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「田んぼの真ん中に群をなして建つアパート」不思議な光景の真実。収益物件への投資は今ではない。



人口の減少局面に入った日本社会。そんななか、賃貸マンション・アパート市場ではなぜか活況が続いています。



人が減っているにもかかわらず、賃貸物件の供給が増え続けているという、矛盾した状態に陥っているわけですが

なぜこのような状態になっているのか?



このような状態で収益物件を増やすのは得なのか?

これから考えてみようと思います。









サブリースのメリットに魅せられて


私は、北関東に収益物件をいくつか保有しています。たまに物件や管理会社を訪問する機会があるのですが、その道すがら目にする奇妙な光景がいつも気になります。



田んぼの真ん中に真新しいアパートが何棟も建っているのです。駅の前ではなく田んぼの真ん中です。周囲に大学や工場も見当たりません。いったいなぜこんな場所に?



それには理由がありました




そのようなアパートが建っているのは、元は農地だった場所。担い手のいない農家は、やがて作付けをやめることになりますが、そうなると税金が大幅に上がってしまいます



こうした問題を抱えた農家に対して、大手不動産会社が、

「アパートを建ててサブリースすれば、変わらず30年後も安定した家賃収入を得られる」

という内容で、アパート建築の提案を持ちかけるのです。



その結果



「田んぼの真ん中に群をなして建つアパート」という異様な光景を生んでしまったのです。







サブリース契約には落とし穴がたくさんあります




以前のコラムでもご紹介したように、サブリース契約には落とし穴がたくさんあります。



賃貸経営に関する知識に乏しく、サブリースのリスクを十分に検討しないままアパートを建ててしまうオーナーも多いことでしょう。



新築時と変わらぬ家賃を30年間受け取れると思ってアパートを建てたオーナーは、家賃下落とローンの返済に苦しむことになります





賃貸市場が活況を呈するいま、投資すべきか?


トレンドに乗って収益物件の購入を考えたくなる気持ちは分かりますが、賃貸物件が供給過剰になっている状態での投資にリスクはないのでしょうか。



賃貸物件の建設ラッシュが続いているということは、中古市場の相場も上昇しているということです。



つまり、収益を上げづらい状況になっていると考えられるので、投資には慎重になるべきでしょう。



賃貸物件の新規供給が落ち着いた頃はどうでしょう




十分な知識がないまま投資したオーナーのなかには、近い将来家賃下落とローン返済の負担に耐え切れなくなる人も出てくることでしょう。



そうなると、不本意な売却価格でも物件を手放す売主も出てくるはずです。そのようにして市場に流通し始めた物件の購入を考えてみるのもよいかもしれません。



よほど素晴らしい条件の物件があれば別ですが、収益物件への投資は、しばらく様子を見るのが得策ではないでしょうか。(執筆者:内田 陽一)



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