15日未明に、FRBイエレン議長が会見をし、市場予想通り、利上げが決定をしました。
これを受けてドル円相場は急騰し、114円台から一気に113円アンダーまで売り込まれました。
今回のこの急騰劇のメカニズムを説明してまいります。
今の注目は金利
FOMC開催前に何が起こっていたかといえば、長期国債の価格の下落、金利の高騰になります。
この現象というのは昨年12月の第二回目の利上げが決定したときと同じです。
昨年も、ほぼ利上げが決定的ということで利上げを見据えて金利、特に住宅ローンなどの長期金利が上昇し、利上げが確定した後に金利が縮小したのです。
それにつれて金利が上昇すると円安に行き、金利が低下すると円高にいくというのが昨今のパターンですので118円を頭に円高になっていったのです。
今回も同様で、特に、30年国債の価格がここ最近の安値をFOMC開催前に新安値を更新していましたが、発表後に超大陽線を形成して、価格が反発したのです。
価格が反発すると金利は低下しますので、アメリカ金利が低下すると円高になるのが昨今の情勢ですので、円高を形成しました。
蛇足になりますが、ドル安は通常の経済では株高になりますのでアメリカ株式は反発をしたのです。
FOMCのほか
オランダの総選挙がありましたが、この選挙ではっきりしたのは、世論調査が前回のアメリカ大統領選挙同様、役に立たなかったということになります。
これは、マーケットに参加するものにとって重要なことで、一般の投資家にとってより多くの利益を上げるためには結果がどうなるかは非常に大切なことになるかと思います。
しかし、世論調査の動向が結果に反映されない、ということは役に立たないというのであればほかに予想する手段はありませんので結果をみて行動をするほか、ありません。
日本銀行、金融政策決定会合
黒田総裁は会見にて、物価目標2パーセントでまい進していくと言いました。
この点はずっとブレませんので素晴らしいと思いますが、逆に具体的な方策に関しては具体策に欠けると思います。
為替に関連して、質問で、よく金利差ですとか、国債金利差によって為替相場価格が決定されるとのことを聞きますが、いろいろな状況によって、為替相場は決定されそれは一慨には言えないと言っています。
さらに、為替相場がどうなろうと、物価目標にまい進していくのみ、と繰り返し言っています。
この意味は為替相場に関しては日本銀行の関知しないことにある、と言っているのに等しいことです。
つまり為替が円高になろうと円安になろうと日本銀行は物価目標にまい進するのみ、実質、円安誘導論を放棄していると思います。
マスコミや専門家が円安になると予想していますが、何を根拠にいうのであろうと思います。(執筆者:角野 實)