ウパダシチニブ単剤療法のアトピー性皮膚炎対象の2つ目の第III相試験、主要評価項目・副次評価項目を達成
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブ単剤療法、アトピー性皮膚炎に対する2つ目の第III相試験において、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成
●ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg)単剤療法は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおいて、プラセボと比較して、16週時に有意な皮膚症状の改善とかゆみの軽減を示した1
●安全性の結果は、本試験と同一デザインのMeasure Up 1試験との一貫性を示す
●ウパダシチニブは、アッヴィが発見し開発した選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として、中等症から重症のアトピー性皮膚炎、その他複数の免疫関連疾患に対する治療薬としても開発中1,3-10
イリノイ州ノースシカゴ、2020年7月21日(米国時間)—アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、
ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)単剤療法が、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんを対象とした2つ目の第III相試験であるMeasure Up 2試験で、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成したことを発表しました1。主要評価項目は、16週時における湿疹面積・重症度指数のベースラインから75%以上の改善(EASI 75)および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全体的な重症度の総合評価(vIGA-AD)で0/1(「消失」または「ほぼ消失」)でした1。Measure Up 2試験では、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんにおけるウパダシチニブ単剤療法の両用量での有効性および安全性を、プラセボと比較して評価しています1。
15 mgまたは30 mgのウパダシチニブ単剤療法において、16週時に皮膚症状の改善とかゆみの軽減を示した患者さんが、プラセボと比較して有意に多く認められました1。本試験におけるEASI 75達成率は、プラセボ群の13%に対し、ウパダシチニブ15mg群が60%、30 mg群が73%でした(p<0.001)1。vIGA-AD 0/1達成率は、プラセボ群の5%に対して、ウパダシチニブ15mg群で39%、30 mg群では52%でした(p<0.001)1。
アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノ医学博士、M.D.は次のように述べています。「今回の結果はMeasure Up 1試験のデータを裏付けており、アトピー性皮膚炎と戦う患者さんにウパダシチニブがもたらし得る影響がはっきりと示されたことに勇気づけられる思いです。アトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんの多くが、日常生活に支障をきたすほどの皮膚やかゆみの症状に耐え続けていますが、こうした患者さんのニーズに応えられるよう取り組んでいきます」
16週時の最悪のかゆみの数値評価スケールスコア(最悪のかゆみのNRSスコア)で4点以上の改善と定義した臨床的意義のあるかゆみの軽減の達成率は、プラセボ群では9%、ウパダシチニブ15mg群と30 mg群ではそれぞれ42%と60%でした(p<0.001)1。ウパダシチニブのいずれの用量でも、患者さんのかゆみが早期に軽減され、16週時まで維持されました1。ウパダシチニブ30mg群においては、プラセボと比較して、初回投与の1日後(2日時点)に、かゆみの軽減が認められました(8%対1%、p<0.001)1。ウパダシチニブ15mg群においては、初回投与の2日後(3日時点)に、プラセボ群の3%と比較して、12%でかゆみが軽減されました(p<0.001)1。
アイルランドのダブリン大学トリニティカレッジの皮膚科学教授であり、Measure Up 2試験の治験総括医師であるアラン・アーバイン医学博士・理学博士、M.D., D.S.c.は次のように述べています。「アトピー性皮膚炎は、単なる発疹や皮膚のかゆみではありません。今回のデータは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんに、さらなる治療選択肢を提供することを目指す私たちの継続的な取り組みを支持するものです」
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202008062899/_prw_PT1fl_Z51OfkeJ.png】
* 主要評価項目は16週時のEASI 75およびvIGA 0/1。いずれの主要評価項目もp<0.001を達成。試験開始後2日時点(ウパダシチニブ30 mg群)、3日時点(ウパダシチニブ15 mg群)および16週時点の最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善を副次評価項目とした。すべての副次評価項目でp<0.001を達成。表にはすべての副次評価項目は示していません。
a EASI 75は湿疹面積・重症度指数の75%以上の低下と定義。
b vIGA-AD 0/1は、治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価で「消失」または「ほぼ消失」(0/1)と判定され、かつベースラインから2グレード以上減少した場合と定義。
c 最悪のかゆみのNRSスコア4点以上の改善は、最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善(減少)した場合と定義。この評価項目について、ベースラインで最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上であった患者を対象に解析を実施。
アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性の疾患です。激しいかゆみの症状と掻破行動を繰り返すことで、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴です11,12。成人の約10%および青年の約25%が、生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されています12。アトピー性皮膚炎の成人患者さんのうち、20~46%が中等症から重症です13。多様な症状が、患者さんに身体的、心理的および経済的な負担を与えます12,14。
ウパダシチニブを投与された関節リウマチおよび乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者さんで認められた安全性プロファイルと比較して、新たな安全性のリスクは認められませんでした1,15-18。Measure Up 2試験において16週間のプラセボ対照期間中に、重篤な有害事象(SAE)が認められた割合はプラセボ群で2.9%、ウパダシチニブ15 mg群で1.8%、ウパダシチニブ30 mg群では2.5%でした1。ウパダシチニブ投与群で特に多く認められた有害事象(AE)は、ざ瘡、頭痛および上気道感染でした1。ざ瘡はプラセボ群(2.2%)と比較して、ウパダシチニブの両用量群で多く認められました(15 mg群で12.7%、30 mg群で14.5%)。すべての有害事象が軽度から中等度で、いずれも投与中止には至りませんでした1。疱疹状湿疹がウパダシチニブ15 mg群(1.1%)のみで認められました1。重篤な感染がまれに報告されました(ウパダシチニブ15 mg群で0.4%、30 mg群で0.7%、プラセボ群で0.7%)1。静脈血栓塞栓関連事象(VTE)については、プラセボ群で肺塞栓症が1例認められ、ウパダシチニブではいずれの投与群でも認められませんでした1。死亡または主要有害心血管事象(MACE)は、いずれの投与群においても報告されませんでした1。
全般的なMeasure Up 2試験の結果については、今後の医学会で報告するとともに、査読誌に提出する予定です。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する承認はされておらず、規制当局による本剤の安全性および有効性は評価されていません。
Measure Up 2試験について1,10
Measure Up 2試験は、全身療法が対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年(12~18歳またはそれ以上)の患者さんにおけるウパダシチニブの安全性および有効性を評価する第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。患者さんは無作為に、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群に割り付けられ、プラセボ群は、16週時にウパダシチニブ15 mgまたはウパダシチニブ30 mgのいずれかに割り付けられました。
主要評価項目は、投与開始後16週時にEASI 75を達成した患者さんの割合およびvIGAスコア0/1を達成した患者さんの割合でした。副次評価項目は、16週時の最悪のかゆみのNRSスコアが4点以上改善、EASI 90、最悪のかゆみのNRSスコアの変化率、EASIの変化率、ならびにウパダシチニブ30 mg群における投与2日時(試験開始後1日時点)の最悪のかゆみのNRSスコアで4点以上の改善およびウパダシチニブ15 mg群における投与3日時(試験開始後2日時点)の最悪のかゆみのNRSスコアで4点以上の改善でした。本試験は進行中で、プラセボ対照期間を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブ(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)の長期的な安全性、忍容性および有効性を評価するために、長期継続投与期間においても治験責任医師および患者さんの盲検性が維持されています。本試験と同一デザインの第III相試験であるMeasure Up 1試験のトップライン結果は、2020年6月に発表しました。
本試験の詳細についてはwww.clinicaltrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)(NCT03607422)をご覧ください。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、1日1回経口投与の治療薬として複数の免疫炎症性疾患を対象に研究が進められています1,3-10。本剤はJAK2、JAK3およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されています15。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局の承認を受けました。2019年12月には、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です5-10。ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
ウパダシチニブに関する重要な安全性情報
米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報
ウパダシチニブは、中等症から重症の関節リウマチを有し、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。
ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?
ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚がんを含むその他のがんが発生することがあります。
・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これにより、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。
・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。
ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。
・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。
○熱、発汗または悪寒
○息切れ
○皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または身体部位の痛み
○筋肉痛
○疲労感
○血液の混じった痰
○下痢または胃痛
○咳嗽
○体重減少
○排尿時の灼熱感または通常より頻繁な排尿
・結核に感染している、または結核患者さんと緊密に接触している場合。
・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃潰瘍もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合。
・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。
・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。
・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。
・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。
・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。
処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。
特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。
・真菌感染または細菌感染に対する薬剤
・リファンピシンまたはフェニトイン
・免疫系に影響を及ぼす薬剤
これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。
ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?
次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。
・何らかの感染症の症状が認められた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。
・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。
○腫脹
○原因不明の突然の胸痛
○脚の痛みまたは圧痛
○息切れ
・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。
ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか?
主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。
ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。
以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。
www.fda.gov/medwatchをご覧いただくか、1-800-FDA-1088にお電話ください。
薬剤の支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssistをご参照ください。
詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
皮膚科領域におけるアッヴィについて
アッヴィは、10年以上にわたり、乾癬、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、化膿性汗腺炎、アトピー性皮膚炎などの重篤な皮膚疾患に悩む患者さんに向けた、新たな治療の開発や既存治療の改善に取り組んできました。このような患者さんが治療目的を達成し、皮膚疾患を乗り越えた生活にたどり着けるよう、幅広い臨床試験プログラムを実施し、皮膚科領域で進化する様々なニーズに合わせた研究を積極的に行い、当社のパイプラインを継続的に拡充しています。アッヴィの皮膚科領域での取り組みについての詳細はhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/dermatology.htmlをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
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