私が埼玉県某所に所有している店舗付きマンション。
空き店舗対策として自身でコインランドリーとバイクガレージを始めたことを、以前のコラムでご紹介しました。
その決断が吉と出たかそれとも凶と出たか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
テナント募集を続けるべきだったか、それとも空き店舗を活用した積極的な事業展開が奏功しているのか、ご紹介することにいたします。
バイクガレージの特長
ゴールデンウィークを過ぎ、何をするにも気持ちの良い季節となりました。
最近、街中にライダーの数が増えてきたと感じませんか? そう、ライダーたちも気候が良くなるこの季節、一気に活動を開始するのです。
したがって、バイクガレージの契約も、ライダーたちのこのような行動と一致することになります。
言い方を変えると、冬の間、特に1月から3月にかけての契約はほとんど期待できないわけですね。
もうひとつの特長として、いちど契約したら長期に渡って借り続けてもらえるということがあります。
バイクを廃車にするか借主が引越しでもしない限り、解約されることはほとんどありません。
もちろん、すべてのバイクがいちどに解約することは考えられないため、ひとたび満車になれば安定して収益を上げ続けられるということも、バイクガレージの大きな魅力です。
仲介と管理は業者に委託できるので、容易に運営できることもメリットのひとつです。
テナントであれば、駅前などの繁華街が良いですが、バイクガレージはむしろロードサイドや幹線道路に近い住宅地の方が適しているでしょう。
高速道路のインターが近ければ尚良いでしょう。こうしたことから、「テナント募集に苦戦する立地」、これを逆手に取ることも可能ではないかと思います。
目論み通りに借り手が付くのか?
2006年に道路交通法が改正されたことで、バイクも路上駐車の取り締まり対象に加わりました。
よって、駐車場所を確保しなければバイクを持つことができません。
また、ハーレーのような高級バイクを雨風から守りたいという所有者のニーズもあります。
こうしたバイク愛好家の多くは、比較的年齢層が高い高額所得者です。
風雨や盗難から愛車を守れるのであれば、毎月1万円程度の出費であれば惜しむことはありません。
バイクガレージを提案してくれた業者のシミュレーションでは、運営開始後ちょうど1年で満車になるという予想でした。
私のバイクガレージは、2015年10月に運営を開始。その後、年内に4台の契約をいただきました。
残念ながら、年が明けて2月に1台が解約となったものの、4月に1台、6月に2台、8月に2台、9月と10月に1台と順調に契約をいただき、ほぼ予定通り、運営開始後1年で満車となりました。
収益の検証
皆さんが最も興味をお持ちであろう、収益について考えてみましょう。
バイクガレージの今後当面の稼働率は、平均して95%程度で推移するものと思われます。
この数字をもとに試算すると、バイクガレージから得られる年間の賃料収入は114万円ということになります。
一方、バイクガレージへの初期投資は合計で330万円。その内訳は、次のとおりです。
・ 運搬設置費 :5万円(5,000円×10台分)
・ 広告宣伝費 :4万円
・ 場内看板 :4万2,000円
・ ロッカー :7万7,000円
・ 防犯カメラ :22万円
・ 電動シャッター :70万円
・ 工事費用・施工費 :51万3,000円
・ コンサル料 :15万円
投下資本の回収は、満車になるまでの期間を含めて4年弱で完了する予定です。
その後も安定した収益が見込めることを考えれば、テナント募集に苦戦するような地域での空き店舗活用の選択肢として、考えてみる価値はあるのではないでしょうか。(執筆者:内田 陽一)