ウパダシチニブの関節リウマチに対する第III相試験の最新データを発表
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブが、関節リウマチに対する第III相試験において、すべての主要評価項目およびアダリムマブに対する優越性を含む重要な副次評価項目を達成
ウパダシチニブが、関節リウマチに対する第III相試験において、すべての主要評価項目およびアダリムマブに対する優越性を含む重要な副次評価項目を達成
●SELECT-COMPARE試験において、ウパダシチニブ(15 mg、1日1回投与)は主要評価項目(ACR20および臨床的寛解)をいずれも達成、12週時点のACR20および臨床的寛解はそれぞれ71%および29%の患者さんで達成(1)
●すべての重要な副次評価項目を達成、12週時点の低疾患活動性およびACR50はアダリムマブ群の患者さん(いずれも29%)と比較して、ウパダシチニブ群ではそれぞれ45%および45%と有意に多くの患者さんで達成(1)
●ウパダシチニブは、プラセボと比較して26週時点のエックス線画像上での関節破壊の進展を有意に抑制(1)
●ウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告された結果と一致、新たな安全性シグナルは検出されず(1-6)
●アッヴィが開発したウパダシチニブはJAK1を選択的に阻害する経口薬で、SELECTプログラムでは1日1回投与の関節リウマチ治療薬、また、その他の免疫関連疾患の治療薬としても開発中(7-14)
イリノイ州ノースシカゴ、2018年4月9日―グローバルなバイオ医薬品企業であるアッヴィは、ウパダシチニブ(15 mg、1日1回投与)が投与12週間後、プラセボとの比較による主要評価項目、ACR20a および臨床的寛解b を達成したことを示す第III相SELECT-COMPARE試験の主要結果を発表しました1。また、プラセボまたはアダリムマブ(40 mg、隔週投与)いずれかと比較したすべての重要な副次評価項目も達成しました。本試験は進行中で、一定用量のメトトレキサートで十分な効果が認められなかった中等度から重度の関節リウマチ患者さんを対象に、経口の選択的JAK1阻害薬ウパダシチニブを評価しています1。ウパダシチニブは規制当局の承認を取得しておらず、安全性および有効性は確立されていません。
アッヴィの研究開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高科学責任者のマイケル・セヴェリーノ医学博士(M.D.)は、次のように述べています。「これらの結果はプラセボと比較して、兆候・症状およびエックス線画像上での関節破壊の進展、いずれに対しても有意な効果を示すとともに、アダリムマブと比較して、ACR改善率および低疾患活動性などの重要な評価項目における改善がみられたことを示しています。私たちは、この優れた結果により、ウパダシチニブが関節リウマチの患者さんにとって重要な治療選択肢となる可能性を裏付けるエビデンスが蓄積されたことを大変喜ばしく思います」
関節リウマチは慢性疾患であり、罹患している患者さんは世界全体で2,370万人と推定されています15。利用可能な治療範囲にも関わらず、依然として多くの患者さんが臨床的寛解や低疾患活動性の目標を達成していません16-18。
12週間時点でACR20に達した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mgを1日1回投与した患者さんで71%、プラセボ投与の患者さんで36%でした1。ウパダシチニブ群では、プラセボ群と比較し、12週時点で有意に多くの患者さんが臨床的寛解(DAS28(CRP)に基づく)を達成しました(それぞれ29%、6%)1。12週間時点でACR50/70に達した患者さんの割合は、ウパダシチニブを投与した患者さんで45/25%、プラセボ投与の患者さんで15/5%でした1。また、12週間時点でDAS28(CRP)に基づく低疾患活動性(LDA)を達成した患者さんは、ウパダシチニブ群で45%、アダリムマブ群で29%、プラセボ群で14%でした1。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201804173007-O1-N6ynQj3H 】
†主要評価項目は、ウパダシチニブ群のプラセボ群との比較によるACR20およびDAS28(CRP)に基づく臨床的寛解(優越性)でした。重要な副次評価項目は、アダリムマブ群と比較したACR50(非劣性と優越性の両方)、アダリムマブ群(非劣性)およびプラセボ群と比較したLDA(優越性)でした。その他の比較はすべて、多重性で調整されていません。また、重要な副次評価項目がすべて示されているわけではありません。
a ACR20/50/70とは、米国リウマチ学会が定めた基準であり、圧痛関節数、腫脹関節数、患者さんによる疼痛度の評価、疾患活動性の全般的評価および身体機能の評価、医師による疾患活動性の全般的評価および急性期反応物質(高感度C-反応性蛋白)に基づく20%/50%/70%以上の改善と定義されています。
b 臨床的寛解は、C-反応性蛋白(CRP)と28関節を用いる疾患活動性スコア[DAS28(CRP)]が2.6未満と定義しました。
c 低疾患活動性(LDA)は、C-反応性蛋白(CRP)と28関節を用いる疾患活動性スコア[DAS28(CRP)]が3.2以下と定義しました。
***プラセボ群と比較して、0.001レベルでの統計的有意性を示しています。
#アダリムマブ群と比較して、0.05レベルでの統計的有意性を示しています。
###アダリムマブ群と比較して、0.001レベルでの統計的有意性を示しています。
試験結果は、ウパダシチニブ群とアダリムマブ群を比較した重要な副次評価項目に関して、ウパダシチニブのアダリムマブに対する優越性も示しました1。12週時点でACR50に達した患者さんの割合は、ウパダシチニブ群で45%、アダリムマブ群で29%でした1。また、12週時点の患者さんによる疼痛度の評価(ビジュアルアナログスケール(VAS)に基づく)を用いて評価した疼痛の軽減、および健康評価質問票を用いた機能障害指数(HAQ-DI)で評価した身体機能の改善に関して、ウパダシチニブはアダリムマブよりも優れていました1。
投与26週間後、ウパダシチニブ群(n=593)ではプラセボ群(n=599)と比較して、modified total sharp score(mTSS)のベースラインからの変化量により評価したエックス線画像上での関節破壊の進展が有意に抑制されました(0.24 vs. 0.92、p<0.001)1。関節破壊は不可逆的な機能喪失、およびその後の障害を引き起こす可能性があるため、その抑制は関節リウマチの患者さんにとって重要です19。
本試験において、ウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告された結果と一致し1-6、新たな安全性シグナルは検出されませんでした1。26週時点までに、最初に無作為割り付けされた治療において重篤な有害事象が発現した患者さんの割合は、ウパダシチニブ群で3.7%、アダリムマブ群で4.3%、プラセボ群で2.9%でした1。26週時点までに重篤な感染症が発現した患者さんは、ウパダシチニブ/アダリムマブ/プラセボ群でそれぞれ1.8/1.5/0.8%でした。26週時点までの死亡例は、ウパダシチニブ群で0例、アダリムマブ群で2例(0.6%)、プラセボ群で2例(0.3%)でした1。26週時点までに判定された主要な心血管系イベント(MACE)は、ウパダシチニブ群では0例でした1。26週時点までのMACEは、アダリムマブ群で2例(0.6%)、プラセボ群で3例(0.5%)でした1。26週時点までに判定された静脈血栓塞栓症(VTE)は、ウパダシチニブ群では深部静脈血栓症(DVT)が1例(0.15%)、肺塞栓症(PE)が1例(0.15%)、アダリムマブ群ではPEが3例(0.92%)、プラセボ群ではPEが1件(0.15%)でした1。SELECT関節リウマチプログラム全体を通じて、プラセボ対照期間および継続投与期間のいずれにおいても、DVTおよびPEの発現率は関節リウマチの患者集団で認められる発現率と一致しています1-4,20-22。
SELECT関節リウマチ臨床試験プログラムに含まれる6つの第III相試験のうち、4つ目のSELECT-COMPARE試験の詳細結果は、今後開催される学会およびピアレビュー論文で発表される予定です。アッヴィは、関節リウマチに対するウパダシチニブのグローバルな規制当局への承認申請を2018年後半に予定しています。
SELECT-COMPARE試験について1
SELECT-COMPARE試験は、プラセボおよびアダリムマブと比較したウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検試験です。一定用量のメトトレキサートの服用で効果不十分な中等度から重度の成人関節リウマチ患者さんを対象として、メトトレキサートと併用でウパダシチニブ(15 mg、1日1回)を投与する群、プラセボ投与群、またはアダリムマブ(40 mg隔週の皮下注射)を投与する群に2:2:1の比率で割り付けました。第1期の主要評価項目は、プラセボとの比較による投与12週後のACR20およびDAS28(CRP)に基づく臨床的寛解の達成率でした。重要な副次評価項目は、プラセボと比較したmodified total sharp score(mTSS)の変化量、アダリムマブと比較したACR50および低疾患活動(LDA)の達成率、VASに基づく患者さんによる疼痛度の評価を用いて評価した疼痛の変化、健康評価質問票を用いた機能障害指数(HAQ-DI)で評価した身体機能の変化でした。本試験は進行中であり、48週間の無作為化二重盲検投与期間後、最長5年の長期継続投与試験が実施されます。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02629159)で閲覧可能です。
SELECT試験プログラムについて
大規模SELECT第III相RAプログラムでは6試験において、4,000名以上の中等度から重度の関節リウマチ患者さんを評価します。これらの試験では、多数の関節リウマチ患者さんにおける有効性、安全性および忍容性の評価が行われています。ACR改善率、 疾患活動性およびエックス線画像上での関節破壊進展抑制などが、重要な有効性の評価項目として設定されています。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706847、NCT03086343、NCT02629159、NCT02706873、NCT02706951、NCT02675426)で閲覧可能です。
ウパダシチニブについて
アッヴィが発見し開発したウパダシチニブは、免疫関連疾患の病態生理に重要な役割を果たすJAK1を選択的に阻害する経口薬として臨床試験が進められています7,8。関節リウマチ、関節症性乾癬、クローン病を対象としたウパダシチニブの第III相試験が進行中であり、さらに、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、アトピー性皮膚炎、巨細胞性動脈炎の治療薬としての開発も進められています9-14,23。
ウパダシチニブは開発中の経口薬であり、規制当局の承認を取得していません。本剤の安全性および有効性は確立されていません。
欧州連合におけるヒュミラ®について24
ヒュミラは、メトトレキサートと併用し、メトトレキサートなどの疾患修飾性抗リウマチ薬で十分な効果が得られなかった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療に適応されます。
重要なEU安全性情報24
ヒュミラは、活動性結核または敗血症や日和見感染などのその他の重度感染症の患者さん、および中等度から重度の心不全(NYHAクラスIII/IV)の患者さんに禁忌です。また、本剤の有効成分またはいずれかの添加物に対して過敏性の患者さんにも禁忌です。アナフィラキシーを含む重篤なアレルギー反応が報告されています。ヒュミラの使用は、重篤な感染症を発症するリスクを増大し、そのことはまれに生命を脅かす可能性があります。ヒュミラを投与した患者さんにおいてリンパ腫および白血病のまれな症例が報告されています。まれに肝脾T細胞リンパ腫という重度のタイプのがんが観察されており、その多くの場合、死に至ります。TNF阻害薬を投与した患者さんにおいては、悪性腫瘍の発症リスクを排除することはできません。ヒュミラを投与した患者さんにおいて汎血球減少症、再生不良性貧血、脱髄疾患、ループス、ループス関連疾患およびスティーブンス・ジョンソン症候群のまれな症例が報告されています。全適応症でもっとも多く報告されている有害事象は、呼吸器感染症、注射部位反応、頭痛および筋骨格痛でした。
世界各国で処方情報が異なります。完全な情報については各国の製品表示ラベルをご参照ください。
(完全な安全性の詳細についてはSmPCをご覧ください)
アッヴィについて
アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75ヵ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。
よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人材情報はFacebookやLinkedInページをご参照ください。
日本においては、アッヴィ合同会社の約1,000人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や販売に従事しています。自己免疫疾患・新生児・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。
アッヴィ 今後の見通しに関する陳述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。
アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2017年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。
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