今年、ご自身・家族や配偶者を含め「病気やケガ・歯の治療等による高額な医療費を支払った」という方は必見です。
高額な医療費は、確定申告で医療費控除を申請すると取り戻せる可能性があります。
医療費控除は、医療費用や購入した医薬品はもちろん、ドラッグストアで購入した医薬品や治療に関わる購入品など対象となる範囲が意外と多岐にわたります。
ここでは、医療費控除の対象や控除金額計算方法、注意点などをご紹介します。
医療費控除とは
医療費控除の対象者は申告者や配偶者、子供などその他の親族となります。
令和5年中に支払った医療費がある場合は、指定された計算した金額を医療費控除として、所得金額から差引くことが可能。
申請方法は、確定申告(年末調整では不可)となります。
医療費控除の対象となる費用
病気やケガによる通院の際の費用や歯科治療費などになりますが、それ以外にもさまざまなものが医療控除の対象となります。
また条件を満たした場合に限りますが、入院・通院の費用や検査にかかる費用も対象となります。
例えば妊娠中の定期検診、出産での通院や入院・手術に必要な費用、通院・入院に必要な交通費(バスや電車などの公共交通機関の運賃)などです。
実は市販薬も対象「セルフメディケーション税制」
医療費控除の特例である「セルフメディケーション税制」では、ドラッグストア・コンビニで購入したスイッチOTC医薬品も対象。
「医薬品」とは、薬事法に定める医薬品をさします。
治療又は療養に必要な医薬品で、風邪薬、咳止め薬なども対象となります。
パッケージに「セルフメディケーション税免除対象」のマークがあり、スイッチOTC医薬品を購入したレシートには★マークが記載されています。
ただし申請の際に、レシートが必須です。
レシートが証明証となるため、紛失してしまうと、セルフメディケーション税制は適応されません。
以上の年間購入額であれば、セルフメディケーション税制が受けられます。
医療控除対象外の医療費
医療費用という名目であっても、医療控除の対象外となるものもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
美容整形手術費
通常の健康診断の費
予防接種費
予防目的の医薬品、サプリメント・健康補助食品の購入費
傷病の治療に直接必要ではない眼鏡・コンタクトレンズなどの購入費
医療費控除の控除金額計算方法
医療費控除は、200万円を境に、所得によって変動します。
所得金額が200万円未満だった場合には、支払った医療費が10万円未満でも控除の対象となります。
そのため、一般的によく言われている「医療費を年間で10万円以上」という認識は誤りとなります。
<所得金額:200万円以上の計算方法>
(その年に支払った医療費-保険金等の医療費補填金額)-所得金額の5%(上限10万円)
<所得金額:200万円未満の計算方法>
(その年に支払った医療費-保険金等の医療費補填金額)-所得金額の5%
失業などで収入額が下がった場合や育休取得などした場合は、こちらの計算方法が適応される場合があるので、収入は確認しておきましょう。
※医療費補填金額とは、医療費の補填を目的として支給された保険金や給付金
妊娠・出産費用の医療費控除
病気等ではありませんが、
出産直前は体の負担が大きいため、電車やバスなどの公共交通機関を利用するのは困難とし、出産で入院するときのタクシー代は控除対象です。
対象条件を把握して準備しよう
医療費控除は、医療費に対しての控除になりますが、ドラッグストア等で販売されている医薬品、妊婦の交通費、治療に関わる備品購入など実は多岐に渡ります。
高齢者を扶養していたり、子供の人数が多いと年間の医療費もなかなか高額になったりします。
対象となる内容や条件を予め理解し、領収書などをまとめておき、積極的に申請するとよいでしょう。
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