

無料の投資セミナーのあと、個別相談の席で高額な講座を勧められ、「必ずもうかる」と言われるまま申し込んだものの、帰宅後に冷静になって後悔している人もいるでしょう。こうした勧誘で結んだ契約は、消費者契約法で取り消せる場合がありますが、期間には限りがあります。どんな勧誘が対象になり、いつまでに何をすればよいのかを解説します。
取り消しの対象になる、勧誘の言葉と引き留め
消費者契約法は、事業者が勧誘の際に一定の行為をし、消費者が誤解したり困ったりして結んだ契約を、後から取り消せると定めています。投資セミナーで当てはまりやすいのは、次の3つの場面です。

気になるのが「必ずもうかる」の扱いです。消費者庁の逐条解説は、将来もうかるかを見通すことがそもそも難しい事柄について断定的判断を示すことを取り消しの対象とし、典型に保険や証券取引、先物取引などの分野を挙げています。
令和4年通常国会改正では、勧誘目的を告げずに帰りにくい場所へ連れ出して勧誘することや、家族などへの相談の連絡をおどすような言動で妨げることも、取り消しの対象に加わりました。
取り消せる期間と、取り消しの伝え方
表の3つの場面での取り消しは、誤りに気づいたり困った状態から抜け出したりした時(追認できる時)から1年、契約を結んだ時から5年のどちらかが過ぎると、できなくなります。
取り消しは事業者に伝え、届いた時点で効力を持ちます。伝え方に決まりはありませんが、後で争いにならないよう、内容証明郵便などで伝えることが多いと逐条解説は説明しています。一方で、会社法などで詐欺や強迫を理由に取り消せないとされている株式や出資の引受け、基金の拠出は、この法律でも取り消せません。
契約したあとに、手元でしておきたいこと
まず、会場で何と言われ、どんな流れで申し込んだのかを、覚えているうちにメモに残します。たとえば、帰ると伝えた時刻や、そのとき言われた言葉も書き留めます。次に、契約書や領収書、配られた資料を捨てずに保管します。
そのうえで、消費生活センターに相談します。国民生活センターは、少しでも不安に思ったら消費生活センター等に相談するよう呼びかけています。あわせて、投資の取引を持ちかけてきた業者が金融商品取引業の登録を受けているかは、金融庁の事業者一覧で確かめられます。
なお、一定の期間なら無条件で契約をやめられるクーリング・オフは特定商取引法などによる別の仕組みで、取引の形や条件によっては使えません。
迷ったら、期限が過ぎる前に相談を
投資セミナーでの契約でも、「必ずもうかる」と断定された、事実と違う説明を受けた、帰りたいのに帰してもらえなかったといった事情があれば、消費者契約法で取り消せる場合があります。ただし、取り消しには期限があります。当てはまるか判断がつかないときも、記録と書類をそろえて、早めに消費生活センターへ相談してみてください。
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