早く確定申告しようと思っても、ついついギリギリになってしまう…。書類をそろえないといけないので、どうしてもこうなってしまう方もいらっしゃいます。
しかし怖いのは手続きしてから納付金額や還付金額がわかり、しかも申告期限と納付期限は同じ3月15日という点です。
特別控除のない不動産の譲渡所得があると、特に高額な納税額が発生しやすくなります。しかし納付時期を伸ばせる方法はあります。
1. 延納の届出
延納の届出を行うと、納税額の半額までは延納することができます。
100万円が納税額なら最低50万円は3月15日に払うことになります。延納した額の納付期限は、5月31日です。
これは申告書第1表の(57)・(58)欄に期限までに納付する額と延納額を記載すれば、届出をしたことになります。
上記の画像では、(47)の3万1,800円が納めるべき税額ですが、1万6,800円までを3月15日までに納めることとし、1万5,000円は延納の対象としています。
通常納付書は自分で記載して納めますが、延納分の納付書は税務署から送られます。
注意点は、延滞利息の性格がある利子税がかかることです。平成29年は率が年1.7%です。
2. 口座振替(振替納税)
口座振替による納税にすると、所得税の振替日は4月20日になります。
3月15日から1か月以上支払いに余裕が出来ることになりますので、このことで助かる場合も出てくると思います。
口座振替にしていないという人でも、申告の際に口座振替依頼書を記入・押印の上同時に提出すれば、その年分から口座振替が適用になります。
同時で無くても申告期限の3月15日までに提出(到達)すれば間に合います。
3つの方法の中では、本来の納税額に対する追加負担が唯一無い方法になります。
また所得税の年税額によっては、7月や11月に予定納税(翌年分所得税の前払い)を求められることになりますが、この手続きをしていれば自動引き落としになります。
3. クレジット納付
平成29年より始まったのがクレジット納付です。
地方税ではそれ以前より利用できていたのですが、所得税のような国税でもようやく始まりました。
これはインターネットを通じて手続きをする必要があります。この手続きを3月15日までに行えばOKです。
カード会社の締日・支払日にもよりますが4月~5月に所得税分が引落しになります。
本税以外のクレジット手数料がかかるのがこの方法の注意点です。1万円まで82円、2万円までは164円…と1万円増えるごとに82円増えます。
以上、納税に余裕を持たせる3つの方法を紹介しました。この3つの中でも難しい場合は、税務署の徴収部門と相談して分納を考える必要があります。(執筆者:石谷 彰彦)