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母の形見の指輪にも相続税。値段は思い出ではなく「時価」で決まる


母の形見の指輪にも相続税。値段は思い出ではなく「時価」で決まる
母の形見の指輪にも相続税。値段は思い出ではなく「時価」で決まる

母の指輪、父の腕時計。形見として受け取った品にも相続税がかかると聞いて、いくらと数えればよいのか戸惑う人は少なくありません。宝石は相続税のかかる財産に含まれ、評価の物差しは相続税法と国税庁の通達がすでに決めています。買った値段でも、思い入れの深さでもありません。

母の形見の指輪と腕時計を受け取った人の戸惑い

「売るつもりなんてないのに、値段を付けろと言われても困ります。」母を亡くし、遺品の中から指輪と腕時計を形見として受け取った40代の会社員。自宅も預金も兄弟で分ける話がまとまり、手元に残ったのは小さな箱ひとつでしたが、それも申告に載せると聞いて手が止まりました。

国税庁は、相続税がかかる財産を「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と説明しています。形見分けという受け取り方をしても、亡くなった人が持っていた宝石は遺産の一部で、申告では評価の対象に入ります。

物差しは買った値段ではなく「取得の時における時価」

相続税法は、相続や遺贈で取得した財産の価額は「当該財産の取得の時における時価」によると定めています(第二十二条)。その時価を具体化しているのが国税庁の財産評価基本通達で、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう、としています(通達1)。課税時期は、相続で財産を取得した日を指します。

1個または1組ごとに分け、家庭用の品は一括もできる

評価はまず、どの単位で数えるかから始まります。一般動産は原則として1個または1組ごとに評価し、家庭用動産などで1個または1組の価額が5万円以下のものは、一括して一世帯ごとに評価することができます(通達128)。5万円を超える宝石や貴金属は、1つずつ売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します(通達129)。

書画骨とう品も、販売業者が持つものを除いて、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します(通達135)。売買実例価額や精通者意見価格等が明らかでない動産は、同種同規格の新品の課税時期における小売価額から、製造の時から課税時期までの償却費の額の合計額または減価の額を控除した金額で評価します。

母の形見の指輪にも相続税。値段は思い出ではなく「時価」で決まる

申告の前に、手元の品を並べて仕分ける

形見として受け取った指輪や腕時計も、亡くなった人の財産として申告の対象に入ります。まず手元の品を並べ、1個または1組ごとに、家庭用の品として一括できるものと、1つずつ評価するものへ仕分けてみましょう。迷う品は、税務署や税理士に現物の状態を伝えて確かめると、申告までの道筋が見えてきます。

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