という事業主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は条件付きではありますが、このような事業主を救済するための特例が租税特別措置法において設けられています。
家内労働者等の必要経費の特例とは
個人事業主の所得は、原則として売上高などの収入から事業のために要した必要経費を差し引いて計算します。
ただし事業の種類によっては必要経費がほとんどないということもあり、税負担が重くなってしまう場合もあります。
このような事業者を救済するために「家内労働者等の必要経費の特例」があります。
特例の内容は「家内労働者等に該当する者については、必要経費として65万円まで認める」というものです。
実際に支払った経費が65万円に満たない場合でも、65万円分は経費として認めるという小規模な事業者にとっては大変嬉しい特例となっています。
事業的な規模ではなく、雑所得に該当する場合であっても適用対象となります。
家内労働者等とは
家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者(内職)や外交員(生命保険や損害保険の外交員など)、集金人、電力量計の検針人など、職業として特定の人に対して継続的な人的役務を提供している人達のことです。
他には特定の会社に所属しているピアノ講師やインストラクター、webデザイナーや翻訳家なども該当します。
近年生まれた職業としてはアフィリエイターやユーチューバーも該当します。
青色申告特別控除との併用が可能
この特例は、青色申告特別控除との併用が可能です。
例えば経費が全くない場合であっても単式簿記による記帳を行っている場合は「10万円+65万円=75万円」です。
複式簿記による記帳を行っている場合は「65万円+65万円=130万円」を事業による収入から差し引くことが可能です。
特例適用上の留意点4つ
(1) 家内労働者等に該当しない類似職種
税理士や弁護士、行政書士なども継続的な人的役務を提供する職業ですが、事務所を構えており「不特定多数の者に人的役務を提供する」ので家内労働者等には該当しません。
またピアノを他人に教えることを職業とする人でも、ピアノ教室を開業している場合は不特定多数の者を業務対象としているので、家内労働者には該当しないことになります。
職業だけでこの特例の対象となるかどうかを判断することはできません。
(2) 家内労働者等の収入について、事業所得と雑所得の双方がある場合
この場合、事業所得と雑所得の合計で65万円までが認められます。
実際支払った必要経費と65万円との差額については、優先して雑所得の必要経費に充当され、引ききれなかった分が事業所得の必要経費に加算されます。
(3) 家内労働者等の収入の他、給与の収入がある場合
この場合、給与所得控除と合計して65万円までが認められます。
よって給与収入が65万円以上ある場合は給与所得控除も65万円以上となるため、この特例は受けることができなくなってしまいます。
(4) 事業所得や雑所得(公的年金等以外)の収入金額が限度
例えば事業収入が50万円で雑所得に係る収入が無しの場合、この特例により必要経費とすることができる金額は最大50万円となります。
赤字を作って他の所得(給与所得など)と損益通算するということはできません。
必要経費が65万円以下しかない事業主はぜひ確認を
インターネット関連のビジネスが広がり、今回紹介した特例を利用することができる「家内労働者等」に該当する小規模な事業者が増加傾向にあるように思います。
確定申告しなければならないが必要経費が65万円以下しかないという事業者の皆さんは、ぜひこの特例が利用できる「家内労働者等」に該当するかどうか確認してみて下さい。(執筆者:高垣 英紀)