株主優待の実施企業は近年ウナギのぼりですが、自社株買いと配当を合わせた国内上場企業の株主還元が過去最高を更新しています。
配当性向も上昇を続けておりますが、増配や自社株買いを発表する、次なる高配当株を事前に見つける方法はあるのでしょうか?
そのポイントは主に3つあります。
まず一つ目が、キャッシュリッチ企業。
キャッシュリッチ企業とは、手元の資金が有利子負債を上回っていたり、無借金経営の会社。
土地や不動産、保有している株式の時価が大きいなど、いわゆる金余り企業のことです。
こうした企業は株主還元策に振り向ける資金が余っています。
続いて2つ目のポイントが成長力です。
私の話で恐縮なのですが、成長企業の初期段階に投資をしたり一時的な株価低迷時を狙って安い株価で保有すると、その後の成長や回復により、増配が続きます。
リソー教育(4714)
例えばリソー教育(4714)の場合、平均取得株価は290円でしたが、今期の1株配当予想は28円です。
簿価(取得時株価)ベースでの配当利回りは約9.6%となっており、この記事を執筆している現時点での配当利回り3.5%と比べて大幅に高くなっています。
大東建託(1878)
大東建託(1878)の場合、簿価(取得時株価)ベースでの配当利回りは約8.0%ですが、購入した当初の利回りは4%くらいでした。
1株利益の増大とともに配当金も連動して増えたため、配当利回りが劇的に向上しています。
保有初年度の配当利回りは月並みであっても、数年保有したら5%以上になったというケースは意外と多いです。
3つ目のポイントが、配当性向の低い会社かつ、成熟段階にある企業です。
企業の成長段階には
2. 成長期
3. 成熟期
4. 衰退期
の主に4段階があります。ベストな投資タイミングは2。
成長期の初期段階に投資することですが、成長率の高い企業は、配当性向や配当金が非常に低いです。
中には配当金がゼロという会社もあります。これには、利益の全てを次の成長に振り向けるためという理由もあります。
ですが、3。成熟期に入ると、急成長が見込めないため、設備投資に積極的に資金を投入せず、株主還元策に方針を転換する場合も増えてきます。
最後に
以上、増配を発表する企業の見つけ方、3つのポイントを解説いたしました。
高配当株に投資する場合、配当利回りや株主優待も含めた総合利回り。
連続増配企業や配当性向など、様々な指標や利回りが注目されますが、今後起こりうる増配余力についても関心を持ちましょう。(執筆者:坂本 彰)