介護施設の入所待機中、自宅で両親の介護をするという方が年々増えています。
施設入所の検討はせずに、自宅で無理のない範囲で介護をして行きたいという方も多くいらっしゃいます。
その際に、良い介護ができるように介護の資格を取得したいという方も増えています。
今回はこのようなケースについてのメリットや、注意すべき点をお話していきたいと思います。
資格の取得方法
介護の資格をまず取得する場合、多くの方は「ホームヘルパー2級」を受けようと考えると思います。
現在は、ホームヘルパー2級という資格は「介護職員初任者研修」という名前に変更されています。
研修時間は130時間でその内訳は、講義40時間、実技スクリーニング42時間、施設実習30時間となります。
介護職員初任者研修を終えたあとは、実際に介護現場で働き実務経験3年という経験か介護福祉士実務者研修を終えると国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることができます。
資格をとるために仕事を辞めて専門学校へ、という方は少ないでしょう。仕事をしながら通信講座などで取得される方や、専業主婦で通信講座を受講する方が多いです。
スクールによっては土日や夜間の授業もありますので、自分の生活に合った方法で無理なく取得に向けて取り組みましょう。
受講期間もスクールによって異なりますので、様々なスクールから資料を取り寄せて比べてみると良いでしょう。
メリット
介護と老人に関する専門知識を学び身につけるのですから、在宅介護においても十二分に知識を生かす事ができるでしょう。
自宅での介護での危険察知や危険予測に対する知識が身につきますし、誤嚥([ごえん]食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうこと)や身体状況の変化にも敏感になります。
学ぶことは身体介護の方法だけではなく、福祉サービスの理解や医療との連携、老化・認知症・障害への理解、こころとからだに関する事などですので、医師に状況説明する場合も正しい説明をし、的確な指示をもらう事ができるでしょう。
通信講座などもあるので、自宅で空いている時間に自宅学習をする事も可能です。
将来的に両親の介護が不要になった場合でも、資格を持っているので介護施設への就職等にも役立ちます。
注意すべきこと
資格を取得するにあたって、スクリーニングや施設実習は必ず受けなくてはいけません。
自宅での介護中ですと、同居家族や自分の代わりになる人間がおらず家を空けられないという方もいらっしゃいます。
その場合は、通所介護や施設への短期入所などを上手く利用しなければなりません。
まとめ
超高齢化社会のいま、介護資格保有者は引く手数多です。ですが介護職員不足は中々解消されません。
やむを得ず介護離職した場合も資格をとっておくと再就職に有利ですし、経験年数を重ねキャリアアップをする事も十分可能です。
例えば、最近ではデイサービスの送迎運転手のお仕事でも、有資格者優遇という事で無資格者よりも有利となることがあります。
勿論、両親の介護に関しても取得して損のない資格といえるでしょう。(執筆者:佐々木 政子)