最低限の補修を依頼したい時など頼りになる「大工さん」
「ちょっとおうちを見てほしいと言ってる人がいる」と連絡をもらったので、行ってみました。
なにかトラブルがあるようですが、女所帯で判断が付きかねているとのこと。
と思いつつ、お邪魔してきました。
通されたのは浴室。ガムテープを貼っているところがあります。
ガムテープを剥がしてみました。浴室の窓枠木部が痛んでいるようですね。ガムテープに傷んだ木材がくっついてきました。
筆者:「中の柱も傷んでいるようですよ」
家主:「ど、どれくらい…」
筆者:「ちょっと木くずを取り除いてもいいですか?」
了解を得て、プラスチックのへらで、そーっと崩れ落ちた木くずを取り除いたらこんな状態でした。
築50年の在来工法のお宅です。湿気で柱が腐っているようです。
素人目でも、壁を崩さないと補修はできないと思う旨お伝えし、硬化しない防水パテで穴をふさいでおきました。
リフォーム会社で見積を取ったら、ユニットバスや給湯システムの入れ替えをすすめられ200万近くに。予算もオーバー。
合理的なのは理解できますが、家の状態から見てオーバースペックと判断され、断ったそうです。
結局、家主さんの知り合いの大工さんにお願いし、腐食部分の補修や防水、除湿処置。
内装壁の張替など最低限の補修を依頼し、半額以下の工事代になったそうです。
リフォームはリフォーム専門店だけじゃない
昨今リフォーム市場が盛況ですが、リフォームをするなら、大工さんに直接依頼するのがおすすめです。
家の建築もそうですが、リフォーム会社でも下請け、孫請け、曾孫請け……と中間マージンが発生する業態があるため、自社施工でない限り、本来の費用にプラスアルファ費用が上乗せされるところがあります。
また、営業さんを挟むことで要望がうまく伝わらないことも考えられます。直接大工さんに依頼できれば、そういう心配も減りますね。
大工さんを探すのはちょっと難しいクエスト
ところが現代の大工さんは、建築メーカーの下請けなどで直接仕事が入るため、看板やホームページなどを持っていないところがほとんどです。
ホームページではなかなか検索できない、大工職人さんを探すクエスト。果たしてゴールにたどり着けるのでしょうか。
人脈をたどる方法は断りにくい
人脈ルートは、しっくりこないときに断りにくいというデメリットがあります。
信頼できる友人知人であれば「リフォームをしてくれる大工さんご存知ないですか?」というリアルネットワークを活用する方法があります。
足で探す
建築関係の工務店を見かけたら、声をかけてみましょう。リフォームしたい場所の状況写真などがあれば、話を進めやすいと思います。
市街地から離れたところにある木材屋さんなどには、必ず大工さんが出入りしているはずなので、お店の方に情報をいただけるかもしれません。
建築現場で大工さんに聞いてみる
近場で建築現場がある場合、大工さんに訪ねてみましょう。
ただし声をかける相手が、基礎や内装、左官などの職種違いの職人さんだと、畑違いですので注意しましょう。(特にハウスメーカーの営業さんに声をかけてしまうと、怒りを買うかもしれません。)
家が出来上がる様子を見ながら、見分けましょう。
大工さんには周囲にあまり人がいない状況で声をかけます。
現場で稼働している大工さんは、ハウスメーカーから仕事がきているので、腕が立ち、重宝されている立場で、そのような方はちょっとしたリフォームへの対応はできないかもしれません。
ただし、職人世界の横のネットワークは、インターネットよりもすごいんじゃないかと思うくらいで「〇〇親方は怪我をしたから休業中」とか「〇〇親方のところは今ちょっと暇」など、同業者の状況をよく知っていますので、ひょっとすると紹介してくださるかもしれません。
あくまで可能性です。お話に付き合っていただけたら、飲み物の差し入れでお礼をすることをおすすめします。
家は生き物。定期的にメンテナンスを
新築住宅はもとより、中古住宅はこまめなメンテナンスが必要です。
手をかけなければ、早く劣化しますが、きちんと手入れすると良好な状態を長く保てますし、早く不具合箇所を見つけることもできます。
DIYでできるところ、専門業者に頼むところを冷静に切り分けして、リフォーム費用もきちんと積み立てておきましょうね。(執筆者:酒井 菫)