ウパダシチニブについて、強直性脊椎炎を対象とした第III相試験において主要評価項目と副次評価項目を達成
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブについて、強直性脊椎炎を対象とした第III相試験において主要評価項目とすべての順位付け副次評価項目を達成
●bDMARD療法で効果不十分であった強直性脊椎炎患者さんを対象とする第III相SELECT-AXIS 2試験の試験1において、ウパダシチニブは主要評価項目である14週時のASAS40を達成(プラセボ群の18%に対してウパダシチニブ群で45%)1
●すべての順位付け副次評価項目を達成1
●安全性データは、SELECT-AXIS 1試験、他の適応症を対象としたこれまでの第III相試験およびウパダシチニブの既知の安全性プロファイルと一致し、新たなリスクは特定されず1-6
●ウパダシチニブはアッヴィが発見し、開発した選択的かつ可逆的なJAK阻害剤であり、活動性強直性脊椎炎に対する経口投与の治療薬としてEUで承認6
イリノイ州ノースシカゴ、2021年10月7日(米国時間)-グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、生物学的DMARD療法で効果不十分であった活動性強直性脊椎炎(AS)の患者さんを対象にウパダシチニブ(15 mg 1日1回)の有効性および安全性を評価する第III相SELECT-AXIS 2試験の2つの試験のうち最初の試験で得られた肯定的なトップラインデータを発表しました。この試験でウパダシチニブは、14週時点で主要評価項目であるASAS40[国際脊椎関節炎評価会(ASAS)基準]とすべての順位付け副次評価項目を達成しました1。14週時にASAS40を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ群において有意に高く、ウパダシチニブ群で45%、プラセボ群で18%でした(p<0.0001)1。
bDMARDによる治療歴がなく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に対し効果が不十分または不耐性の強直性脊椎炎成人患者さんを対象とした第II/III相試験であるSELECT-AXIS 1試験の結果は、2021年1月に活動性強直性脊椎炎の治療薬としてウパダシチニブが欧州委員会から承認を得る裏付けとなりました6。
さらにアッヴィは本日、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者さんを対象としたSELECT-AXIS 2試験の2つ目の試験で得られた肯定的な結果も発表しました1。
アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノM.D.は次のように述べています。「強直性脊椎炎は、患者さんの日常生活に影響を及ぼす重度の疼痛、こわばり、運動制限および持続的な構造的損傷を引き起こす可能性がある疾患です。アッヴィは、リウマチ性疾患の患者さんに対する標準治療の改善に取り組んでいます。生物学的製剤が無効となった強直性脊椎炎患者さんの徴候および症状のほか、疾患活動性のその他の指標もウパダシチニブによって有意に改善させることができることを示すこれらの結果を喜ばしく思います」
ウパダシチニブを投与することによって、背部痛や炎症などのASの徴候および症状に統計的に有意な減少が認められ、14週時点で身体機能および疾患活動性にも改善が認められました1。強直性脊椎炎疾患活動性スコア(ASDAS)で低疾患活動性を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ群において有意に高く、ウパダシチニブ群で44%、プラセボ群で10%でした1。カナダ脊椎関節炎研究コンソーシアム(SPARCC)のMRIスコア(仙腸関節)のベースラインからの平均変化量は、プラセボ群(-0.04)と比較して、ウパダシチニブ群(-3.95)で統計的に有意な改善が認められました1。患者さんによる全背部痛評価では、14週時のベースラインからの平均減少量がプラセボ群(-1.47)と比較して、ウパダシチニブ群(-3.00)で有意に大きいことが報告されました1。また、強直性脊椎炎の身体機能障害の指標(BASFI)のベースラインからの平均変化量で評価する身体機能は、プラセボ群(-1.09)と比較して、ウパダシチニブ群(-2.26)において有意に改善しました1。すべての順位付け副次評価項目でプラセボと比較したp値が0.0001未満を達成しました1。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202110282422/_prw_PT1fl_BmhAuDGT.png】
* 14週時の主要評価項目および順位付け副次評価項目。記載していない順位付け副次評価項目もあります。すべての主要評価項目および順位付け副次評価項目でプラセボと比較したp値が0.0001未満を達成しました。
a ASAS40は、4項目(患者さんによる全般評価、背部痛、機能および炎症)のうち少なくとも3項目において、ベースラインからの40%以上の改善、かつ2単位(0~10スケールの場合)以上の絶対的改善を認め、残りの項目で全く悪化が認められない場合と定義。
b ASDASの低疾患活動性は、ASDASスコアが2.1未満と定義。
c 脊椎のSPARCCスコアは、脊椎における骨髄浮腫病変の有無、深さおよび強度の評価によって得られた2つの結果を合計して算出。
d 背部痛は、総背部痛を0~10(0=痛みなし、10=激しい痛み)で示す数値化スケール(NRS)を用いて測定。
e BASFIは、AS患者集団で使用する妥当性が検証された患者報告アウトカム(PRO)質問票です。0~10のNRSで測定する10項目の質問で構成され、AS患者さんにとって困難なことがわかっている活動(身支度、かがむ、伸びをする、振り返る、階段をのぼるなど)を行えるか評価します。総スコアの範囲は0~10になります。
SELECT-AXIS 2試験の治験責任医師を務め、ゲント大学の大学病院リウマチ学科教授でもあるフィリップ・ファン・デン・ボッシュ氏は次のように述べています。「強直性脊椎炎は、患者さんに多大な影響を及ぼし、日常の作業をこなす患者さんの能力を大きく制限するおそれがあります。生物学的DMARDで効果が不十分な患者さんには有効な治療選択肢に対する大きなニーズがあります。さらに、これらの有望な結果はウパダシチニブが強直性脊椎炎患者さんの従来の治療パラダイムにインパクトを与える可能性があることを示すものでもあります」
安全性データは、SELECT-AXIS 1試験、他の適応症を対象としたこれまでの第III相試験およびウパダシチニブの既知の安全性プロファイルと一致し、新たなリスクは特定されませんでした1-6。14週時までにウパダシチニブ群で最も多く報告された有害事象(患者さんの3%以上)は、COVID-19および頭痛でした1。投与中止に至った有害事象、重篤な有害事象および重篤な感染症が発現した患者さんの割合は、ウパダシチニブ群でそれぞれ0%/2.8%/2.4%、プラセボ群でそれぞれ1.4%/0.5%/0%でした1。重篤な感染症として、ウパダシチニブ群では4件のCOVID-19および1件のぶどう膜炎が認められました。ウパダシチニブ群の2例の患者さんに非重篤、かつ軽症または中等症で1つの皮節に限局した帯状疱疹が認められました1。プラセボ群の1例の患者さんに悪性腫瘍(扁桃癌)が発現しました1。いずれの群においても、14週時までに主要心血管イベント、静脈血栓塞栓イベントまたは死亡と判定された事象は報告されませんでした1。
SELECT-AXIS-2試験の詳細な結果については、今後の学会で報告するとともに、査読誌にも投稿する予定です。
SELECT-AXIS 2試験-試験1について1,7
SELECT-AXIS 2試験は、1つの治験実施計画書を基に実施され、無作為化、データ収集、解析および報告を別々に実施する独立した2つの試験で構成されます。この第III相、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験では、活動性axSpAの成人患者さんを対象として徴候および症状の軽減に対するウパダシチニブの有効性および安全性をプラセボと比較して評価しており、bDMARD-IR AS(試験1)およびnr-axSpA(試験2)が含まれます。試験1には420例の患者さんが登録され、104週間にわたってウパダシチニブの投与を受ける群と14週間にわたってプラセボの投与を受け、その後90週間にわたってウパダシチニブの投与を受ける群のいずれかに無作為に割り付けられました。この試験に関する詳細は、www.clinicaltrials.gov(NCT04169373)に掲載されています。
体軸性脊椎関節炎(axSpA)について
体軸性脊椎関節炎は、脊椎に発症し、背部痛、運動制限および構造的損傷を引き起こす慢性の炎症性疾患です8。臨床的に強直性脊椎炎(AS)またはX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)と定義された2つのサブセットで構成されます8。強直性脊椎炎の患者さんでは、X線画像で明らかな仙腸関節の構造的損傷が認められます8。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎は、臨床的に単純X線撮影で仙腸関節の構造的損傷を示す明確な画像所見がないことと定義されます8。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的かつ可逆的なJAK阻害剤です1,6,7,9-15。ヒトの細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブはJAK2ペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体に対する機能的選択性により、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を選択的に阻害します6。ウパダシチニブは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人(15 mg、30 mg)および青少年(15 mg)の患者さんの治療薬として、欧州委員会の承認を得ています。ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さん、活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の成人患者さんおよび活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの治療薬として、欧州委員会の承認を得ています。また、ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認も得ています。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です9-15。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性についても規制当局の評価を受けていません。
EUにおける適応とウパダシチニブに関する重要な安全性情報6
関節リウマチ
ウパダシチニブは、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に対し効果が不十分または不耐性の成人患者さんの中等度から重度の活動性関節リウマチの治療に適応されます。ウパダシチニブは、単剤療法でも、メトトレキセートと併用でも使用できます。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎)
ウパダシチニブは、1種類以上のDMARDに対し効果が不十分または不耐性の成人患者さんの活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の治療に適応されます。ウパダシチニブは、単剤療法でも、メトトレキセートと併用でも使用できます。
強直性脊椎炎
ウパダシチニブは、従来の治療に対し効果が不十分な成人患者さんの活動性強直性脊椎炎の治療に適応されます。
アトピー性皮膚炎
ウパダシチニブは、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および12歳以上の青少年の患者さんの治療に適応されます。
禁忌
本剤の有効成分または添加物に対して過敏症のある患者さん、活動性結核(TB)または重篤な活動性感染症の患者さん、重症の肝機能障害を有する患者さんおよび妊娠中の患者さんには禁忌です。
警告および使用上の注意
免疫抑制薬
他の効能のある免疫抑制剤との併用は推奨されていません。
重篤な感染症
ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、これらの感染症による死亡例もあります。主な重篤な感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎も報告されています。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、日和見感染である、TB、複発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症が認められています。65歳以上の患者さんでは感染症の発現率が高いことから、こうした患者さんへの投与を行う際は注意する必要があります。
ウイルスの再活性化
臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルス再活性化が報告されています。ウパダシチニブを投与された日本人の患者さんにおいて、帯状疱疹のリスクが高いようです。
ワクチン接種
ウパダシチニブの投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されていません。患者さんは、最新の予防接種ガイドラインに従い、ウパダシチニブの投与開始前に、帯状疱疹ワクチンを含むすべての予防接種を受けるよう指導することが推奨されています。
悪性腫瘍
関節リウマチ(RA)患者さんは、リンパ腫などの悪性腫瘍のリスクが増加します。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療が奏効したNMSC以外の悪性腫瘍を有する患者さんにウパダシチニブを投与する前、また悪性腫瘍が新たに発現した患者さんにウパダシチニブ継続投与を検討する際は、ウパダシチニブを投与するリスクとベネフィットを検討する必要があります。
血液学的異常
通常の患者さんの管理において血液学的異常が認められた場合は、投与を開始しないか、一時的に投与を中断してください。
心血管リスク
RA患者さんは、心血管疾患のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんについては、通常の標準治療の一環としてリスク因子(例:高血圧、高脂血症)を管理してください。
脂質
ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの用量依存的上昇が認められています。
肝トランスアミナーゼ上昇
プラセボを投与された患者さんと比較して、ウパダシチニブを投与された患者さんは肝酵素上昇の発現率が高かったことが認められています。
静脈血栓塞栓症
ウパダシチニブを含むJAK阻害剤を投与された患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PEのリスクが高い患者さんには、ウパダシチニブを慎重に投与する必要があります。
副作用
ウパダシチニブ15 mgを投与した関節リウマチ、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)および強直性脊椎炎の臨床試験で特に多く報告された副作用(適応症1つ以上で患者さんの2%以上)は、上気道感染症、血中クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇、アラニントランスアミナーゼ(ALT)上昇、気管支炎、吐き気、咳、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)上昇および高コレステロール血症でした。
ウパダシチニブ15 mgまたは30 mgを投与したアトピー性皮膚炎の試験で特に多く報告された副作用(患者さんの2%以上)は、上気道感染症、ざ瘡、単純疱疹、頭痛、CPK上昇、咳、毛包炎、腹痛、吐き気、好中球減少、発熱およびインフルエンザでした。
最も多かった重篤な副作用は、重篤な感染症でした。
長期治療におけるウパダシチニブの安全性プロファイルは、概して全適応症のプラセボ対照期間中の安全性プロファイルと類似していました。
全般的に、ウパダシチニブ15 mgを投与した関節症性乾癬(乾癬性関節炎)または活動性強直性脊椎炎患者さんで認められた安全性プロファイルは、RA患者さんで認められた安全性プロファイルと一致していました。
アトピー性皮膚炎では、用量依存性による感染症および帯状疱疹のリスク上昇がウパダシチニブ投与群に認められました。65歳以上のアトピー性皮膚炎患者さんの限られたデータに基づくと、ウパダシチニブ30 mg投与群による総合的な副作用の発生率が、15 mg投与群の場合と比較して高くなりました。青少年におけるウパダシチニブ15 mg投与群での安全性プロファイルは、成人のものと類似していました。青少年におけるウパダシチニブ30 mg投与群の安全性および有効性は、まだ検討中です。ウパダシチニブ投与と関連したALT上昇またはAST上昇(ULNの3倍以上)、脂質パラメータ、CPK値(ULNの5倍超)および好中球減少(ANC<1×109細胞/L)の用量依存的な変化は、リウマチ性疾患の臨床試験で観察されたものに類似していました。
上記は、すべての安全性情報を完全に要約したものではありません。
www.ema.europa.euでウパダシチニブの製品情報概要(SmPC)の全文をご参照ください。世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
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