電通、「ジャパンブランド調査2017」を実施
株式会社電通
電通、「ジャパンブランド調査2017」を実施
20カ国・地域の日本への好意度は、昨年より1.3ポイント上昇の82.8%
日本への好意度では、タイ、フィリピン、ベトナムの3カ国が同率1位
訪日意向のトップはフィリピン。ベトナムの訪日意向度が大幅に上昇
日本における目的地では、東アジア各国・地域では再開発が進む「東京」が巻き返し
欧米豪では「日本人のくらし」、アジアでは「観光スポット」に関心
中国訪日客のボリュームゾーンが三大都市圏(北京・上海・広州)から地方の成長都市へとシフト、再び“爆買い”か?
中国三大都市圏の旅行者は日本ではなく、より遠い国・地域へ
アメリカでは東海岸よりも西海岸の方がより親日的で、訪日旅行への意欲も高い
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業の一環として、2017年2~3月に20カ国・地域 ※で「ジャパンブランド調査2017」を実施しました。
全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」が実施した本調査は、2011年より対象エリアやサンプル数、設問項目を追加しながら継続的に行っているもので、親日度(日本に対する好意度)や訪日旅行意向、訪問地域とその理由、日本および日本産品に対する興味・関心やイメージなどに関する詳細データと知見の収集を目的としています。そして調査結果は、海外に展開する企業や、国内で訪日客対応を進める企業にお役立ていただいています。
2016年に行った前回調査から、盛り上がるインバウンド需要に対応すべく、旅行関連の設問を増やしました。今後、調査結果の詳細を顧客企業向けに提供していくだけでなく、この調査で得られた仮説をもとに、戦略エリアを選定し、当社自らのビジネス開発にも積極的に取り組んでいきます。
本リリースでは主なファインディングスについてご紹介します。
※20カ国・地域=中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深セン、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
【主なファインディングス】
「日本のことが好きな国・地域」はタイ、フィリピン、ベトナムが同率1位。訪日意向のトップはフィリピン。ベトナムではスコアが大幅に上昇
■日本に対する「好意度」
・全体ポイントは82.8%と昨年より1.3ポイント上昇。今年はタイ、フィリピン、ベトナムが同率1位。2016年に1位のタイに加え、2014年と2015年に連続1位だったベトナム、そして昨年からスコアを少し伸ばしたフィリピンが横並びに。
■訪日意向
・前年に引き続き、調査対象全体の約8割が訪日意向ありという高いスコア。トップはフィリピン、2位はベトナム、3位がタイと、昨年同様に日本に対する好意度と連動する結果となった。
・訪日意向でトップとなったフィリピンからの2016年における訪日旅行客数は347,800人と過去最高を記録し、年間合計で初めて30 万人を突破した。同じくタイも過去最高で初の90万人超えを記録。またベトナムも過去最高で初めて20万人超えとなった(JNTO調べ)。これら好意度トップ3カ国による訪日客は順調に伸びている。特にベトナムでは、昨年と比較して訪日意向が13ポイントも上昇しており、今後も日本への旅行者数が増加していくものと期待される。
東アジア各国・地域では、再開発が進む「東京」が巻き返し。欧米豪では「日本人のくらし」、アジアでは「観光スポット」に関心。
■行きたい日本の都道府県
・行きたい日本の都道府県の1位は不動の東京都。以下、2位:京都府、3位:大阪府、4位:北海道、5位:沖縄県となっている。ランキングは昨年と変わらないが、北海道が大阪府に0.1ポイント差と迫っており、引き続き人気を集めている。
・東アジア各国・地域では前年まで東京離れが進んでいたが、今年は東京がやや巻き返す結果に。行きたい都道府県としての東京都は、中国では2位(前年も2位)、香港では3位(前年は5位)、韓国では1位(前年は3位)、台湾では2位(前年は4位)となった。東京では2020年に向けた再開発プロジェクトが進行しており、銀座にはエリア最大級の複合施設「GINZA SIX」がオープンしたばかり。変わりゆく東京への期待感が高まっていることが裏付けられる結果となった。
・欧米を中心に人気があるのは「広島」や「長崎」など歴史的に関係がある場所や、自然が注目されている「長野」など。アジアの一部では「奈良」「福岡」「鹿児島」など主要都市からのアクセスが良い場所への意向が高まっている。
■訪日の旅行スタイル
・日本でやりたい旅については、ドイツ・ロシアを除く欧米では「日本人の間で流行っていることを真似してみたい」が1位。アジアでは「主要な観光スポットを周遊したい」が1位と、エリアごとの楽しみ方の違いが出る結果となった。他には、タイでは「自国の有名人や友人がSNSに上げていた場所を巡ってみたい」、香港では「リゾートホテルなどの施設に滞在し、のんびりしたい」、フィリピンでは「家族・友人・知人と体験を通じて思い出をつくりたい」が高いスコアとなっており、スポットの選び方や滞在中の過ごし方に関するこだわりに違いが見られる。
中国観光客のボリュームゾーンが三大都市圏(北京・上海・広州)から地方の成長都市へとシフト。 再び“爆買い”か? 三大都市圏の旅行者は日本ではなく、より遠い国・地域へ
■アジア各国の「行きたい国・地域」
・行きたい国、地域を聞いてみたところ、アジア地域の多くの国々では「日本」がトップになったが、中国、韓国、インドでは「アメリカ」がトップであった。特に韓国では行きたい国の上位を欧米豪が占めており、日本は9番手となっている。他方で中国では、三大都市圏(=北京、上海、広州)では日本は2位だが、地方の成長都市である新一線都市(=深セン、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)では日本が1位になっており、今後訪日観光客のボリュームゾーンが三大都市圏からシフトする可能性が出てきた。
■中国の「日本でやりたいこと」
・従来のボリュームゾーンであった三大都市圏の「日本でやりたいこと」のトップ3は「日本食を食べる」「自然・景勝地観光」「温泉入浴」。「ショッピング」は「四季の体感(花見・紅葉・雪など)」に次いで5番手となっており、モノ消費よりもコト消費への意欲が高まっていることが分かった。
・今後のボリュームゾーンになることが期待される地方の成長都市による「日本でやりたいこと」のトップ3は「日本食を食べる」「自然・景勝地観光」「ショッピング」となっており、現在はいったん収まったかのように見える“爆買い”の新たな客層になることが期待される。
アメリカでは東海岸よりも西海岸の方が親日的で、訪日旅行への意欲も高い。アクティビティーの興味・関心では、「食」のスコアが共通して高く、東ではアクティブな活動、西では自然に関するものを中心に人気がある傾向。
■アメリカの東海岸・西海岸※比較
・アメリカの東海岸・西海岸では、日本に対する意識に違いが見受けられた。例えば、好意度や訪日意向では、共に西が東を上回る結果となった。
・日本のアクティビティーの興味・関心では、東西共通の1位は「日本食を食べる」、2位が「ショッピング」。一方、それ以外の項目を見ると、東の方がより「繁華街の街歩き」「ドライブ・サイクリング」などアクティブな活動に人気があるのが特徴的。
・また実際に来日した際のアクティビティーも、東西ともに「日本食を食べる」が1位ではあるが、「ドライブ・サイクリング」では東での人気が高くなっている。一方、西では「四季の体感」「舞台鑑賞(歌舞伎・演劇・音楽など)」「自然・景勝地観光」「テーマパーク」が東よりも10ポイント以上高く、“自然”に関するものを中心に多彩なアクティビティーを好む傾向が強い。
・「日本食」は東西共通の関心事で、食べたいもののトップは共に「天ぷら」。日本食への関心は全体的に西の方のスコアが高く、「お弁当」や「お好み焼き」では東を10ポイント以上も上回るなど、幅広い日本食への関心がうかがえる。
・日本の物事への興味・関心で東西差が大きかったのは「日本のコスプレ」で、西が東よりも11ポイントも高い結果に。一方、東は西よりも「日本のロボット工学」への関心が約9ポイント高い結果に。同じアメリカでも東西で日本に関するイメージや関心で異なる点が明らかになった。
※東西については州で区別。東海岸は、コネティカット、デラウェア、フロリダ、ジョージア、メーン、メリーランド、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューヨーク、ノースカロライナ、ペンシルべニア、ロードアイランド、サウスカロライナ、バーモント、バージニア、ワシントンDC。西海岸はカリフォルニア、オレゴン、ワシントンで集計。
<ジャパンブランド調査2017の概要>
・目的:食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握する
・対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深セン、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
・調査手法:インターネット調査
・対象者条件:20~59歳の男女 *中間所得層以上
*「中間所得者層」の定義(収入条件):OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
・サンプル数:中国はA・B200名ずつで計400名、アメリカは400名、それ以外の地域は各200名の計4,400名
・調査期間:2017年2月13日~3月10日
・調査機関:株式会社ビデオリサーチ
<参考:ジャパンブランド調査2014、2015、2016の対象地域>
◇ジャパンブランド調査2016(2016年4~5月実施)
・20カ国・地域:中国(北京、上海)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
◇ジャパンブランド調査2015(2015年4月実施)
・20カ国・地域:中国(北京、上海)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
◇ジャパンブランド調査2014(2014年4月実施)
・18カ国・地域:中国(北京、上海)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、アメリカ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
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