ウパダシチニブについて、アトピー性皮膚炎の治療薬として欧州医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブについて、アトピー性皮膚炎の治療薬として欧州医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨
●中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および青少年患者さんを対象に、副腎皮質ステロイド外用薬との併用および単剤療法におけるウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg、1日1回)の安全性および有効性を評価する3つの第III相国際共同ピボタル試験に基づく肯定的見解1,2
●承認された場合、EUにてアトピー性皮膚炎はウパダシチニブの4つ目の適応症3
●欧州委員会の決定は2021年第3四半期予定
イリノイ州ノースシカゴ、2021年6月25日(米国時間)—アッヴィ(NYSE:ABBV)は、経口投与の選択的かつ可逆的なJAK阻害剤であるウパダシチニブについて、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎成人患者さん(15 mgまたは30 mg、1日1回)および12歳以上の青少年患者さん(15 mg、1日1回)への適応拡大の承認を推奨する肯定的見解を欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から得たことを発表しました。ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に試験が行われています4-10。
CHMPの承認を推奨する肯定的見解は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さん2,500人以上を対象に実施した3つの第III相国際共同ピボタル試験(Measure Up 1、Measure Up 2およびAD Up)のデータに裏付けられたものです1,2。3つの試験において、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんを対象に、ウパダシチニブはいずれの用量もすべての主要評価項目と副次評価項目を達成し、16週時およびその他の時点でプラセボと比較して迅速かつ有意な皮膚症状の改善とかゆみの軽減が認められました(p<0.001)1,2。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて最も多く報告された有害事象は、ざ瘡、上咽頭炎、上気道感染でした1,2。
アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノ医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回のCHMPの見解は、アトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんの治療を向上させるという私たちの道のりにおける重要な一歩です。使用可能な治療法があるにもかかわらず、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、今も皮膚症状やかゆみの症状による負担に継続的にさらされています。私たちは、ウパダシチニブがこのような患者さんに対する新たな治療選択肢となる可能性があることがCHMPに認められたことを心強く思います」
CHMPの肯定的見解は、EUにおいて製造販売を承認する欧州委員会に対する本承認の科学的推奨となるものです。本製造販売承認は、EUの全加盟国、ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーおよび北アイルランドで有効となります。承認された場合、ウパダシチニブは4つ目の適応症を得ることとなり、また、EUにおいて、中等症から重症の成人および12歳以上の青少年のアトピー性皮膚炎患者さんの治療薬として使用される初めてのJAK阻害剤となります3。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性の疾患です。その特徴は、激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことで、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るようになります11,12。成人の約10%および小児の約25%がアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています12,13。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20~46%が中等症から重症です14。多様な症状が、患者さんに身体的、心理的および経済的な負担を与えます12,15。
アトピー性皮膚炎を対象とするウパダシチニブの第III相国際共同試験プログラムについて
第III相国際共同試験プログラムは、3つの国際共同ピボタル試験(Measure Up 1、Measure Up 2およびAD Up)で、全世界において2,500人以上の患者さんを対象に行われました1,2。これらの試験では、全身療法が必要と考えられる中等症から重症の成人および青少年患者さんを対象に、副腎皮質ステロイド外用薬(TCS)との併用および単剤療法でのウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回)の有効性および安全性を評価しました1,2。3つの試験すべてに共通する主要評価項目は、16週時における湿疹面積・重症度指数の75%以上の改善(EASI 75)および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(vIGA-AD)スコア0/1でした1,2。副次評価項目は、16週時およびその他の時点における最悪のかゆみの数値評価スケール(NRS)スコアでベースラインから4点以上の改善と定義されたかゆみの軽減、16週時のEASI 90およびEASI 100などでした1,2。このプログラムに関する詳細については、www.clinicaltrials.gov(NCT03569293、NCT03607422、NCT03568318)をご覧ください。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し開発したJAK阻害剤ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています1-10。本剤はJAK2、JAK3およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されています3。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチ成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けました。また欧州委員会に置いて、ウパダシチニブは、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)で効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬、1種類以上のDMARDsで効果不十分または不耐容であった活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の成人患者さんの治療薬、および従来の治療法で効果不十分であった活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの治療薬として承認を得ています。これらの適応症に対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です4-10。アトピー性皮膚炎に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、本剤の安全性および有効性の評価が規制当局により行われています。
EUにおけるウパダシチニブの重要な安全性情報3
本剤の有効成分または添加物に対して過敏症のある患者さん、活動性結核(TB)または重篤な活動性感染症の患者さん、重症の肝機能障害を有する患者さんおよび妊娠中の患者さんには禁忌です。
他の効能のある免疫抑制剤との併用は推奨されていません。
ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、これらの感染症による死亡例もあります。主な重篤な感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎も報告されています。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、日和見感染である、結核、多発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症が認められています。ウパダシチニブの投与を開始する前に、慢性もしくは再発性の感染症患者さん、重篤な感染症もしくは日和見感染の既往歴を有する患者さん、結核菌に曝露した経験がある患者さん、結核もしくは真菌症の流行地域に居住もしくは旅行した経験がある患者さん、感染症を誘発する可能性がある基礎疾患を有する患者さんに対するリスクとベネフィットを検討してください。患者さんに重篤な感染症または日和見感染が発生した場合、ウパダシチニブの投与を中断してください。65歳以上の患者さんでは感染症の発現率が高いことから、こうした患者さんへの投与を行う際は注意する必要があります。
ウパダシチニブ投与開始前に、患者さんに対して結核のスクリーニング検査を実施してください。患者さんが未治療の潜在性結核または結核感染症のリスク因子を有する場合、抗結核療法の実施を検討してください。
臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルス再活性化が報告されています。ウパダシチニブを投与された日本人の患者さんにおいて、帯状疱疹のリスクが高いと考えられています。患者さんが帯状疱疹を発症した場合、症状が回復するまで投与中断を検討してください。ウパダシチニブの投与開始前および投与中は、ウイルス性肝炎のスクリーニングおよび再活性化のモニタリングを実施してください。
ウパダシチニブの投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されていません。患者さんは、最新の予防接種ガイドラインに従い、ウパダシチニブの投与開始前に、帯状疱疹ワクチンを含むすべての予防接種を受けるよう指導することが推奨されています。
関節リウマチ(RA)患者さんにおいては、リンパ腫などの悪性腫瘍のリスクが増加します。免疫調節薬は、リンパ腫などの悪性腫瘍のリスクを増大させる可能性があります。現時点での臨床データは限られており、長期試験が進行中です。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療が奏効したNMSC以外の悪性腫瘍を有する患者さんにウパダシチニブ投与する前、また悪性腫瘍が新たに発現した患者さんにウパダシチニブ継続投与を検討する際は、ウパダシチニブを投与するリスクとベネフィットを検討する必要があります。皮膚がんのリスクが高い患者さんには、定期的な皮膚の検査が推奨されています。
臨床試験において、1%以下の患者さんで好中球絶対数1000 cells/mm3未満、リンパ球絶対数500 cells/mm3未満またはヘモグロビン値8 g/dL未満が認められました。通常の患者管理において、これらの血液学的異常が認められた場合は、投与を開始しないか、一時的に投与を中断してください。
RA患者さんでは、心血管疾患のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんでは、通常の標準治療の一環としてリスク因子(例:高血圧、高脂血症)を管理してください。
ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの上昇が認められています。これらの脂質パラメータの上昇が心血管疾患の罹患率および死亡率に及ぼす影響は明らかになっていません。
プラセボを投与された患者さんと比較して、ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、肝酵素上昇の発現率が高かったことが認められています。通常の患者管理でALTまたはASTの増加が認められ、薬物性肝障害が疑われる場合は、これらの診断が除外されるまでウパダシチニブの投与を中断してください。
ウパダシチニブを含むJAK阻害剤を投与された患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PEのリスクが高い患者さんには、ウパダシチニブを慎重に投与する必要があります。DVT/PEに対する患者さんのリスクを判断する上で考慮すべきリスク因子として、高齢、肥満、DVT/PEの病歴、大手術の予定および長期不動状態が挙げられます。DVT/PEの臨床的特徴が認められた場合、ウパダシチニブの投与を中止し、速やかに患者さんの評価を行った上で、適切な治療を実施する必要があります。
最も多く報告された副作用(ADR)は上気道感染、気管支炎、悪心、血中クレアチンホスホキナーゼ(CPK)増加および咳嗽でした。最も多かった重篤な副作用は、重篤な感染症でした。
全般的に、ウパダシチニブ15 mgを投与した活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)の患者さんで認められた安全性プロファイルは、関節リウマチの患者さんで認められたものと一貫していました。ウパダシチニブを投与された患者さんでは、プラセボを投与された患者さんと比較して、ざ瘡および気管支炎の発現率が高くなりました。また、ウパダシチニブをメトトレキサート(MTX)と併用投与された患者さんでは、単剤療法と比較して、重篤な感染症および肝トランスアミナーゼ増加の発現率が高くなりました。
添付文書の全文については、http://www.EMA.europa.euで製品情報概要(SmPC)の全文をご参照ください。
添付文書の内容は地域によって異なります。詳細な情報については、各国の添付文書をご参照ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
Forward-Looking Statement
Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words "believe," "expect," "anticipate," "project" and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie's acquisition of Allergan plc ("Allergan"), failure to promptly and effectively integrate Allergan's businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics, such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie's operations is set forth in Item 1A, "Risk Factors," of AbbVie's 2020 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.
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