2017年2月から、家庭向け電気料金の値上げが続いています。大手電力10社は、そろって4か月連続で値上げを発表しました。
火力発電の燃料である、液化天然ガスなどの輸入価格が上がることなどが原因です。
これから夏に向けて使う電力量も増えていきます。今こそ効果の大きい節電対策をスタートして、電気料金の値上げに備えましょう!
1. 契約内容の確認
電力会社とどういう内容の契約をしているか、きちんと把握していますか? まずは自分がどういうプランで契約をしているのかを確認してみましょう。
電力会社を検討する
電力自由化に伴い、電力会社も選べる時代になりました。2016年4月の全面自由化から1年、各社のプランもおおむね出そろい、価格比較サイトなども増えてきました。
電気料金のシミュレーションサイトなどを利用して、今よりもお得な電力会社やプランがないか、一度確認してみましょう。
自分に適したプランを探すには…
現在の契約アンペア数やおおよその使用量を入力する必要があります。
東京電力であれば、毎月届く「電気ご使用量のお知らせ」という紙に必要な情報が載っていますので、捨てずに手元に取っておくと便利です。
使用電力が多い家庭の方が節電効果も大きい
電力会社を変更することで、おおよそ5%~10%の電気料金値下げが期待できると言われています。
一般的に世帯人数が多く、使用電力が多い家庭の方が節電効果も大きいので、電気料金が高くて困っているという方は、一度電力会社の変更を検討してみてください。
契約プランを見直す
世帯人数や地域などによっては、電力会社を変更しても大きな節電効果が見込めない場合もあります。その時は、現在使っている電気会社の契約プランを見直してみましょう。
ほとんどの方が「従量電灯」という、どの時間帯に電気を使っても同一料金というプランに申し込んでいるかと思います。
もし日中は働きに出ているなど、自宅で電気を使うことが少ないのであれば、夜間の電気使用料金が安くなる「時間帯割引プラン」に変更すると、電気料金を安くできる可能性があります。
東京電力の「夜トクプラン」
夜間の電気使用料金が日中の使用料金に比べて3割程度安くなる、「夜トクプラン」というのを用意しています。
日中は不在がちというご家庭であれば、契約を変更するだけで大幅な節約が期待できますよ。
2. エアコンの選び方・使い方で節電する
一般的に家電の中で最も電気代がかかるのが、エアコンです。機種や部屋の広さによっても異なりますが、エアコン1台につき、年間で1万5,000円~4万円ほどかかります。
この最も電気代がかかるエアコンを、できるだけ節電できる使い方を考えてみましょう。
節電効果の高い機種に買い替える
年々エアコンの性能は上がっていて、10年前のエアコンと比べると、今のエアコンは1~2割ほど電気料金が節約できると言われています。
メーカーが、大体7年を過ぎると交換用パーツの保管を終了することから考えると、エアコンの平均寿命もおよそ7年と考えて良いでしょう。
7年以上経過しているエアコンは、大きな不具合が出ていなかったとしても、節電対策として買い替えを検討してみる価値があります。
「弱」ではなく「自動」運転にする
ずっと「弱」に設定するよりも「自動」にしておいた方が、電気代は節約できます。エアコンは、部屋の温度を設定温度にするまでが一番電気代がかかります。
自動運転は、設定温度にするまでを強風で、設定温度に達した時は微風に自動で切り替えてくれるので、一番電気代がかからない効率的な運転なのです。
エアコンの設定温度を、夏は28度、冬は21度を目安に指定したら、あとは自動運転におまかせするのが、最も節電対策になりますよ。
短時間の外出ならつけっぱなしにしておく
上述のとおり、エアコンは部屋の温度を設定温度にするまでが、一番電力を必要とします。そのため、一度設定温度に達したら、その温度をキープし続ける方が電気代は安くなるのです。
30分程度の外出であれば、エアコンはオフにせず、そのままつけっぱなしにしておく方が、電気代の節約につながります。
ひと手間かけてこまめな節電
その他にも、次のような節電方法があります。
・冷暖房の効率を下げないよう、エアコンのフィルターを最低1か月に1回は掃除する
・夏場は室外機の温度上昇を防ぐため、直射日光が当たらないよう工夫をする
・扇風機やサーキューレーターの風を天井に向けて、エアコンの効果を高める
・カーテンを閉めて外の熱気・冷気を遮断する
これらの節電方法を実施することで、ひと夏のエアコンの電気代を3,000~5,000円ほど節約できるとも言われています。小さな節電も、積み重なれば大きな節約になりますから、ぜひ試してみてくださいね。
節電対策、まずは効果の大きなところから始めよう
節電対策はいくつもありますが、面倒なわりに節電効果が薄かったからと、すぐに止めてしまうようでは意味がありません。
まずは電気料金に大きく影響する、契約プランの見直しと、エアコンの使い方を考えることに絞って、節電を始めてみるのはいかがでしょうか。
目に見えて電気料金が抑えられているのがわかると、その他の節電対策も手をつけやすくなりますよ。(執筆者:青海 光)