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電通、第5回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施


2021年を通して、カーボンニュートラルに取り組む企業への評価が向上

2022年1月20日
株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)は、電通グループ横断でサステナビリティに関するプロジェクトを推進する「サステナビリティ推進オフィス」および「電通Team SDGs」を調査主体として、全国10~70代の男女計1,400名を対象に、第5回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」(以下「本調査」、期間:2021年11月19~21日)を実施しました。なお、本調査は2021年4月の第1回調査より、約2カ月毎に継続実施し、その結果を発表しています。

 本調査では、国内外で重要なテーマである「カーボンニュートラル」に対する国内の生活者の意識変化について、経済産業省が発表した2050年カーボンニュートラルに伴う「グリーン成長戦略」の14の重点分野、取り組む企業・業界への評価や意識、生活にかかる追加支出の許容度など、多様な観点から調査・分析を行っています。今回はさらに、昨年10月末から開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(以下「COP26」)に対する認知・納得度についても調査・分析を行いました。本調査は今後も定期的に実施し、公表していきます。

【調査結果のポイント】
1. 2021年に生活者の意識変化が見られた点:「カーボンニュートラル」の認知※(第1回42.0%→第5回56.6%)・内容理解(第1回14.6%→第5回19.9%)が高まっていることに加え、「カーボンニュートラル」実現に向けて取り組む企業に対する評価の向上が見られた。

2. 2021年に生活者の意識変化があまり見られなかった点:第1回から高い数字を維持している、カーボンニュートラル実現に向けた「取り組み必要性意識」(第1回74.2%→第5回75.7%)と「教育の重要性意識」(第1回72.5%→第5回73.1%)にはあまり変化が見られなかった。

3. 「グリーン成長戦略」の14の重点分野における実施状況と関与意向で分析するポテンシャルマップ(各分野の浸透状況を6グループに分類)では、第1回調査からの変化を見ると、生活者に理解しやすい分野は「トレンド」(10分野が該当)、理解しにくい分野は「潜在」(4分野が該当)、となり、二分化が進んだ。

4. 「COP26開催」の認知は、全体の53.4%と半数を超えた。COP26関連トピック13項目の認知では「地球温暖化対策について話し合われたこと」が64.8%で最も高く、納得度では「石炭廃止声明に日本が賛同しなかったこと」が23.6%で最も低かった。COP26関連トピックを認知平均と納得度平均を軸に4象限に分けると、認知(高)・納得度(高)は「総論的な目標」、認知(低)・納得度(低)は「各国の合意文脈」、認知(高)・納得度(低)は「世界における日本の立ち位置」、認知(低)・納得度(高)は「個別トピックで定めたゴール」という特徴が見られた。

注)本調査における構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
※:認知(率)は、「内容まで理解している」「言葉だけは知っている」と回答した生活者合計数の全体数に対する割合です。

【各ポイントの詳細】

1. 2021年に生活者の意識変化が見られた点:「カーボンニュートラル」の認知(第1回42.0%→第5回56.6%)・内容理解(第1回14.6%→第5回19.9%)が高まっていることに加え、「カーボンニュートラル」実現に向けて取り組む企業に対する評価の向上が見られた。

・ カーボンニュートラルについて「内容まで知っている」「内容は知らないが、言葉だけは知っている」を合計した認知は第1回の42.0%から56.6%へ14.6pt上昇した。これに「見聞きしたことがあるような気がする」まで含めた割合も77.6%となり、第1回(61.3%)に比べて16.3pt上昇した。また、「内容まで知っている」人は19.9%で、内容理解も第1回(14.6%)から徐々に増加している。

 
【図表1】カーボンニュートラルの認知・内容理解
 Q. あなたは、カーボンニュートラルについてどの程度ご存知でしたか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O10-OX7ZfiLV

・ 「カーボンニュートラル」の実現に向けて取り組む企業に対する評価としては、第1回から第5回にかけて、全ての項目で評価の向上が見られた。なお、項目の中では、消費者・利用者視点の評価である「応援したい」「信頼できる」「商品・サービスを購入したい・利用したい」「長期にわたって利用したい」が相対的に高い数字を維持している。

 
【図表2】「カーボンニュートラル」の実現に向けて取り組む企業に対する評価
 Q. カーボンニュートラル、脱炭素社会実現に向けた取り組みを行っている企業に対して、どのように思いますか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O11-mp98f1Be

2. 2021年に生活者の意識変化があまり見られなかった点:第1回から高い数字を維持している、カーボンニュートラル実現に向けた「取り組み必要性意識」(第1回74.2%→第5回75.7%)と「教育の重要性意識」(第1回72.5%→第5回73.1%)にはあまり変化が見られなかった。

・ カーボンニュートラルの実現に向けた「取り組みの必要性意識」は75.7%で、第1回(74.2%)から大きな変化は無い。

【図表3】カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの必要性意識
 Q. カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて、取り組んでいくことは必要だと思いますか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O12-V8w33gGN

・ カーボンニュートラル実現に向けた「教育の重要性意識」は73.1%で、第1回(72.5%)から横ばいで推移。

【図表4】カーボンニュートラル実現に向けた教育の重要性意識
 Q. カーボンニュートラル、脱炭素社会実現に向けた取り組みに関する教育は重要だと思いますか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O13-SBy77xSh

3. 「グリーン成長戦略」の14の重点分野における実施状況と関与意向で分析するポテンシャルマップ(各分野の浸透状況を6グループに分類)では、第1回調査からの変化を見ると、生活者に理解しやすい分野は「トレンド」(10分野が該当)、理解しにくい分野は「潜在」(4分野が該当)、となり、二分化が進んだ。

・ 「実施状況(行動・関心度)」と「今後自分は関与を高めたい・増やしたい」の2スコアの組合せで分析するポテンシャルマップは、グリーン成長戦略の14の重点分野の浸透状況を6グループ(潜在、兆し、表面化、トレンド、マンネリ、定着)に分類している。

・ 現状で14の重点分野は、実行動への誘因でさらに話題を大きくできる「トレンド」と、関心も関与意向も低く浸透の糸口をつかめていない「潜在」に大別される。第5回で「トレンド」の分野のうち、「デジタル化・デジタル業界のグリーン化」「CO2分離回収の実現(CCUS/カーボンリサイクル)・マテリアル産業の推進」は、第3回の「兆し」から移行してきた。これらは生活者にとって比較的想起しやすい内容であり、内容理解が浸透したことで移行したと考えられる。

・ 一方、「水素サプライチェーンの構築・(水素社会に向けた移行期の燃料として)燃料アンモニアの活用」「船舶の脱炭素化推進」「航空機の脱炭素化推進」は、第3回で「表面化」となっていたものの、第5回では「潜在」に移行している。これらは生活者にとって普段の生活から遠い分野であり、認識が薄れたことが影響していると考えられる。

 
【図表5】カーボンニュートラル・ポテンシャルマップ
 ※項目は「関与を高めたい」スコアで降順にソート。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O14-rx38tJ2X

4. 「COP26開催」の認知は、全体の53.4%と半数を超えた。COP26関連トピック13項目の認知では「地球温暖化対策について話し合われたこと」が64.8%で最も高く、納得度では「石炭廃止声明に日本が賛同しなかったこと」が23.6%で最も低かった。COP関連トピックを認知平均と納得度平均を軸に4象限に分けたところ、認知(高)・納得度(高)は「総論的な目標」、認知(低)・納得度(低)は「各国の合意文脈」、認知(高)・納得度(低)は「世界における日本の立ち位置」、認知(低)・納得度(高)は「個別トピックで定めたゴール」という特徴が見られた。

・ 「COP26が開催され、地球温暖化対策について話し合われたこと」の認知は53.4%で半数を超えた。国内における主なカーボンニュートラル関連トピックでは、「菅首相(当時)がカーボンニュートラル宣言をしたこと」が約6割、「グリーン成長戦略を発表したこと」が約4割、「14の重点分野が設定されたこと」が約3割だった。

 
【図表6】カーボンニュートラルに関する内容認知
 Q. あなたは、以下の内容についてどの程度ご存じでしたか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O15-a0oBnalk

・ COP26関連トピックで認知が高かったのは、順に「地球温暖化対策について話し合われたこと(64.8%)」、「日本が『化石賞』を受賞したこと(51.6%)」、「産業革命からの気温上昇を『1.5℃』に抑えることを新目標としたこと(51.6%)」だった。

・ 納得度をみると「2030年までに森林破壊を食い止めるための取り組みを行うことを宣言したこと(51.9%)」が最も高く、「CO2排出量が多い石炭について40か国以上が廃止声明を出したが、日本は賛同しなかった(23.6%)」が最も低かった。

 
【図表7】COP26関連トピックの認知・納得度
 Q. COP26に関する以下の内容についてご存じでしたか。また、納得できますか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O16-3U1E43p2

・ COP26関連トピックを認知平均・納得度平均の軸で4象限に分けたところ、下記の特徴が見られた。
  ⇒ 認知(高)・納得度(高):総論的な目標
  ⇒ 認知(低)・納得度(低):各国の合意文脈
  ⇒ 認知(高)・納得度(低):世界における日本の立ち位置
  ⇒ 認知(低)・納得度(高):個別トピックで定めたゴール

 
【図表8】「COP26」関連トピックの認知・納得度による散布図
 Q. COP26に関する以下の内容についてご存じでしたか。また、納得できますか。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202201196299-O17-Rm6YN1Yj

 
【本調査概要】
・目   的:日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などについての現状を把握した上で、今後の浸透策を検討していくため。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:10~70代の男女
・サンプル数:性年代各100名ずつ、計1,400名
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2021年11月19日~11月21日
・調 査 機 関:電通マクロミルインサイト

(参考)
・第1回調査(2021年6月9日発表。調査期間2021年4月2〜4日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0609-010388.html

・第2回調査(2021年8月12日発表。調査期間2021年6月9〜10日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0812-010426.html

・第3回調査(2021年10月21日発表。調査期間2021年9月3〜5日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1021-010453.html

・第4回調査(2021年12月9日発表。調査期間2021年10月15〜17日):
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1209-010474.html

 
以上

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