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亡くなった親の預金、遺産の分け方が決まる前でも一部は払い戻せる


亡くなった親の預金、遺産の分け方が決まる前でも一部は払い戻せる
亡くなった親の預金、遺産の分け方が決まる前でも一部は払い戻せる

親を見送ったあと、入院費の残りを払おうとして、亡くなった人の口座のお金が下ろせないと知ることがあります。遺産の分け方の話し合いが長引けば、その間の支払いに困ります。けれども、分け方が決まる前でも、預金の一部は相続人ひとりで払い戻せます。

母の入院費を払う段になって、口座が動かせないと知った50代の会社員

「母の入院費の残りを払いたいだけなのに、口座のお金が下ろせないんです」。母を見送った50代の会社員は、病院の請求書を手に母の口座がある金融機関を訪ね、取引がすでに止まっていると告げられました。

父や弟との話し合いは実家の扱いで意見が分かれ、遺産の分け方はすぐに決まりそうにありません。立て替えるしかないと考えていたところ、分け方が決まる前でも一定の額までは払戻しを受けられる制度があると窓口で教えられます。

相続人ひとりで払い戻せる額と、金融機関ごとの上限

政府広報オンラインは、亡くなった人の預貯金は相続人全員の共有となるため、遺産分割が終わるまで払戻しは難しいと説明しています。そこで2019年(令和元年)7月1日に施行されたのが民法第909条の2です。法務省の案内では、遺産分割の前でも、一定の額まではほかの相続人の同意なしに相続人ひとりで払戻しを受けられます。

払い戻せるのは、相続開始時の預貯金の額の3分の1に自分の法定相続分を掛けた額までで、この額は預貯金債権ごとに計算します。ただし1つの金融機関から受け取れるのは150万円までと法務省令で決まっており、上限は金融機関ごとにかかります。払い戻したお金は、その相続人が遺産の一部を分割で取得したものとみなされます。

亡くなった親の預金、遺産の分け方が決まる前でも一部は払い戻せる

上限を超える支払いと、窓口で求められる書類

上限を超える支払いが要るときは、家事事件手続法の保全処分という道があります。遺産分割の調停か審判の申立てがあることが前提で、亡くなった人の債務の弁済や相続人の生活費などに預貯金を使う必要があると家庭裁判所が認めれば、申立てにより特定の預貯金を仮に取得させてもらえます。ほかの相続人の利益を害するときは認められません。

政府広報オンラインは、相続の手続きの窓口に戸籍の束を何度も出す手間は、法務局が交付する法定相続情報一覧図の写しで省けるとしています。そろえる書類は、取引のある金融機関で先に聞いておくと手戻りがありません。

相続放棄も考えているなら、民法が相続財産を処分した相続人を単純承認したものとみなすと定めている点に注意し、払戻しの前に弁護士などの専門家へ相談しておくと安心です。

支払いが迫っても、確かめる順番を決めれば慌てずに済む

遺産の分け方が決まる前でも、亡くなった人の預金は相続人ひとりで一定の額まで払い戻せます。まず口座のある金融機関と自分の法定相続分を確かめ、窓口で必要な書類を聞きましょう。上限を超える支払いが要るなら、家庭裁判所の手続きも考えておくと安心です。

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