

食欲の秋、料理の動画を投稿している人のもとに、メーカーから商品紹介の依頼が届くことがあります。企業が内容に関わった投稿なのに広告だと分からないものは、景品表示法で規制されています。ただし、規制を受けるのは依頼した企業の側です。引き受ける前に、広告であることの示し方を依頼元と確かめておきましょう。
料理の動画にメーカーから紹介の依頼が届いた30代の会社員
「新しいフライパンをお送りするので、使った感想を動画で紹介していただけませんか。」休日に料理の動画を投稿している30代の会社員のもとに、調理器具のメーカーからこんな依頼のメッセージが届きました。紹介してくれれば謝礼も用意するといいます。
うれしい半面、引っかかることもありました。広告なのに広告と分からない「ステマ」が問題になったと耳にしていたからです。「広告だと書かないといけないのか。書かずに出したら、自分が違反に問われるのか」。返事をする前に、消費者庁の案内を読んでみることにしました。
企業が内容に関わる投稿は広告として扱われる
消費者庁は、令和5年10月1日から、ステルスマーケティング(ステマ)を景品表示法違反としています。規制されるのは広告であって、一般の消費者が広告だと分からないものです。SNSの投稿も対象で、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示する投稿も広告に含まれます。
企業の広告になる範囲について、消費者庁が定めた運用基準は、事業者が第三者の投稿内容の決定に関与している場合とし、第三者のSNSに自社の商品を投稿させる場合を例に挙げています。明示の指示がなくても、やり取りの内容や対価、過去の取引関係などから関与と判断される場合があると、消費者庁のQ&Aは説明しています。
規制の相手は依頼した事業者
消費者庁の案内では、規制の対象は商品やサービスを供給する事業者(広告主)で、依頼を受けて投稿したインフルエンサーなどの第三者は対象になりません。ただし、広告主と共同して商品を供給しているような例外的な場合は、投稿した側も対象になるとQ&Aは付け加えています。違反する行為には、措置命令などの措置が採られます。
とはいえ、投稿する側も無関係ではありません。運用基準は、企業が広告であることを明らかにしなければならない結果として、第三者の投稿にも事実上の制約がかかると書いています。示し方は投稿の全体から分かりやすいことが求められ、例に挙がった文言を使っていても明瞭と認められない場合があります。動画で気づけないほど短い時間だけ示す形や、周りより小さな文字で示す形は、分かりにくい例に挙がっています。

引き受ける前に依頼元と決めておきたいこと
依頼が企業からのものかを確かめ、広告であることをどう示すかを依頼元と先に決めておくと安心です。示すときは見る人がすぐ気づく位置に「広告」や「PR」などを入れ、動画なら短い時間で消えない形にしましょう。迷ったときは、消費者庁のQ&Aで自分に近い例を探してみてください。
