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研究成果:匂いを介した植物間コミュニケーション


2019年12月24日



龍谷大学



匂いを介した植物間コミュニケーション

セイタカアワダチソウの標準語とは



龍谷大学農学部 塩尻かおり 准教授らの国際研究チームが研究発表



龍谷大学農学部 塩尻かおり准教授らの国際研究チームは、セイタカアワダチソウの植物間コミュニケーションに関する研究成果を発表し、2019年9月23日、学術雑誌「カレントバイオロジー」に、掲載されました。今回発表したセイタカアワダチソウの植物間コミュニケーションについて、食と農の楽しさを伝えるWEBマガジン「Mog-lab(もぐらぼ)※」 で解説しました。



【記事のポイント】

<従来の研究成果>

・害虫からの攻撃を受けて発する匂いを、害虫の被害を受けていない且つ血縁でもない隣接する植物が受容すると、この匂いに反応して自己防衛の準備が可能。

・セージブラシ(山ヨモギの仲間)は、血縁関係が近い同じ遺伝子型の個体間でのコミュニケーションが強くひきおこり、放出する匂いは、血縁が近いほど類似。

<今回の研究発表>

・毎年のように酷く被害を受けるような環境では、血縁でなくても血縁の匂いを受容したときと同程度に強く反応することが明らかになった。また、そのような環境では血縁に関係なく、被害を受けたときに出す匂いが似ていること、つまり標準語を話すことを判明。



植物と昆虫の匂いコミュニケーションについて研究する龍谷大学農学部塩尻かおり准教授が所属する国際研究チームは、「セイタカアワダチソウにおける植物間コミュニケーション」に関する論文を発表し、学術雑誌『カレントバイオロジー』に掲載されました。

虫に食べられた植物が出す匂いを、健全な植物が受容すると、虫に対する防衛反応が引きおこります。そして虫からの被害を受けにくくなります。つまり、植物たちは互いに、匂いによってコミュニケーションをとっています。植物間コミュニケーションは、同じ遺伝子型の個体間でより強く行われると思われてきました。しかし、今回の研究発表では、日常的に害虫が多い環境下では、血縁関係に関わらず、類似する匂いを放出し、血縁でもない隣接する植物も強く自己防衛の準備ができることが判明しました。

全文は、Mog-lab(もぐらぼ)※をご覧ください。



※Mog-lab:龍谷大学では、食や農業関連への関心を高めていただくことを目的に、本学教員らが当サイトを通じ、コラム形式で、気軽な情報発信を行っています。

●Mog-lab(もぐらぼ)URL : https://mog-lab.com/



<執筆教員のプロフィール>

塩尻 かおり(しおじり かおり)

龍谷大学農学部准教授、博士(農学)

北海道大学で生態学を学び、京都大学農学研究科へ。昆虫と植物の相互作用の研究で修士課程および博士課程(農学)を修了。京都大学白眉センターを経て、2015年4月、現職。

受賞歴=日本農学進歩賞・日本応用動物昆虫学会奨励賞・日本生態学会宮地賞・守田科学奨励賞・京都大学たちばな賞



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