不動産所得を増やそうと、物件を買い進める人も多いことでしょう。
ところが、以前のように高い利回りが期待できる収益物件は少なくなってきています。つまり、物件を増やすことで効率的に収益を上げることが難しい環境になっていると言えます。
とはいえ、投資家にとって都合が悪いことばかりでもありません。金利は下がり続け、2%程度の利率で受けられる融資はもはや珍しくありません。
今ほど金利が低くなかった時に融資を受けた大家さん、借入先に金利の見直しをお願いしてみてはいかがでしょう?
侮るなかれ! たった0.1%でも1万円もの違いが
私は、初めて1億円超の物件に挑戦する際、S銀行から4.5%という高い利率で1億7,000万円ほどの融資を受けました。
借入期間は28年。元本と利息を合わせて毎月90万円ほどが支払いに消えていくことになります。それに加えて、毎月28万円の積立てを行う必要がありました。
一方、その物件から得られる家賃所得とコインランドリー等の事業所得は130万円ほど。
物件から生み出される毎月のキャッシュフローは、わずか10万円ほどで、物件の規模を考えるととても少ないものでした。
あれは3年ほど前のこと。サラリーマンという属性でありながら、より低い利率で融資してくれる金融機関もあったはずです。
何度もそう後悔しましたが、もはや後の祭りです。
「仮に、金利が3.5%だったら、月々の返済はいくらになるのか?」。そう思って計算してみると、毎月の返済額は約80万円。
なんと、今より10万円も少なくなるではないですか!
つまり、0.1%金利が下がると約1万円支払いが減るということが分かったのです(ただし、金利が低くなると支払額の減少率は少なくなります)。
人生初の金利交渉へ
その結果を見て、金利の見直しをお願いしてみようと本気で考えるようになりました。
「10万円=2部屋分の家賃」です。小さなアパートを1棟分の収入にも匹敵する額とあれば、がぜん交渉してみようという気にもなります。
そして意を決して、1年ほど返済した段階でS銀行と交渉してみることにしました。
しかし、結果は
とのことでした。
諦めたくない…
それでも、「0.1%=1万円」という結果を知ってしまった私は、どうしても諦めることができませんでした。
「より低金利の銀行に借換えができないか?」。そう考えた私は、早速銀行回りをして借換えの打診をしてみました。
しかし、どの金融機関からも良い回答は得られませんでした。
理由は担保不足。さらに返済を進めるか預金担保として現金を預金する、もしくは物件自体の評価額が上がらない限り、借換えはできないということが判明しました。
もう1年返済実績を積んで、S銀行に金利を下げてもらうほか、もはや選択肢はありませんでした。
1年後…
約束の2年の返済実績を積むことになる1年後、S銀行に金利の見直しを再度打診してみました。
その結果、0.7%の引き下げに応じてもらえることになりました。
それにより、毎月の返済額は約83万円に減少。減少した返済額を積立てに回すという条件付きではあったものの、一定の結果が得られたことには満足しています。
とはいえ、3%台の金利は低いとは言えません。2%台への引下げを目指して私はさらなる布石を打ち始めていたのですが、それに付いては次回以降のコラムにてお話ししようと思います。(執筆者:内田 陽一)