アトピー性皮膚炎を対象としたウパダシチニブの後期第II相臨床試験について、最新のデータを発表
アッヴィ合同会社
アッヴィ、アトピー性皮膚炎を対象としたウパダシチニブの後期第II相臨床試験について、最新のデータを2018年米国皮膚科学会年次総会において発表
●ウパダシチニブは、1週時点でかゆみ(そう痒)を軽減1
●ウパダシチニブは、2週時にすべての用量群で皮膚病変の広がりと重症度も改善1
●ウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告された結果と一致1
●ウパダシチニブは、アッヴィが設計し開発している経口薬でJAK1を選択的に阻害、アトピー性皮膚炎において1日1回投与の治療薬として開発しているほか、その他複数の免疫関連疾患に対する治療薬としても開発中2-9
イリノイ州ノースシカゴ、2018年2月17日 –グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE:ABBV)は、中等度から重度のアトピー性皮膚炎の成人患者さんを対象として開発中の1日1回経口投与、選択的JAK1阻害薬ウパダシチニブの後期第II相用量設定試験から新たに得られた良好な結果を発表しました。これらの結果は、サンディエゴで開催された2018年の米国皮膚科学会(AAD)年次総会の「Late-breaking Research: Clinical Trials」セッションにて取り上げられました。ウパダシチニブは規制当局の承認を取得していません。本剤の安全性および有効性は確立されていません。
アッヴィは2017年9月に、この後期第II相試験の主要な結果として、主要評価項目である、プラセボと比較した16週時点における湿疹面積・重症度指数(EASI:Eczema Area and Severity Index)の平均変化率に関する評価結果を発表しました1。この発表に関するプレスリリースは、こちらをご覧ください。
本日の発表では、追加の探索的解析の結果から、ウパダシチニブのすべての用量群(30/15/7.5 mg 1日1回)において評価対象としたアトピー性皮膚炎の症状が有意に軽減されたことが示されました。これには、1週時に認められたかゆみ(そう痒)の軽減、2週時点の皮膚病変の広がりと重症度の改善が含まれます1。
マウントサイナイ・メディカルセンターにあるイカーン医科大学の皮膚・免疫学科教授兼治験責任医師であるエマ・ガットマン-ヤスキー医学博士(M.D., Ph.D.)は次のように述べています。「アトピー性皮膚炎の患者さんは深刻な影響を及ぼす可能性のある激しいかゆみや皮膚病変から解放されることを望んでいます。アトピー性皮膚炎の患者さんにおける疾患の重症度や利用可能な標的療法を考えると、さらなる選択肢が必要です」
徴候および重症度(湿疹面積・重症度指数)の評価
●探索的解析による2週時の結果から、ウパダシチニブのすべての用量群(1日1回30/15/7.5 mg)において、湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアの平均変化率で評価したアトピー性皮膚炎の広がりと重症度の有意な改善が示されました1。
【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201802271305-O1-XBJ2y193 】
かゆみ(そう痒)の軽減に関する評価
●探索的解析による1週時の結果では、ウパダシチニブ投与を受けた患者さんにおいて、そう痒の数値化格付けスケール(NRS)による評価でかゆみの軽減がみられました1。
【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201802271305-O2-2258WDGx 】
最も高頻度でみられた有害事象は、上気道感染、アトピー性皮膚炎の増悪および、ざ瘡でした1。重篤な有害事象が認められた患者さんは、ウパダシチニブ 30/15/7.5 mg群で0/1/2例、プラセボ群で1例でした1。今回の後期第II相試験では、最初の16週間において、帯状疱疹、悪性腫瘍、死亡、肺塞栓症(PE)または深部静脈血栓症(DVT)は認められませんでした1。
アッヴィの免疫疾患開発担当バイスプレジデントのマレック・ホンツァレンコ医学博士(M.D., Ph.D.)は次のように述べています。「ウパダシチニブが有意にかゆみを軽減し、さらに皮膚病変を有意に改善することを示した今回の試験結果は、ウパダシチニブが患者さんにとって有意義な治療選択肢となる可能性を示しています。私たちは患者さんの生活に大きく貢献できるよう尽力しています。今年、この開発プログラムが承認申請を実現するための試験に進むことを期待しています」
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は慢性の炎症性皮膚疾患で、皮膚のびらん、毛細血管性出血、痂皮、紅斑、激しいかゆみ、皮膚の乾燥などの症状を特徴としています10。症状は皮膚の発疹として現れたり、肥厚や硬化を伴ったりすることがあります11。
ウパダシチニブの後期第Ⅱ相試験について 1
本用量設定試験は、進行中の88週間の第II相、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照多施設共同試験です。局所療法ではコントロールされない、もしくは局所療法が医学的に推奨できない中等度から重度の成人アトピー性皮膚炎患者さんを対象として、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされました。第1期に、4つの投与群(upadacitinibを1日1回30/15/7.5mgの3用量群およびプラセボ投与群)のいずれかに1:1:1:1の比率で患者さんを無作為に割り付け、16週間投与を行いました。主要評価項目は、16週時点におけるEASIスコアの平均変化率のプラセボ投与群との比較でした。スケール副次評価項目は、EASI 90、EASI 75、Investigator’s Global Assessment(治験医師による全般的評価)IGA0または1に達した患者さんの割合ならびに、そう痒/かゆみのNRSの1日目(ベースライン)から16週までの変化率のプラセボ投与群との比較でした。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02925117)で閲覧可能です。
ウパダシチニブ について
アッヴィが発見し開発したウパダシチニブは、免疫関連炎症性疾患の病態生理に重要な役割を果たすJAK1を選択的に阻害するように設計された経口薬として研究が進められています2,3 。関節リウマチ、関節症性乾癬、およびクローン病において第Ⅲ相臨床試験が進行中で4-6 、強直性脊椎炎の治療薬としての検討も進められています7 。アッヴィは今年、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎、および巨細胞性動脈炎においても申請に向けた試験を開始していく予定です8.9。
2018年1月に、ウパダシチニブはFDAから全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんにおける画期的治療薬「ブレーク・スルー・セラピー」の指定を受けました。ブレークスルー・セラピーの指定は、重篤または生命に関わる疾患に対して開発中の治療薬のうち、少なくとも1つの臨床上意味のある評価項目に関し、従来の治療を大幅に上回ることを示す一定の臨床エビデンスを有する医薬品について、その開発と審査の迅速化を目的としているものです12
ウパダシチニブは現在開発中の経口薬であり、規制当局によって承認されていません。安全性と有効性は確立していません。
アッヴィについて
アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努めるグローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75ヵ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。
よろしければTwitterアカウント@abbVieもフォローください。また、人財情報はFacebookやLinkedInをご参照ください。
アッヴィ 今後の見通しに関する陳述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。
アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2016年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。
1 Guttman-Yasky, E et al. Primary Results from a Phase 2b, Randomized, Placebo-Controlled Trial of Upadacitinib for Patients with Atopic Dermatitis. American Academy of Dermatology. February 2018.
2 Voss, J, et al;Pharmacodynamics Of a Novel Jak1 Selective Inhibitor In Rat Arthritis and Anemia Models and In Healthy Human Subjects. [abstract]. Arthritis Rheum 2013;65 Suppl 10 :2374. DOI: 10.1002/art.2013.65.issue-s10
3 Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2017. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on January 29, 2018.
4 A Study Comparing ABT494 to Placebo in Subjects With Rheumatoid Arthritis on a Stable Dose of Conventional Synthetic DiseaseModifying Antirheumatic Drugs (csDMARDs) Who Have an Inadequate Response to csDMARDs Alone (SELECT-NEXT). ClinicalTrials.gov. 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02675426. Accessed on January 29, 2018.
5 A Study Comparing Upadacitinib (ABT-494) to Placebo and to Adalimumab in Participants With Psoriatic Arthritis Who Have an Inadequate Response to at Least One Non-Biologic Disease Modifying Anti-Rheumatic Drug (SELECT - PsA 1). ClinicalTrials.gov. 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03104400. Accessed on January 29, 2018.
6 A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of ABT-494 for the Induction of Symptomatic and Endoscopic Remission in Subjects With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Immunomodulators or Anti-TNF Therapy. ClinicalTrials.gov. 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02365649. Accessed on January 29, 2018.
7 A Study Evaluating the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Subjects With Active Ankylosing Spondylitis (SELECT Axis 1). 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT03178487. Accessed on January 29, 2018.
8 A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of ABT-494 for Induction and Maintenance Therapy in Subjects With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed on January 29, 2018.
9 Phase 2b AD Dose Ranging Study (40wk) N=160. ClinicalTrials.gov. 2018. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02925117. Accessed on January 29, 2018.
10 Hebert AA. Review of pimecrolimus cream 1% for the treatment of mild to moderate atopic dermatitis. Clin Ther. 2006;28(12): 1972-82.
11 Williams HC. Clinical practice. Atopic dermatitis. N Engl J Med. 2005;352(22):2314-24.12 U.S. Food and Drug Administration.
12 Fact Sheet: Breakthrough Therapies. https://www.fda.gov/RegulatoryInformation/LawsEnforcedbyFDA/SignificantAmendmentstotheFDCAct/FDASIA/ucm329491.htm. Accessed on January 29, 2018.
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