再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした トレアキシンとリツキシマブ併用療法承認申請完了
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104598/202005119780/_prw_PT1fl_Ht3W4lq7.png】
2020年5月11日
各位
再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした トレアキシン®とリツキシマブ併用療法に関する 承認申請完了のお知らせ
シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)について、再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(以下「再発・難治性DLBCL」)を対象としたベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(以下「BR療法」)の第Ⅲ相試験において主要評価項目の奏効率を達成したことを発表(注)しておりますが、この度、製造販売承認事項に係わる一部変更承認申請を行いましたのでお知らせいたします。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めており、最も発症頻度の高い病型です。そして高齢社会になり、特に高齢者の発症頻度が近年増加傾向にあり、高齢者に対する治療は大きな課題となっています。特に再発・難治性DLBCLについては、現在有効な治療方法がないため、救援化学療法として複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法が使われておりますが、これらは副作用が強いことから、副作用が少なく高い有効性が期待できる新たな治療薬の開発が切望されております。またBR療法につきましては、既に欧米において再発・難治性DLBCLの患者さんの治療に使われており、日本においても早期に使えるよう患者団体及び関係学会から厚生労働省に対して要望書が出されておりました。
吉田文紀社長兼CEOは、「日本においては再発・難治性DLBCLの患者さんの治療は多剤併用療法しか選択肢がなく、高齢者にとってつらい治療であるため、BR療法の早期承認については患者さんからも強い要望がありました。高齢社会に向けて有力な治療の選択肢となるものと確信しております。」と語っています。
シンバイオは収益性と成長性を兼ね備えた製薬企業を目指して、現在、研究開発型から収益性モデルへの転換を推進しております。2021年度の事業の黒字化をその最初のマイルストーンとして掲げており、この度の再発・難治性DLBCLの承認申請は自社販売体制の構築と共に黒字化へ向けての大きな原動力となります。
以上
(注)抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®」の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象とした第Ⅲ相臨床試験で主要評価項目(奏効率)を達成(2019年11月5日プレスリリース):シンバイオが実施した再発・難治性DLBCLを対象としたBR療法による第III相試験で、主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られました。
https://www.symbiopharma.com/news/20191105.pdf
【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大型で悪性のB細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患です。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは60~70歳で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学療法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者の予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
シンバイオが再発・難治性DLBCLを対象に実施した第II相試験で得られたBR療法の優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012年より米国のがん治療の診療指針であるNCCN(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインではBR療法が推奨されています。(注)第II相臨床試験の解析結果(59症例):奏効率62.7%、完全寛解率37.3%
引用文献:
日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf
Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011 (1): 498-505
【再発・難治性DLBCLの救援化学療法について】
造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃した患者さんに治療救援化学療法を行います。進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再発時の二次治療(救援化学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用療法が使われており、その多くは複数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。例えば、CHASE(R)療法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシドにリツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用療法、ESHAP(R)はメチルプレドニゾロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用療法であります。いずれの多剤併用療法も骨髄抑制が強く、また高齢者が多い再発・難治性DLBCLの患者さんは毒性が増加することが知られております。
【トレアキシン®について】
殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970年代からドイツで使用が開始され、現在50ヵ国以上で低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応として使用されています。
2010年10月に再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として製造販売承認を取得した後、2016年8月に慢性リンパ性白血病に対する効能追加の承認、さらに2016年12月に低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の未治療に対する効能追加の承認を取得しています。また、2019年4月にトレアキシン®液剤(急速静注製剤「RI製剤」)による安全性の確認を主目的とした治験において最初の患者登録を完了し、2020年3月に目標症例数の登録を完了しました。トレアキシン®液剤「RTD製剤」については2019年9月に承認申請を行っております。薬価ベースで売上100億円の早期達成を目指しています。
【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。
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