「超低金利時代の現在、インフレが進めば現金を持っておくことのほうがリスクが高い」
という言葉を耳にしたことはありませんか?
節約や暮らしに関する雑誌でも、マネー術として「初心者は積み立て投資信託を始めよう!」、「株主優待が魅力的なおすすめ銘柄〇選」のような特集が組まれ、すっかり「預金よりも投資」がトレンドなんだなあと感じます。
「投資くらいしたほうがいい」という人は多いですが、意外と見落としがちなのは「こんな人は投資しないほうがいい」ということ。
今回は、投資しないほうがいいと考えられるパターンをご紹介します。
1. 月々の家計が赤字の人
投資は元本が減るリスクがあるので、貯金もできないカツカツの状態で投資を始めるのは危険すぎます。
投資はリスクを取りながら、積極的にお金を増やしていくことです。
いくらお金を増やしたいからと言って、貯金をせずに投資だけに頼っていると、いざというときすぐに使えるお金が手元にない!という状態に陥るかもしれません。
月々の家計が赤字という場合、まずは家計の見直しを優先させ、貯金をしっかりしたうえで余剰資金を投資に回すようにしてください。
2. ローンが残っている人
借金や奨学金の返済、住宅ローンといった、いわゆる負債を抱えている人は、お金を返済しておくことのほうが先です。
投資でお金を増やすことができれば、ローン返済も楽になると考えるかもしれませんが、順番が逆です。
万一、運用実績が悪く、財産を目減りさせてしまったときに返せるはずだったお金すら返せなくなる可能性があるからです。
住宅ローンを組むときに計画的な返済計画を立てた人なら、少額の投資をしてもローン返済には響かないかもしれませんが、そうでない場合は投資よりもローン返済を優先させてください。
3. 投資の勉強が面倒な人
投資を始めるときは、必要最低限の知識を勉強しておく必要があります。
とりあえず儲け話にのってみたり、おすすめされた金融商品をすべて買ってみるという投資方法では、すぐにカモにされて財産が消えてしまいます。
一口に投資と言っても、株、投資信託、不動産、FXなど種類があるので、興味のある投資対象に関する本を読んだり、セミナーなどで情報収集をしてから、自分に合ったものを選ぶようにしてください。
それでも勉強したくない人は、投資しないほうが財産を減らさないだけマシかもしれません。
4. 投資をすることでハラハラしてしまう人
投資について勉強し、いざ金融商品を買ってみたものの、値動きが気になって毎日ハラハラしてしまう人は投資に向きません。
ちょっと値下がりしたらすぐ売って損失を確定させたり、情報に惑わされて慌てて新しい金融商品に手を出したりして、失敗する確率を上げてしまいます。
慎重派の人は、投資よりも預金で安心しながらお金を貯めていったほうが、最終的に幸せにお金を管理できるのではないでしょうか。
5. 年収が高くて運用する必要のない人
例えば、年収が1,000万円以上で独身、生活も質素倹約で住宅や老後にかかる資金も貯蓄で準備できそうという人はそれに該当します。
家族がいても年収数千万円以上で、投資をしなくてもお金に困らないという人、親から不動産などの財産を相続し、家賃収入で食べていけるという人は、無理にリスクを取って運用する必要はないでしょう。
十分に稼ぐ能力があれば、投資について勉強するよりも、仕事に力を入れたほうがもっと収入がアップするかもしれません。
金融商品に投資をするのではなく、自分に投資したほうが高いリターンを望めるはずです。
まとめ
投資は決して楽にお金を増やせる手段ではありません。
一定のリスクがつきものなので、勉強する必要がありますし、ライフスタイルや性格上、合わないということもあります。
「投資さえすれば、自由に使えるお金が増えるはず!」と考えるのではなく、「投資しないほうがいい場合もある」と考えてみてください。(執筆者:垣内 結以)