わずか2,000円の自己負担で様々なお礼の品が受け取れるとして大人気のふるさと納税。
この制度を上手に活用している方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
ただこの制度には注意しなければならない点もあります。ふるさと納税をしたために税金がかかってしまう場合もあるのです。
ふるさと納税の制度のおさらい
ふるさと納税は地方自治体に寄付することによって、所得税や住民税の所得控除、住民税の税額控除を受けることができる制度です。
寄付した金額以上の控除を受けることはできず、節税にはなりません。
ただし、寄付した自治体からお礼の品をもらえるという特典があります。このお礼の品については本当に様々で、相当豪華なものもあるようです。
ブランド牛肉などが有名ですが、液晶テレビやパソコンをもらえる自治体もあるようです。
ふるさと納税の注意点
ふるさと納税の控除には限度額があります。ふるさと納税で税金が還付される金額は次のように三段階になっています。
(1) 所得税
(寄付金額-2,000円)×所得税率
(2) 住民税
(寄付金額-2,000円)×10%
(3) 住民税の特例分
(寄付金額-2,000円)×{(100%-(所得税率+10%)}
所得税率は5%から45%まで、納税者によって様々です。
ここで注意が必要なのは(3)の部分です。(3)の部分は住民税の所得割額(所得に応じて課税される部分)の20%までとなっているのです。
ふるさと納税には限度額があると言われるのはこのためです。
自分の限度額がいくらであるかはっきりわかればいいのですが、給与や年金など安定した収入がある人以外は予想を立てることは困難です。
あまり欲張らずに少なめに寄付した方が無難ではないでしょうか。
ふるさと納税でもらったお礼の品は一時所得の対象
ふるさと納税でもらったお礼の品に税金がかかる場合があります。もらったお礼の品の金額は一時所得として課税されてしまうのです。
ただし一時所得には50万円の特別控除があります。一時所得の金額が50万円までの場合、税金は課税されません。
この特別控除があるので大半の方はお礼の品について課税されることはないという形になっています。
ただし、他に一時所得がある場合などは要注意です。
例えば生命保険の満期保険金や解約返戻金を受け取った場合において、保険金や解約返戻金が支払保険料を上回っていた場合などが該当します。
それらの所得金額にふるさと納税でもらったお礼の品の金額も加算して申告しなければならないのです。
一時所得になるものとしては、上記の生命保険金の他、競馬の当せん金や懸賞金、不動産の売買契約が解除された場合の手付金などがあります。
まとめ
以上、ふるさと納税の注意点についてお話してきました。ふるさと納税でもらえる品には大変魅力的なものも多く、積極的に活用していきたい制度です。
ふるさと納税をする際は限度額、そして一時所得の金額には十分に注意してくださいね。(執筆者:高垣 英紀)