人は死ぬとき、そのタイミングを選ぶことはできません。年の瀬やお正月の三が日があけるのを待たずして亡くなる方もいらっしゃいます。
そんなときに気になるのが、「葬儀」のこと。年末年始に人が亡くなった場合の料金や注意点について見ていきましょう。
1. 「割増料金」は基本的には存在しない
年末年始に人が亡くなった場合、葬儀を行うときに「割増料金」がかかることはあるのでしょうか。
葬儀会社を通して葬儀を行う場合は、
と考えるのが一般的です。
葬儀会社の多くは、365日24時間態勢で受け付けをしていますから、「葬儀会社が問い合わせに応じてくれない」ということも原則としてないと考えられます。(例外については後述します)
ただし、葬儀の席に出席されるご親族などの泊まるホテルについては、この限りではありません。正月料金の発生するホテルしか空いていないということであれば、当然その分の金額が加算されます。
2. 注意したいのは火葬場の休日
年末年始に人がなくなった場合、気にするべきは「葬儀料金」ではなくて「火葬場の休日」です。
「年末年始は火葬場が開いていない」とよく言われますが、実はこれは正しくはありません。
火葬場の休日というのは、その火葬場ごとに異なるからです。
「今年中は31日までやっている、ただし年明けは1月3日まで休み」
「1月1日のみ休み」
これは本当に火葬場によって千差万別です。
また「年末年始に葬式を出すのはいかがなものか」という心情的な問題も絡んできます。
そのため、12月30日の夜の22時くらいに亡くなった場合、地域によっては1月4日以降のお式になってしまう可能性もあります。
3. 気になる「御遺体の状態」
御遺体の保存のためには保冷材やドライアイスが使われます。冬場であるので、夏場ほど御遺体の状態は悪くなりません。
しかし4日間~5日間となると、とても悲しい言い方ではありますが、かなり死臭が出てくることも多いでしょう。
そのため、追加のドライアイスが必要となったり、御遺体を家で安置することが難しくなったりすることもあります。この際に追加料金が発生する可能性は否めません。
エンバーミングを施してもらう
「エンバーミングを施してもらえば大丈夫だろう」と考える人も多いかと思われますが、葬儀会社のすべてがエンバーミングをできるわけではありません。
場合によっては、エンバーミングができる別の業者に協力を仰がなければならなくなる可能性もあります。
エンバーミングとは
血液系を利用して血液と防腐剤を完全に入れ替え、全身を灌流固定することです。危険な感染を防ぎ、処置を施すことにより、生前の安らかなお顔を取り戻せます。
衛生的に安全となったご遺体と心ゆくまでゆっくりとお別れできます。
まずは葬儀会社に相談
年末年始の葬儀は、金額にせよタイミングにせよ、「その地域の火葬場の休日」に大きく左右されることは確かです。
葬儀会社は近隣の火葬場の休日や御遺体の取り扱いについては熟知しているはずですから、まずは相談してみてください。(執筆者:鍋谷 萌子)