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60歳~79歳の男女に聞く「食生活と食意識に関する調査」


2015年10月14日



株式会社日本能率協会総合研究所



「孤食」「メニューの偏り」「不規則化」

ひとり暮らし高齢者が陥りやすい食の“若者化”

健康のための「宅配サービス」利用意向が約半数

利用したい1位は「牛乳・乳製品」



 株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR)では、このたび、60歳から79歳の高齢者を対象に食生活の実態と意識を明らかにするためにアンケート調査を行いました。本調査は、対象者の生活環境(同居家族)別に、(1)夫婦のみ、(2)子供家族と同居、(3)ひとり暮らし、の3タイプの高齢者に聴取しました。

 また、比較対象として、ひとり暮らしの20代男女にも同じ内容のアンケート調査を行いました。

 本リリースでは調査結果の一部をご紹介いたします。





【 調査概要 】

調査名称 60歳~79歳の男女に聞く「食生活と食意識に関する調査」

調査期間 2015年9月24日(木)~9日29日(火) 6日間

調査対象 60-79歳の男女

             (1)夫婦のみ

             (2)子供家族と同居

             (3)ひとり暮らし

           20-29歳の男女独身ひとり暮らし

調査方法 FAX調査(60-79歳の男女)

            インターネット調査(20-29歳の男女)

回答数 60-79歳の男女:500人

    (内訳:(1)夫婦のみ 200人、(2)子供家族と同居200人、(3)ひとり暮らし100人)

            20-29歳の男女:200人

  (内訳:男性 100人、女性 100人)







トピックス

1.ひとり暮らしの高齢者の食生活の乱れが深刻化

・ひとり暮らしの高齢者のうち、「栄養バランスが欠如している」と感じている割合は、

 家族と同居している高齢者の3倍を占める。

・家族と同居している高齢者と比べて、ひとり暮らしの高齢者で不足していると

  感じている栄養素は、「タンパク質」、「食物繊維」、「鉄分」、「カリウム」、

「カルシウム」など。

「タンパク質」、「食物繊維」、「鉄分」、「カルシウム」は、20代ひとり暮らしが

  不足していると感じている栄養素と共通。

・ひとり暮らし高齢者が、栄養バランスが欠如していると考える最も大きな理由は

「ひとりで暮しているから」。



2.ひとり暮らし高齢者の食の特徴は、「孤食」「メニューの偏り」「不規則化」

 20代ひとり暮らしの若者に近い食の“若者化”の傾向

・ひとり暮らしの高齢者の大多数がひとりで夕食を食べていた(孤食)。

・また、家族と同居している高齢者と比較すると「食事回数」は少なく、

「毎日同じようなものを食べる」割合が家族と同居者の2倍と、“食”に

  対する関心の低さがうかがえた。

「毎日同じようなものを食べる」 回答の割合は20代ひとり暮らしと

  ほぼ同じ多さだった(メニューの偏り)。

・「食事の時間」もやや不規則な傾向が見られた(不規則化)。

※本リリースでは、「孤食」「メニューの偏り」「不規則化」について、ひとり暮らし高齢者の傾向が20代ひとり暮らしと類似していることを指して「若者化」と表現しています。



3.ひとり暮らし高齢者の「惣菜・弁当利用」は、20代ひとり暮らしより多い

・子供家族と同居している高齢者のほとんどは「週に10回以上」

   手作り料理を食べているが、ひとり暮らしでは7割に留まる。

・ひとり暮らしの高齢者による弁当・惣菜などの購入率(週に2回以上)は

  家族と同居している高齢者の2倍で、ひとり暮らしの20代よりも多かった。

・男性のひとり暮らし高齢者の4割が「コンビニ」で弁当や総菜を購入。



4.「宅配サービス」の利用意向は高齢者の約5割

・最近、市場が拡大している「食品・飲料の宅配サービス」について、

   高齢者の今後の健康のための利用意向はひとり暮らし世帯も含めて5割程度。

・利用したいアイテムは「牛乳・乳製品」、「野菜・果実」が人気。





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■トピック1:ひとり暮らしの高齢者の食生活の乱れが深刻化



▽60歳~79歳の高齢者に、普段の食生活は栄養バランスがとれているかどうか聞いたところ、子供家族と同居している高齢者では8割以上が「栄養バランスがとれている」と感じているのに対し、ひとり暮らしの高齢者では「栄養バランスがとれている」のは約半数に留まり、半数は「栄養バランスがとれていない」と自覚していた。これは、家族と同居している高齢者のおよそ3倍の割合。[図表1]



▽ひとり暮らしの高齢者は、家族と同居している世帯よりも普段の食生活で不足している栄養素が多くみられた。特に家族と同居している高齢者との差が大きいのは「タンパク質」、「食物繊維」、「鉄分」、「カリウム」、「カルシウム」などで、「カリウム」以外は20代ひとり暮らしが不足していると感じているのと共通した栄養素であった。[図表2]



▽「栄養バランスがとれていない」と感じているひとり暮らし高齢者にその理由を聞くと、8割が「ひとり暮らしだから」と回答しており、食事の栄養バランスの欠如、乱れは“ひとり暮らし”が主な原因であった。[図表3]



■トピック2:ひとり暮らし高齢者の食の特徴は、「孤食」「メニューの偏り」

  「不規則化」20代ひとり暮らしの若者に近い食の“若者化”の傾向



▽ひとり暮らしの高齢者の多くは、栄養バランス、栄養素が足りないと感じており、栄養バランスの欠如は「ひとり暮らしが原因」と考えていたが、トピック2では高齢者の自宅での食生活の実態をまとめた。

▽配偶者や子供家族と同居している高齢者のほとんどは、夕食を家族と一緒に食べているのに対して、ひとり暮らし高齢者のほとんどがひとりで夕食を食べていた(孤食)。[図表4]



▽ひとり暮らし高齢者は、同じようなメニューの食事が続くことが「よくある」が35%と家族と同居している高齢者の2倍以上と、20代ひとり暮らしとほぼ同じ傾向であった(メニューの偏り)。[図表5]



▽1日の食事回数は、家族と同居する高齢者は9割以上が「1日3食」であったが、ひとり暮らしの高齢者では「1日3食」の割合はやや低く、「1日2食以下」が約2割いた。[図表6]

▽また、食事時間についても、家族と同居する高齢の2-3割は「きちんと決めている」のに対し、ひとり暮らしの高齢者ではその割合は低い(不規則化)。[図表7]



▽ひとり暮らしの高齢者のほとんどが夕食をひとりで食べており、誰かのために作る、家族と一緒に食べるといった“楽しみながらの食事”が家族と同居している高齢者よりも少ないと考えられる。その結果、食事を作とが面倒に感じ、同じようなメニューが続き、食事の回数が減ることになり、食に対する関心が家族と同居している高齢者と比較すると希薄になっていると考えられる。



■トピック3:ひとり暮らし高齢者の「惣菜・弁当利用」は、20代ひとり暮らしより多い



▽1週間に自宅で手作り料理を食べる合計回数は、家族と同居の高齢者は「週に10回以上」が9割以上を占めるのに対して、ひとり暮らし高齢者は7割と大きな差が見られた。[図表8]

▽手作り料理の回数と反比例するように、ひとり暮らし高齢者の惣菜や弁当の利用頻度は高く、「週に2回以上」で比較すると家族と同居の高齢者は25%に対してひとり暮らし高齢者ではおよそ半数と2倍で、ひとり暮らしの20代よりも多い割合だった。[図表9]

▽また、男性ひとり暮らし高齢者の4割が「コンビニ」で弁当や総菜を購入していた。[図表10]。



■トピック4:「宅配サービス」の利用意向者は高齢者の約5割



▽最近市場が拡大している食品や飲料の「宅配サービス」について、今後の健康のための利用意向は、高齢者の約半数。[図表10]

▽利用したいアイテムは「牛乳・乳製品」が7割程度と最も多く、「野菜・果実」が2番目。[図表11]

ひとり暮らし高齢者を中心に、不足していると感じている「カルシウム」、「タンパク質」等を補おうと意識していることがうかがえた。



■会社概要

●株式会社日本能率協会総合研究所について

株式会社日本能率協会総合研究所は、お客様の経営革新と社会の発展を使命とする日本能率協会グループのシンクタンクとして、専門性に裏打ちされた確かなリサーチを提供しています。主な事業として、官公庁の政策・計画立案に資する調査研究、民間企業

向けマーケティング・リサーチ、および会員制のビジネス情報提供サービスを行っています。























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