個人投資家に大人気の毎月分配型投資信託。
証券会社のセールスマンや銀行窓口で勧められた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年金の補完や、月々のキャッシュ・インを増やすことには非常に有用な商品と言えるでしょう。
一方で、基準価額の下落や分配金の減額等、ネガティブな要素があることも事実です。
意外と知らない毎月分配型投資信託。その仕組みについて基礎から確認して行きましょう。
毎月分配型投資信託で基準価額の上昇を狙ってはいけない!
基本的に毎月分配型投資信託は「インカム(配当)」メインのファンドです。
結論から言うと、毎月分配型投資信託で基準価額の上昇を狙うべきではありません。
これは投資信託購入時における鉄則として覚えておく必要があるでしょう。では、なぜ毎月分配型投資信託では基準価額の上昇を狙うべきではないのでしょうか。
それはそもそもの商品性にあります。月々の分配金はファンドの純資産から支払われます。
例えば、月々の分配金が100円の投資信託があったとしましょう。分配金が100円支払われると言うことは、分配落ち後の基準価額も100円下がるということです。
つまり、分配金による値下がり分を超えて基準価額が上昇しなければ、単価を維持することは出来ないのです。
通貨選択型はハイリスクハイリターンの投資信託
毎月分配型投資信託の基準価額が上がりにくいのは上述した通りです。
つまり、それなりに収益の「入り口」がなければ単価は上昇しない。そこで考えられたのが通貨選択型投資信託です。
結論から言うと、通貨選択型投資信託における収益の入り口は3つあります。
収益の入り口1つ目
1つ目は、投資先の資産から来る純粋な利益。これは従来の投資信託と変わりないのでイメージしやすいと思います。
収益の入り口2つ目
2つ目は短期金利の差が収益になります。厳密に言うと為替予約取引を行っています。
通貨選択型投資信託と言うくらいですから、投資家は投資信託購入の際に投資対象通貨を選択します。
選択した通貨と投資対象資産の建て通貨の短期金利差がプレミアムとして収益源になる訳です。
例えば、前者がブラジルレアルで後者が日本の円だとしたら、そのプレミアムは1%、2%の話ではないですよね。プレミアムだけでかなりの収入になる訳です。
逆に、前者の金利差の方が低い場合にはヘッジコストが掛かります。その点には注意が必要と言えるでしょう。
収益の入り口3つ目
3つ目の収益は、選択した通貨と円における為替差益です。
選択した通貨が対円で上昇すれば為替差益。下落すれば為替差損ですね。つまり、通貨選択型投資信託における収益機会は3階建てになっているわけです。
仮に、フォローのマーケットに乗ることが出来れば、かなりの基準価額上昇が期待できます。
一方で、相場下落時にはそのダメージも3倍増。投資の際には最新の注意を払って商品選択を行うべきと言えそうです。(執筆者:徳田 陽太)