「死んだあとも一緒に」と考えるご夫婦にとっては、「夫と一緒のお墓に入りたくない」という考え方は、まったく理解できないものかもしれません。
しかし、「WooRis」が371人の女性を対象としてとったアンケートでは、ちょうど3分の1にあたる人が「夫とは一緒のお墓では嫌だ」と答えています。
3人に1人ということを考えれば、決して少なくない数ですよね。 それでは、こんな人はどのようにして弔ってもらったらよいのでしょうか。
お骨を遺すかたちで弔う
「夫と一緒のお墓に入りたくない」と考えた場合、どのように弔われるかについて考えなければなりません。
「死後の弔われ方」は大きく分けて2つあります。1つはお骨を遺す方法、もう1つはお骨を遺さない方法です。
お骨を遺す方法となると、真っ先に思い浮かべるのが、やはり「別にお墓をたてる」という方法でしょう。
しかしこれは200万円程度もかかります。自分の残した家族にお願いする、というやり方では、経済的な負担が大きくなります。
納骨堂を使うという方法もあります。納骨堂はお墓より安く、50万円程度もあれば十分です。場合によっては10万円程度のプランもあります。
散骨にするのも手
「もう少しリーズナブルにやりたい」、「自然のなかに帰りたい」という人であれば、樹木葬や散骨がよいでしょう。
樹木葬の場合、20万円~70万円程度が相場でしょう。1人につき1本、というプランでもこれくらいの値段で行うことができます。
「散骨」は海にまく方法です。この方法も意外に安く、30万円も出せば十分です。
かなり割安の方法であること、「自然に帰れる」ということから、現在では一つのお骨の処理の仕方として確立されている方法でもあります。
ただし、樹木葬であれ散骨であれ、勝手にやってよいものではありません。
もちろん、「自分の家の土地に撒く」ということであればよいのですが(その場合でも、お骨を砕くなどして、周囲に配慮する必要はあります)、「知らない土地に勝手に撒いてよい」というものではありません。
そのため、このかたちを希望するのであれば、業者を通した方が安心です。業者では「散骨してよい土地」、「樹木葬を行ってよい土地」を把握しているからです。
「夫と一緒のお墓に入りたくない」という希望には、賛否両論があるでしょう。
しかし、死んだ後に葬られるところが、文字通り「最後の居場所」であるのだとすれば、やはり、故人の意向に従うのが一番なのではないでしょうか。(執筆者:鍋谷 萌子)