将来の家計に対し漠然とした不安を抱えている人は多いのですが、不安を解消するためには何をどう考えれば良いのかわからない、という方がたくさんいらっしゃいます。
金融機関はあなたのことを守ってくれない
でも、金融機関はそもそも多くの人から預金を集め、多くの会社や個人にお金を貸し、様々なサービスから得られる手数料で利益を得ている業種です。
保険屋さんもあなたの相談には乗ってくれますが、基本的には保険は預かる保険料よりも支払う保険金のほうが少なくなるように商品を設計し、販売することで利益を得ています。
本当に自分に必要なことは何か、については自分で考えなければいけない。そして、自分が決めたことは自分の責任、ということになります。
身の回りにある様々な不安
・ 子供の教育資金は、いつどのくらいの金額が必要になるのか
・ 自分や奥様に万が一のことがあった時、どのくらいの保障があれば経済的なリスクをヘッジできるのか
・ 会社をリタイヤした後どのくらい老後資金が必要になるのか
・ 住宅取得を考えているが、住宅ローンが負担にならないか、きちんと返済していけるか不安
こんな不安を解決するときには生活費などについて将来の予測を立て、その生活をするために必要な金額を算出する必要があります。
その算出を行うのがライフプラン・シミュレーションです。
多くの人が「破たんパターン」に
「ただ漠然と不安がある」とか「良く分からないけどまあ大丈夫だろう」と思ったまま、確認せずにいると実は全然足りないことが後になってわかる、ということは珍しくありません。
実際にライフプラン・シミュレーションを行ったお客様の半数以上が最初のシミュレーションでは破綻するケースに該当します。
年金改革法案の影響を理解していますか?
先日は年金改革法案が可決されました。年金額は「物価」とは連動しなくなります。
一方政府は2%のインフレに誘導しようとしています。もし、毎年2%のインフレが10年続くと世の中のものは現在よりも約2割高くなることになります。
すっかりデフレに慣れてしまった多くの人にはインフレ社会がすでに「非現実的」世界になってしまっているのではないかと感じます。
さすがに、FPのシミュレーションでも毎年2%のインフレが現実的かどうかは微妙ではありますが、あり得ない話ではありません。
一度試してほしい「ライフプラン・シミュレーション」
日本FP協会のホームページでも簡易なライフプランシミュレーションを自分で行うツールが掲載されています。
もし、「ただ漠然と不安がある」とか「良く分からないけどまあ大丈夫だろう」と思っているだけで検証していないのならば一度試してみてはいかがでしょうか。
対策が必要な場合、対策に早く着手するほど効果があります。
具体的な対策の主なものとしては、
・ 保険の見直し
・ 家計の見直し(無駄遣いの削減)
などが主なものになりますが、そのほかにもいろいろな切り口があります。
このシミュレーションを行い、自分の家族の将来がどうなりそうかという予測があることはとても重要です。
もし、金融資産が枯渇してしまうような破たんシナリオだった場合には対策が必要になります。対策ははやく着手するほど効果があります。
投資は自己責任。学ばなければわからない。
将来の資産形成・活用・防衛のため、インフレ対策も考慮し「投資」を行う、という場合、いろいろな勉強をしないわけにはいきません。さまざまな経験を通し人は学んでいきます。
学ぶことに対する投資、というのも時には必要です。本を読んだり、実際に投資してみたりします。たまには失敗し損をすることもあるでしょう。
そんな中で自分に合った投資法などを見つけ、徐々に身に着けていきます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる人の範囲が来年から広がります。今まで加入できなかった主婦や企業年金のある会社員も加入できるようになります。
この制度、加入しなければもったいない制度です(詳細はほかの方の記事にもありますので割愛します)。
自分で運用方針を選択することができるのですが、どんな商品に投資すればいいのかは自分で決めなければなりません。
これからは自分のファイナンシャルリテラシー(お金に関する知識)が重要な時代
今後、自分の資産をどのように作り、どのように活用しどのように守るのかは自分で考えなければいけない状況になります。
ライフプランシミュレーションによる現状把握と資産形成・活用のための知識のブラッシュアップの重要性は今後一層高まります。
自身のファイナンシャルリテラシーを高めることにより、さまざまなケースに備えた自分のための対策を自分でも考えられるようになります。
資産形成・資産運用・資産管理に対する考えを持つことは決して資産家だけの問題ではありません。備えはできていますか?(執筆者:西山 広高)