先日のコラム(東京都心で暮らす私には思いつかない需要。地方物件の不動産投資に起きた「ある問題」とは…)でお話ししましたが、那須に所有するアパートの隣の土地が売りに出されています。
昔からそう言われています。
しかし、比較的余裕のある敷地を持つ家が多い地方でも、果たしてそう言えるのでしょうか?
とはいえ、この土地を購入すれば、アパートの駐車場不足は解消します。
繁忙期も終わり管理会社も落ち着いたとのことで、現地を見に行くことになりました。
現地調査を前に、具体的な活用法を考える
主な目的は、入居者に2台目の駐車スペースを提供すること。
ところが、敷地面積はおよそ300坪あります。
10世帯のアパートにこれほどの大きさの駐車場は必要ありません。
そこで考えられるのが、余ったスペースを月極駐車場にすること。
現地は最寄り駅まで徒歩5分ほどの場所。
最寄り駅から新幹線停車駅へも1駅ということで、駅の近くまで車で来て、それから電車に乗って出かける人の需要を見込むことができます。
リサーチしてみた結果、駅周辺には月極駐車場は不足しているようです。
駅に近い月極駐車場はどこも満車となっていて、月極駐車場の経営には悪くなさそうな場所です。
地方独自のスタイルは地元業者に確認
ただ、地方にはよそ者の理解を超えた独特の文化や慣習があることも多く、その辺は訪問した際に業者さんに確認してみる必要があります。
1台分の駐車スペースのサイズは、縦5メートル・横2.5メートルというのが一般的です。
加えて車路のスペースも考慮しなければなりません。
よって、車1台分の駐車スペースを確保するためには、約7坪(20~25㎡)の面積が必要だと言われています。
ということは、隣地には約40台分の駐車スペースが確保できることになります。
アパートの全世帯が2台分の駐車スペースを必要とするわけではないため、アパート用に6台分を確保し、残る34台分を月極で賃貸するとしましょう。
利回りをシミュレーションしてみると…
周辺にある月極駐車場の賃料相場は5,000円。舗装されてない砂利の駐車場なら3,000~4,000円ほどになります。
ここでは舗装した場合で検討してみることにしましょう。
業者さんに概算の見積もりを出してもらったところ、駐車場の整備にかかる費用は次のようになりました。
・ 仕上げ … 180万円
・ 車止めの設置 …21万6,000円
・ 重機回送費 … 42万円
・ その他 … 46万円
駐車場の整備に492万円(税込)ほど、土地の販売価格が約900万円。
値引きなしで土地を購入した場合、投下資本は約1,400万円ということになります。
収入は、次のようになります。
・ アパート用 : 3,000円×6台=1万8,000円
アパートの入居者には2台目以降3,000円で賃貸することにします。
すると、毎月18万8,000円の賃料収入が得られる計算になります。
管理会社に5%の管理費を支払うとしても、満車になれば17万8,600円の収益を上げられることになります。
これらの数字をもとに利回りを計算してみると、
という高利回りが期待できます。
駐車場を整備することでアパートの入居率が改善した上、駐車場からの収入も得られるのであれば、考えてみる価値は十分にありそうですね。(執筆者:内田 陽一)