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投資の申込みで年収や投資経験を聞かれるのはなぜ。答えが勧誘の物差しになる


投資の申込みで年収や投資経験を聞かれるのはなぜ。答えが勧誘の物差しになる
投資の申込みで年収や投資経験を聞かれるのはなぜ。答えが勧誘の物差しになる

証券口座を開こうとしたら、申込書で投資の経験や年収、資産、投資の目的まで細かく聞かれ、どこまで正直に書けばよいのか迷った方もいるでしょう。実はこの質問には法律上の理由があり、答えた内容は、窓口がどんな商品を勧めてよいかを測る物差しになります。書き込む前に、聞かれる理由と答えの使われ方を確かめておきましょう。

年収や経験を尋ねる背景にある決まり

出発点は、金融商品取引法第40条の適合性の原則です。同条は、金融商品取引業者等(金融商品取引業者と登録金融機関)に対し、顧客の知識、経験、財産の状況、契約を結ぶ目的に照らして不適当な勧誘をし、投資者の保護に欠けることのないよう業務を行うことを求めています。

この規定を受けて、金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」は、顧客の属性や取引の実態を的確に把握できる顧客管理態勢を確立することが重要だとしています。そのうえで、勧誘に先立って、勧める商品が把握した顧客属性や投資目的に適うといえる合理的な理由があるかを検討・評価しているかを、監督の着眼点に挙げています。

把握される項目と、それぞれの決まり

法律や監督指針が名前を挙げている項目ごとに、関係する決まりを並べると次のとおりです。

投資の申込みで年収や投資経験を聞かれるのはなぜ。答えが勧誘の物差しになる

金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」(2024年9月26日改訂)も、原則6で、顧客の資産状況、取引経験、知識、取引目的・ニーズを把握し、その顧客にふさわしい商品・サービスの販売・推奨等を行うべきだとしています。この原則は、採択した金融事業者が方針を定め、それに沿って業務を行う形をとります。

目的の書き換えを持ちかけられたときの見方

気をつけたいのが、投資目的の扱いです。監督指針は、不適当または不誠実な投資勧誘の例として、本来の投資目的に合わない商品を勧めるために、変更の意味や理由を正確に理解させないまま投資目的の変更を求める行為を挙げています。窓口で目的の書き換えを持ちかけられたら、なぜ変えるのか、変えると勧められる商品がどう変わるのかを確かめる場面です。

たとえば、元本の安全性を重視するとしている顧客にリスクの高い商品を販売するような勧誘が起きないよう、監督指針は管理職による承認制などの慎重な販売管理を例に挙げています。

年齢を重ねた顧客について、監督指針は、過去の投資経験が十分でも身体的な衰えや短期的な投資判断能力の変化がありうるとして、適合性の原則に基づく慎重な勧誘・販売態勢と、販売後の丁寧なフォローアップを求めています。

今の状況をありのまま伝えることから

聞かれた項目には、今の収入や資産、経験、目的をそのまま答えることが、自分に合う提案を受ける出発点になります。勧められた商品が目的に合うのかは説明を受けて確かめ、分からない点は契約の前に尋ねましょう。収入や目的が変わったときは、その変化も窓口に伝えておきましょう。

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