

定年が近づくと、退職金がいくらになるのかは誰もが気になるところです。国家公務員の退職手当は法律で計算の枠組みが決まっていて、同じ勤続年数でも辞め方によって当てはまる条文が変わります。金額そのものより先に、どこで決まるのかを見ていきます。
基本額と調整額という二階建て
国家公務員の退職手当は、大きく「基本額」と「調整額」に分かれます。基本額は、退職の日の俸給月額に、勤続期間の区分ごとの割合を乗じた額を合計して出します。国家公務員退職手当法3条は、1年以上10年以下の期間については1年につき100分の100、11年以上15年以下の期間については1年につき100分の110というように、区分ごとに割合を定めています。
もう一方の調整額は、俸給月額とは別の考え方で積み上げます。同法6条の4は、基礎在職期間の各月について職員の区分に応じた調整月額を定め、その額が多いものから順に最大60月分を合計する形で調整額を定めています。役職や在職の期間が反映される部分です。
辞め方で当てはまる条文が変わる
同じ勤続年数でも、退職の理由によって基本額の根拠が3条・4条・5条に分かれます。4条または5条に当てはまらない自己都合退職などは3条です。11年以上25年未満勤続して定年で退職した人や、自分の事情によらないで勤め続けることが難しい理由で退職した人などは4条に入ります。25年以上勤続して定年で退職した場合や、公務上の傷病または死亡による退職は5条です。

支給されない場合が法律に書かれている
見落としやすいのが、退職手当は必ず支払われるとは限らないという点です。同法12条は、懲戒免職等処分を受けて退職した人などについて、職務と責任、非違の内容と程度、公務に対する国民の信頼に及ぼす影響などを勘案し、退職手当の全部または一部を支給しない処分を行うことができると定めています。処分をするときは理由を付記した書面で通知するとも書かれています。
なお、ここまでは国家公務員の話です。地方公務員の退職手当は各自治体の条例が根拠になるため、区分も割合も自治体ごとに確認する必要があります。
自分に当てはまる条文から確かめる
退職手当の見通しを立てるときは、金額を先に探すよりも、自分の退職がどの条文に当たるのかを確かめるほうが近道です。基本額は俸給月額と勤続期間の区分で決まり、そこに在職の中身を反映した調整額が加わります。国家公務員なら法律、地方公務員なら勤め先の自治体の条例が根拠になります。勤め先の人事担当に問い合わせるときも、この枠組みを知っていれば話が早く進みます。
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