

見積もりの後に日程を変えたくなった50代の会社員
「見積書をもらって日取りも決めたのに、家族の都合で数日ずらしたくなって。今から変えたら、キャンセル料を取られるんでしょうか」
こう打ち明けるのは、10月1日付の転勤の内示を受けた50代の会社員です。着任に間に合うよう見積もりを頼んだものの、日程を変えたときの扱いまでは読んでいなかったといいます。
国土交通省は、例年3月から4月にかけて引っ越しの依頼が集中するとして時期の分散を呼びかけ、混む時期を外した利用者の「予約が取りやすくなった」という声を紹介しています。
見積もりの段階で約款が決めていること
引っ越しの契約の下敷きになるのが、国土交通省の標準引越運送約款です(最終改正は令和7年国土交通省告示第193号)。ただ実際に交わすのは各社が定めた約款で、そこに特約が加わる場合もあります。
見積もりまわりの決まりを見ておきましょう。見積もりそのものは無料が原則で、業者が下見をした場合に限り、金額を先に示して同意を得たうえでその費用を請求できます。内金や手付金を受け取ることもありません。見積書には運賃等の総額と内訳に加えて解約手数料の額まで書き込まれ、荷物を受け取る受取日の3日前までに、業者が記載どおりで変わりがないかを確かめます。
手数料の対象になるのは受取日の前々日から当日まで
取りやめや日程変更で生じるこの手数料を、約款は解約手数料・延期手数料と名づけています。かかるのは、その原因が依頼者側にあり、しかも受取日の前々日・前日・当日に申し出た場合に限られます。

ここでいう見積運賃等は運賃と料金の合計で、料金は荷物の積込みや取卸し、搬出入、荷造り、開梱に対する分だけを指します。取りやめのときは、この手数料とは別枠で、すでに行った、あるいは取りかかった附帯サービスの代金のうち、見積書に明記済みのものは請求されることがあります。現在の料率は、平成30年6月1日施行の改正で定まりました。
日程を変えるなら、受取日の3日前までに伝えておくのが安心です。なお、軽自動車で運ぶ引っ越しには別の標準約款があります。
荷物を受け取った後にも期限がある
運んだ荷物の一部が失われたり傷ついたりしたときの業者の責任は、その損害を業者が知りつつ引き渡した場合を除き、引き渡しの日から3カ月のうちに知らせなければ消えてしまいます。開梱を先延ばしにせず、早めに中身を点検しましょう。住まいの壁や床にできた傷はこの約款の範囲外で、民法や商法にもとづく損害賠償で扱われます。
日程が動きそうなら、見積書を手に早めに連絡を
見積書が届いたら、まず受取日と解約手数料の額に目を通しておきましょう。予定が変わりそうなときは早めに業者へ連絡し、受取日の3日前までに業者から確認の連絡が入るかどうかも確かめておくと安心です。迷ったら、お住まいの地域の消費生活センターに相談してみましょう。
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