3月8日の国際女性デーに第2回HeForSheセミナーを開催、官民学の各ゲストが登壇
HeForSheセミナー広報事務局
ジェンダー平等の実現のためのHeForShe
3月8日(木)国際女性デーに第2回HeForSheセミナーを開催
「マインドセットは自分で決める ~あなたはどんな生き方・働き方を選びますか~」
マインドセット・チェンジをテーマに、安倍昭恵氏や南谷真鈴氏をはじめ官民学の各ゲストが登壇
PwC Japanグループ、文京区、ユニリーバ・ジャパン、UN Women日本事務所(五十音順)は、3月8日(木)の「International Women’s Day(国際女性デー)」に、女性の活躍、ジェンダーダイバーシティを考える「HeForSheセミナー マインドセットは自分で決める ~あなたはどんな生き方・働き方を選びますか~」を、文京区シビックホールで開催しました。
「HeForShe(ヒーフォーシー)」は、UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)による、ジェンダー平等のための連帯ムーブメントです*。男性を含む世界中のすべての人がジェンダー平等の実現のために参加し、変革の主体となれるよう、体系的なアプローチとそのためのプラットフォームを提供しています。2014年9月に潘基文国連事務総長(当時)と親善大使のエマ・ワトソンにより発表され、2018年1月現在、世界中で160万以上、そのうち日本では 5,100 人以上がHeForSheに署名しています。PwCグローバル会長とユニリーバCEOは、HeForSheを推進する"IMPACT10x10x10″の企業リーダーとしてUN Womenより選出されています。日本では、PwC Japanグループとユニリーバ・ジャパンが、自社内だけではなく日本の社会全体への情報発信、啓もう活動として2016年からセミナー開催などを中心に活動しています。
近年は多くの女性が活躍の場を広げている一方、日本の男女格差は世界144カ国中114位**にとどまり、働きにくさや生きにくさを感じている女性も少なくありません。今回、第2回HeForSheセミナーでは、“マインドセット・チェンジ”をテーマに、官民学のセクターを超え、様々な分野で変化を起こしているリーダーをゲストスピーカーにお招きし、ジェンダー、年齢、業界、そして自分自身の思い込みに気づくことを目指し、様々な提言を行いました。
冒頭には、スペシャルゲストとして内閣総理大臣夫人 安倍昭恵氏が登壇し、個人が輝ける生き方や、働き方についてメッセージをいただき、会場は大いに盛り上がりました。基調講演では、19歳で七大陸最高峰を制覇した南谷真鈴氏が、「自分の人生は自分で決める」をキーワードにご自身のエピソードを語り、夢に向かって常に笑顔で挑戦し続ける姿に、会場からは大きな拍手が起きました。
さらに「マインドセット・チェンジ」を軸とした3つの対談を通じて、ジェンダーや年齢、業界や組織、地域などの違いに関係なく、誰もが自分らしくいきいきと生き、働ける未来への道を探りました。
クロージングでは、IMPACT ChampionであるユニリーバCEOのポール・ポールマンも駆け付け、ジェンダー平等をどのように捉え、世界や日本でどのような活動を行ってきたのか、そしてマインドセット・チェンジがいかに重要であるかについて、日本で初めて提言しました。
聴講者は、企業の経営陣やマネジメント層から学生まで幅広い世代、総勢636人が集まり、会場は盛況裏に終了しました。
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【セミナーハイライト】
■イントロダクション「HeForSheが創る未来」
セミナー冒頭のイントロダクションセッションでは、主催であるUN Women日本事務所長 石川雅恵、文京区長 成澤廣修、PwC Japanグループ ダイバーシティ推進リーダー 梅木典子、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香が登壇し、「HeForShe」の取り組みや今後の展望について語りました。
まず初めにUN Women日本事務所長 石川雅恵が「今日は国連が定めた、国際女性デーです。今年のテーマは『今こそ行動を、女性の生活を向上させるため農山漁村、および都市部で活躍する活動家たち』。去年からハリウッドのセクハラ問題など、世界中で女性が、差別や暴力に対し抗議の声を上げるニュースが続いているが、だからといって、皆さんがハリウッドの女優になっていけないということではありません。一人ひとりの日常の行動が、必ず私たちの社会を変えます。」と話しました。
PwC Japan梅木、文京区長 成澤、ユニリーバ・ジャパン 島田から、それぞれ、「今日のセミナーのテーマはマインドセット・チェンジですが、今日、皆さんたちのマインドセットに1ミリでも変化があれば、皆さんの職場、同僚、友人多くの人たちに、自分で決め、行動する力を広める大きな動きになる」と語り、セミナー開会の挨拶としました。
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さらに、会場とステージ上の幻想的な装飾で観客の目を奪った「竹あかり」について紹介されました。制作者である「ちかけんプロダクツ」の演出家・プロデューサー 池田親生氏が登壇し、「この竹は、そのままでは無駄なものとして廃材になってしまうのですが、ひとつのアイディアで人々の心をつかむ作品に変わり、皆さんを感動させる何かになるかもしれない、と思っています。今回のセミナーにも通じるところがあると思いますが、世の中には思い込みによる問題がたくさんあるので、「竹あかり」を通して、自然と調和して生きていくことに加えて、世の中を変えていくことができたらいいなという思いを込めて作りました。」と熱い思いを語りました。
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■スペシャルゲストトーク
続いてスペシャルゲストとして、安倍昭恵 内閣総理大臣夫人が登場し会場を盛り上げました。昭恵夫人は「政府が女性の活躍を推進しているので、私も頑張って輝きたい。活躍しなくてはいけないと思っていますが、いろんな輝きかたがあっていいと思う。企業の中で昇進を目指して、管理職をめざしていくのもいいし、主婦として家庭の中を大切にするのもいい。それぞれ一人ひとりが自分らしく輝くことが大事。HeForSheは、Sheのためだけではなくて、それぞれが、それぞれの人のために自分を大事にし、そして、人のためになるような、そんな世の中になっていければと思っています。」と語りました
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■基調講演
基調講演では、七大陸最高峰日本人最年少登頂記録保持者である南谷真鈴氏が登場。スポンサーを自ら募り、一社の支援を受けて、エベレスト登頂決意からわずか2年後の19歳でセブンサミッターになった南谷氏。“女性だから”、“若いから”できないのでは?という世間の声をよそに、「自分の人生は自分で決める」をキーワードに講演。夢に向かって挑戦を続ける南谷氏から「当時、夢だったエベレスト登頂のため資金集めなどを行っていたとき、『17歳の日本の女子高生がエベレストなんて登ることはできない』と言われました。でも、他の人が何と言おうと、資金がなかろうと、絶対にできないことなんてない、絶対に夢をあきらめたくないと思いました。そして、見事夢は叶ったのです。私は、マインドセット・チェンジは考えから始まると思っています。あなたの考えが恐れから来ていれば、結果もそうなってしまいます。考えはあなたの言動や行動になり、人格になり、運命になります。日本人の多くは、『私にはできないから』と謙遜しがちな言葉をよく使います。ですが、皆さんにはぜひポジティブな言葉や「できる」というニュアンスを秘めた言葉を使って欲しいです。それが、夢を実現させるための一番の秘訣だと思っています。」と、メッセージをいただきました。
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■対談①「Mindset Change – Gender &Age」
3つの対談セッションでは、官民学のセクターを超えて、様々な分野で活躍するリーダーが集結。「マインドセット・チェンジ」をテーマにジェンダーや年齢、業界や組織、地域などの違いに関係なく、誰もが自分らしくいきいきと生き、働ける未来への道を探りました。
初めに「Mindset Change – Gender &Age」というテーマのもと、文京区長 成澤廣修、株式会社people first代表取締役 八木洋介氏、モデレーターとしてPwCコンサルティング合同会社パートナー 佐々木亮輔が登場。GenderとAgeの観点から、“日本のおじさん”は変わらない、変えられない?といったトークを繰り広げました。
成澤は「企業の成長の観点からは、バブルを経験し、頑張っただけ成果をもらった世代の人たちの気持ちの変化が重要でしょう。私はその少し下の世代になりますが、地方自治体首長として初の育休を取り、育児に積極的に関わっている経験から、“働き方改革”では、早朝保育・延長保育ではなく、全員が9-17時で保育時間が終わる社会を目指したいと考えています。また、家族の役割分担ももっと柔軟であっていいと感じています。」と語りました。
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続いて八木氏は「マインドセット・チェンジとは、“過去に囚われない”こと。会社は継続性、つまり過去の延長線上で正しいものを掴んでいこうという傾向があるが、世の中は完全に変わってきている。これまでのやり方では勝てない時代が来ている」と語りました。そして「個々人がそれぞれの価値観を持つ時代になっている。ステレオタイプに囚われずに、もっと対話やディベートをして共通認識を得るプロセスが大事になってくる」と指摘しました。女性の活躍のためには、自身の経験からも、「まず女性に機会をたくさん与えること」を強調しました。
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■対談②「Mindset Change – Gender &Industry」
続いての対談では、萩大島船団丸/株式会社 GHIBLI 代表 坪内知佳氏、総務省/よんなな会主催者 脇雅昭氏を迎え、モデレーター 梅木典子が、Gender と Industry の点から、地方や古い慣習の根強い業界でも荒波を乗り越え新しい道を切り拓いていてきたそれぞれの経験を踏まえた「マインドセット・チェンジ」をうかがいました。
坪内氏は、たまたま移り住んだ山口県の大島で 、2011 年に立ち上げた新しい漁業ビジネスモデル「萩大島船団丸」についての事業内容を説明。漁師が獲った魚を漁業協同組合に通さず、料理店などに直送、しかも漁協にも利益を共有する形で事業を軌道にのせるなど、画期的な取り組みの一端を紹介しました。しかし、そこまでの道のりは平たんではなく、漁師の方の理解を得、自分を受け入れてもらうまで、最初の2年間はとにかく根気よく話し合いを繰り返したとも語り、学びとして、プロセスが大事であること、さらに「良い話を聞いて良いな、と思う人は全体の10分の2、行動を起こす人はその中の10分の2、さらに結果を出せる人はその10分の2しかいない、自分がその10分の2になるのが大事」であることを強調しました。
さらに、「収入源の大部分を“漁業”に頼っている“大島”のような地方は、産業が衰退する事=地元の衰退へ直結する」とし、地方創生のためには、街が持つ特性を活かしながら、地方の伸びしろを上手に引き出していくことが大切」と訴えました。
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脇氏は、「世の中のイメージが決していいとは言えない公務員ですが、皆で集まって思いを共有すれば、何か生まれるのではと思い、全国47都道府県の地方・国家公務員が仕事以外で集まる『よんなな会』を発足させ、モチベーションアップをさせている」と活動の動機を語りました。神奈川県座間市が清掃業者の車にイメージキャラクターのイラストを描いたことで、子供たちの人気となり、町の人々の清掃業に対する目線がかわったことを事例紹介して、行政がそのような取り組みをしていること、小さな取り組みで意識が大きく変わることを伝えました。「完璧を求めると行動がとれない。周囲の人を1%幸せにできればいい、とハードルを下げることでアクションをとれる」とのアドバイスもありました。
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■対談③「Mindset Change – Self」
最後の対談では、ドラッカー経営大学院准教授/エグゼクティブ・マインド・リーダーシップ・インスティテュート創設者・ディレクター ジェレミー・ハンター氏、IMD 北東アジア代表 高津尚志氏、モデレーター 島田由香がSelfの観点でマインドセット・チェンジについてディスカッションしました。
まず初めに、ハンター氏が客席に向けた実験として、子供が写ったある1枚の写真について、好きか嫌いか、どのようなストーリーが頭に浮かんだか、どのような気持ちになったかを問いかけました。会場では、好き嫌いが分かれ、それぞれの頭に浮かんだストーリーや気持ちについて、隣の席の人と活発に意見を交わす中で、同じ写真についても人によって見方が全く異なることに気づき驚く様子が見られました。ハンター氏は、この実験を通して、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を紹介し、「人は1秒で無意識に約1,100万の情報を受け取っているが、その内意識しているのは約60%に過ぎない。ジェンダーや年齢の違いによる思い込みや偏見を持っていることに気づいていないのです。」と語りました。特に、リーダーは思い込みを手放すことができない傾向がある、と指摘しました。
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そして高津氏は、「リーダーがより強くなるには、自身がもともと自覚している強みだけでなく、ナチュラルな自分らしさを棚卸しすること、現状を自分の言葉でポジティブに再解釈することは非常に重要で、これはマインドセット・チェンジにも通ずることです。」と語りました。また、リーダーの資質については、「女性のほうが、共感力が高かったり、相手の心に入って信頼関係を築くのが上手いのに対し、男性は、飴と鞭を使ったリーダーシップを発揮するのが上手い。」と紹介しました。また、これから求められるリーダーシップについて、企業の抱える課題や場面に応じて、交換型リーダーシップと変革型リーダーシップが必要であるが、特に女性は変革型リーダーシップを発揮するのが得意であることにも言及しました。
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最後に、島田は「私たちは、もっと感情を出していいと思う。女性だから、男性だからといって喜怒哀楽を押し殺してしまう人が増えているのではないかと思う。感情をそのまま受け取ることが大切だと思う。」と語りました。また、自身もIMDのコースを受講したことによって、自分のバイアスに気がついたエピソードを通して、「まずは、全ての人が自分とは異なる解釈を持つことに気づくことが重要だと思います。自分自身の思い込みに疑いを持って、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に気づくことによって、人は大きく変わることができると思います。」と締めました。
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■閉会挨拶
最後に、PwC Japan グループ代表 木村浩一郎、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役 プレジデント&CEOフルヴィオ・グアルネリ、ユニリーバ グローバルCEO ポール・ポールマンが登壇し、閉会の挨拶とともに、参加者に向けて今日からどのように考え方を変えるか、今日から何をするかという、アクションを促し、マインドセット・チェンジの重要性を訴えました。
木村は「人間は一人では強くないですし、できることも限られていますが、ちょっとした勇気で自分を変え、さらに社会を変える存在にもなり得ます。HeForShe の取り組みは、「彼 vs 彼女」の枠をこえ、互いに勇気を与えあう活動だと思っています。今日のセミナーから皆さんが勇気をもらい、少しでも自分を変えるきっかけをつかんでいただけたら、主催者としてこれ以上の喜びはありません。」と語りました。
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続けて、グアルネリと島田の呼びかけにより、IMPACT ChampionであるユニリーバCEOのポール・ポールマンをステージ上へ呼び込みました。
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最後に、ポールマンは「ユニリーバは、ジェンダー格差のみならず、世の中が抱える多くの問題の原因となっている社会的規範やステレオタイプを変えることによって、人々の考え方を変える手助けをし、より大きな変化をもたらすことができると考えています。今回のセミナーでは、ジェンダー、年齢、業界、自己に関する規範とステレオタイプに挑戦した“She”と“He”のリーダー達を見てきました。自分の可能性に挑戦する“She“の周りには、常にそれを信じ、彼女を支える“He”がいます。あなたの周りの "He"に気づいていますか?そして、あなた自身が "He"になれるということを知っていますか?"She"として輝いたり、誰かの"He"になるのは、まさにみなさんご自身であり、みなさんご自身が決めることです。今日から、あなたは考え方をどのように変えますか?今日から何をしますか?」と問いかけ、改めてマインドセット・チェンジの重要性を訴え、感謝の気持ちと共に、HeForSheセミナーを締めくくりました。
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