

賃貸の契約更新が近づくと、管理会社から更新料や手数料の並んだ案内が届くことがあります。更新料は払うのが当たり前と思いがちですが、払う義務を決めるのは法律ではなく契約書の特約です。案内に並ぶほかの欄も、それぞれ別の取り決めに基づく支払いです。返事をする前に、欄ごとの根拠を手元の書類で確かめてみませんか。
更新の書類を前に首をかしげる30代の会社員
「更新料のほかに、手数料や保証料、保険の欄まである。全部払うものなのかな。」賃貸マンションで暮らす30代の会社員は、管理会社から届いた契約更新の案内を見て迷いました。更新料の下に更新手数料、保証会社の更新保証料、火災保険の更新と欄が続きますが、入居時に受けた説明はほとんど覚えていません。
更新料を払うかどうかは、契約書の特約しだい
特約がない限り、借主に更新料を払う義務はありません。消費者庁が消費者契約法の逐条解説で、一般的な法理の例として挙げている考え方です。国土交通省の案内も、更新料は法令上の義務ではないとしたうえで、契約書で定めていれば原則として有効に扱われるとしています。
最高裁は平成23年7月15日の判決で、契約書に一義的かつ具体的に書かれた更新料の条項は、更新料の額が賃料の額や更新される期間などに照らして高額に過ぎるといった特段の事情がなければ、消費者契約法10条で無効とはいえないと示しました。更新の合意がないまま期間が満ちたときの扱いは下の表のとおりで、そのときに更新料が要るかどうかは契約書の定め方によります。

更新料以外の欄は、それぞれ別の取り決め
東京都の消費生活相談の案内(東京くらしWEB)は、更新手数料を、不動産業者が更新手続きの事務を代行したときの手数料と考えられるとし、宅地建物取引業法に規定はないと説明しています。貸主に頼まれて契約書を書き換えるだけなら、依頼した貸主に請求するのが筋だという考え方です。ただし借主が契約条項の変更などを頼んだ場合は、払う必要があるとしています。
国土交通省の相談対応事例集によれば、保証料は、保証会社が保証債務を引き受ける代わりに借主が保証会社へ払うものです。火災保険などの保険は法令で強制されてはいませんが、加入が契約条件になっていれば、原則として受け入れる前提で契約することになります。
欄の意味が分かれば、更新の返事は落ち着いてできる
まず契約書の更新の条項で、更新料の額と支払いの時期を確かめます。ほかの欄は、何の対価で、どの取り決めに基づくのかを一つずつ見ていきます。更新せずに退去するなら、解約の申し入れの時期や条件も契約書で確認しておきましょう。納得できない点は更新の前に管理会社や貸主に尋ね、話がまとまらなければ消費生活センターに相談できます。
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