2017年3月19日に「休日出勤の「振替休日」と「代休」は全く違う 労働基準法からみた違いとは?」の記事を寄稿しました。
そこでは、「振替休日」と「代休」の違いについて解説をしました。
今回は、その発展として「振替休日により出勤となった日と同一週に年次有給休暇をした場合」についての取り扱いについての相談事例がありましたので、その解説をしたいと思います。
「振替休日」とは
「休日振替」とは、もともとの休日(例えば、日曜日)を労働日に変更し、もともとの労働日(例えば、月曜日)を休日とするように、もともとの休日と労働日をあらかじめ振り替えることをいいます。
「振替休日」と「代休」の詳しい解説について
→2017年3月19日記事「休日出勤の「振替休日」と「代休」は全く違う 労働基準法からみた違いとは?」を参照してください。
「振替休日により出勤となった日と同一週に年次有給休暇をした場合」とは
【事例】
休日の振替をする前に、年次有給休暇の申請をしており、また、所定休日の振替によりその週の土曜日と次週の月曜日を振替えた場合に、有給休暇を取得した週の割増賃金の取り扱いについてがわからないというものです。
「割増賃金」の取り扱いはどのようになるか?
所定休日を振替したことにより、その週の労働時間が40 時間を超えた場合には、40 時間を超えた時間については時間外労働となりますので、割増賃金の支払いが必要となります。
(参考)所定休日の振替と割増賃金の関係
→2017年3月19日記事「休日出勤の「振替休日」と「代休」は全く違う 労働基準法からみた違いとは?」を参照してください。
今回の事例で問題点となるのが、「有給休暇を取得した日」について
・労働時間としてカウントしないか
となります。
労働基準法の労働時間規制について、「実労働時間主義」をとっています。
このことからわかるように、「有給休暇を取得した日」については、「労働時間としてカウントしない」こととなります。
今回の事例については、火曜日に年次有給休暇を取得し土曜日に出勤しても、その週の労働時間は週40時間を超えないことになります。
このことから、今回の事例のケースでは割増賃金が発生しません。(執筆者:高橋 豊)