最近、「電気料金調査」を語る怪しい自動音声電話が増加しています。
結論から言うと、このような自動音声電話は偽物です。巧妙に仕組まれたガイダンスに従って個人情報を伝えてしまえば、詐欺被害に遭う恐れが高まります。
筆者の携帯電話にも「0800」から始まる知らない電話番号から、同様の電話がかかってきました。
自動音声は「大手電力会社のお得な料金プランに切り替えた場合、どれくらい光熱費が削減できるかの診断検査を行っております」と切り出しました。
このような詐欺電話が増えているというニュースを事前に見聞きしていたので、すぐに電話を切り、詐欺被害に遭うのを防ぐことができました。
しかし、もし答えていたら一体どうなっていたのでしょうか。
大手電力会社は自動音声によるアンケートを一切行っていない
筆者の居住地域の大手電力会社各社に確認したところ、このような自動音声によるアンケートは一切行っていないとのことです。
よって、電気料金調査を語る自動音声電話がかかってきたら、「詐欺電話とみてすぐに電話を切る」の一択だと覚えておいてください。
全国の電力会社が、自動音声によるアンケートを実施しておらず、着信を受けたら詐欺電話として電話を切るよう、ガイダンスを流しています。
参照:東京電力 【ご注意】東京電力を装った自動音声ガイダンスによる電気料金に関するアンケートにご注意ください
四国電力 四国電力を装った不審な電話・訪問等による詐欺・不当な販売行為にご注意ください!
北海道電力 「ほくでん」を装った悪質な勧誘や不審な電話・メール・Webサイトにご注意ください!
中部電力 中部電力関係者を装った不審電話や訪問などにご注意ください!
九州電力を騙った自動音声ガイダンスによるご連絡にご注意ください
偽の「電気料金調査」は何を聞かれるのか?
このような自動音声による「電気料金調査」では、「電気料金の削減診断アンケート」などの名目で以下のような質問をしてきます。
年齢は○歳以上か
住居は一戸建てか
同居家族の人数は
電気代はいくらかなど
質問にはダイヤルで回答するよう、自動音声ガイダンスが流れます。
質問に答えてしまうと、聞き出したクレジットカードや口座情報をもとにお金を引き出される詐欺被害に遭う恐れがあります。
また最近、とくに関東地方で増加している「闇バイト」による強盗被害につながりかねない個人情報も引き出されてしまいます。家族構成や電気料金から、生活時間帯や資産の大きさなどが推測できるからです。
絶対に答えてはなりませんが、電気料金という公共性の高い内容、かつ自動音声ガイダンスという犯人の感情が読み取りにくい手法のせいで、気をつけていてもうっかり答えてしまう人が多いのではないでしょうか。実に巧妙な手口となっているため、注意しておく必要があります。
もし自動音声のガイダンスに答えてしまったらどうなるのか?
もしガイダンスに従って操作を続けていたら、どうなっていたのでしょうか。
以下のような事例が報告されています。
個人情報を聞き出す有人オペレーターにつながり、自宅住所などの個人情報を引き出されてしまった
ショートメッセージで送られてきたURLから個人情報入力のアンケートページへ誘導された
未払いの電気料金があるとして電気を止めると脅され、料金の催促とともに口座情報やクレジットカード情報を聞き出された
改めて、大手電力会社各社は自動音声によるアンケート調査は実施していません。
必要な手続きは各社の公式サイトから行うようにしてください。
主な手口と対処法まとめ
電気料金に関する調査を口実とした不審な電話には、くれぐれもご注意ください。
主な手口として以下のようなものがあるので、頭に入れておいて、着信があったらすぐに思い出して電話を切ってください。
【電気料金調査詐欺電話の主な手口】
自動音声ガイダンスにより、質問にはダイヤル番号を押して答えるよう指示される
「電気料金の削減診断アンケート」などの名目で、個人情報を聞き出す(ショートメッセージによりURL入力やオペレーターに誘導されるケースもある)
「支払がないため電気がとまる」と言って、電子マネーやクレジットカード情報などを騙し取る
「契約の確認が必要」と言って、使用量や電気料金、年齢といった個人情報を聞き出す
不審な電話を受けた際は、以下の点に注意しましょう。
相手が電力会社や関係会社を名乗る場合、会社名、所属、氏名、連絡先を確認する
訪問があった場合は身分証を確認する
不審に思われる場合は、電力会社に問い合わせる
安易にアンケートに答えない
そもそも知らない電話番号からの着信には出ない
また自宅の電気使用量は、契約している電力会社の検針票で確認できます。
少しでも怪しいと感じたら、すぐに電話を切り、電力会社に直接確認することを強くおすすめします。