今年の初めに車を購入したので、その車を資産計上したついでに仕訳データの見直しを行いました。
固定資産一覧にリストアップされている物件を見ていると、どうも違和感を覚えるのです。
注意をして確認してみると、とんでもない数字が耐用年数として記載されていたのです。
減価償却費は取得費用と耐用年数をもとに計算されるため、耐用年数が間違っていると経費の額にも間違いが生じてしまうのです。
耐用年数が間違っていると?
誤った耐用年数をもとに計算された減価償却費は経費の額にも影響を及ぼします。
その結果、課税対象となる所得の額や納めるべき税金の額にも違いが生じるということになります。
そう考える人もいるかもしれません。
確かに、翌年3月以降の申告分については耐用年数を修正することで対応することができますが、過去に申告してしまった分についてはどうすればよいのでしょう?
減価償却資産の償却費は、何年かに渡って経費計上されるもの。よって、既に償却が済んでしまった分は全て間違っているということになります。
このように、既に提出した申告書に記載した税額等が誤っていた場合など、申告等をした税額等が実際に納めるべき額より多かった場合、正しい額に訂正することを求める更生の手続きを取ることができます。
既に償却が済んでしまった分については、更生の手続きをして納め過ぎた税金を還付してもらうことができます。
ただ、遡及して更生できる期間には限りがあり5年以内とされているので、注意が必要です。
心当たりがある方は、ご自身の資産の耐用年数が正しく計算されているかどうか、確認してみることをおすすめします。
耐用年数の計算方法
ここで、耐用年数の計算方法をご紹介しましょう。
耐用年数は、法定耐用年数の一部の期間が経過した資産と全部の期間が経過した資産とで計算方法が異なります。
法定耐用年数の一部の期間が経過した資産の場合
耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%
法定耐用年数の全期間が経過した資産の場合
耐用年数=法定耐用年数×20%
主な減価償却資産の法定耐用年数については、国税庁のサイトにて確認することができます。
更生の手続きをして、どの程度の税還付が受けられるのかも興味深いところだと思います。
私の場合、合計で50万円以上の還付を受けられることになりました。
赤字決算でもはや還付を受けられないという年もあるので、黒字が続いていればより多くの還付が受けられるということになります。
仕訳作業を税理士に任せてしまっている方も、いちど仕訳データを確認してみてはいかがでしょう。(執筆者:内田 陽一)