

父が亡くなって実家の手続きを始めてから、家が地主から借りた土地の上に建っていたと知ることがあります。そんな場面で気になるのは、土地を借りる権利まで引き継げるのか、地主との関係はどうなるのかということです。家を手放す、建て替えるといった先の場面も含めて、民法と借地借家法の決まりと確かめる順番を解説します。
場面ごとに関わる決まり
借地の家を相続してから先の場面を並べると、関わる決まりは次のとおりです。

借地契約書を探し、地代と取り決めを確かめる
借地借家法は、建物を持つために土地を借りる権利、つまり地上権か土地の賃借権を借地権と呼んでいます。民法は、相続人が相続開始の時から、亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を引き継ぐと定めています。
まず手元で探したいのが借地契約書です。契約の期間、地代の額と払い方、増改築や譲渡についての取り決めを読み、相続があったことを地主に伝えて、地代の払い先や連絡先をそろえておきましょう。
建物の登記が借地権を守る
借地借家法は、借地権そのものの登記がなくても、土地の上に借地権者が登記された建物を持っていれば、借地権を第三者に対抗できると定めています。ここでいう対抗は、国土交通省の資料の言い方では、権利を第三者に主張することです。
あわせて確かめたいのが建物の登記の名義です。法務省の案内では、相続で不動産を取得した相続人は、相続の開始とその取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務になっています。
売る・建て替えるときは地主の承諾か裁判所の許可
民法は、賃借人が賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡したり又貸ししたりできないと定めています。東京地方裁判所の案内では、土地の賃貸借による借地で建物を譲渡すると土地の賃借権も移るため土地所有者の承諾が要り、得られないときは裁判所が相当と認めれば承諾に代わる許可を受けられると説明しています。
建て替えについては、増改築に地主の承諾が要ると定めた借地契約は多いとされ、承諾が得られないときは、増改築許可の申立てをして裁判所の許可を受ける道があります。同じ案内では、この手続は旧借地法と借地借家法のどちらで定められた借地権も扱い、鑑定委員会が許可の可否や承諾料額などについて意見を出すとされています。
契約書と登記の名義から順に確かめる
借地の家を相続したら、まず借地契約書で期間や地代、増改築や譲渡の取り決めを確かめ、建物の登記の名義と申請の期限を押さえます。手放す、建て替えるといった場面では地主の承諾が関わり、話し合いがまとまらないときにも裁判所の手続があります。一つずつ確かめていけば、慌てずに次の一歩を選べます。
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