、脳に巡る血流量も減ってしまうのです。脳の血流が減って、最後まで血流が残るのが脳の中でも“痛み”を感じる部分なのです。従って、脱水症になると、新たな痛みが生じたり、もともとあった痛みが増強されたりします。これは、私たち麻酔科医の間では常識的なことで、手術後の痛みや慢性痛に対しても常に脱水症のケアを怠りません。
もともと起こっている炎症箇所により激しい痛みを感じるのは脱水が原因である可能性も高いです。
症状の緩和のために脱水症に適している経口補水液が役に立つと思われます。

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