企業のM&Aのように、マイナンバーカードの多機能化が止まりません。
健康保険証に引き続き、運転免許証もマイナンバーカードで代用できるようになるのです。
(来年3/24より)「マイナ免許証」が開始
9月12日、警察庁は「改正道路交通法案」を発表しました。
この中で、いわゆる「マイナ免許証」が2025年3月24日に導入されることが記載されています。
10月29日の閣議でも、来年3月24日にマイナ免許証の運用が開始されることが決定されました。
運転免許センターやシステムが整備された警察署に、マイナカードと運転免許証を持って行くと、「マイナ免許証」を作れるようです。
≪画像元:警察庁(pdf)≫
マイナカードのICチップに記録される情報で、マイナ免許証固有の情報は、運転免許証の番号、交付年月日、有効期限、免許の種類、限定条件(眼鏡使用、AT限定など)、顔写真などです。
マイナカードに情報が印字されることはありません。
マイナ免許証のメリットは?
これまでの制度を大変更させるマイナ免許証、それに見合うだけのメリットもあります。
氏名・住所変更の手続きがワンストップで済む
≪画像元:佐賀県警察≫
まず、手続きがワンストップで可能な点がメリットです。
氏名・住所変更が生じる際、現在の運転免許証では自治体に届けてから、運転免許センター・警察署に免許証の記載事項変更を申請しなければなりません。
マイナ免許証なら、自治体に届けるだけで免許証の記載事項変更も完了します。
免許更新の際の講習を完全にオンライン化できる
≪画像元:千葉県警察≫
また、免許更新の際の講習をオンライン化できるのもメリットでしょう。
一部自治体ではすでに実施されていますが、スマホやPC、マイナカードを用意し、専用サイトからログインすればオンライン講習を受講可能です。
現在は訪問して最低30分間、長いと1時間の講習を受けなければなりませんので、かなりの時短になります。
住所地以外での免許更新をスムーズにできる
現在のところ、免許証に記載された住所地以外の都道府県で免許更新ができるのは、ゴールド免許保有者だけです。
しかも、住所地以外の都道府県で更新できるのは、誕生日の1か月前~誕生日です(通常は誕生日の前後1か月)。
マイナ免許証により、ゴールド以外も住所地以外で更新でき、期間も誕生日の前後1か月とゆとりができます。
取得はあくまでも任意
ただし、マイナ保険証とは異なりマイナ免許証の取得はあくまでも任意です。
国民皆保険の象徴である健康保険証と、任意で取得する運転免許証では位置づけが異なります。
今後の選択肢としては、以下の3つがあります。
・ マイナ免許証の1枚のみ
・ 従来の免許証の1枚のみ
・ マイナ免許証と従来の免許証の2枚
≪画像元:JALUX≫
海外で運転をしたくても日本の運転免許証では運転できず、国際運転免許証が基本的に必要です。
また、国際運転免許証だけでなく日本の運転免許証の提示も求める国があり、仮にマイナ免許証を提示しても「何これ?美味しいの?」と思われて意味がありません。
そのため、従来の運転免許証も残してあるのです。
手数料も見直しへ
マイナ保険証の導入に伴い、手数料も見直されることとなりました。
昨今の経済情勢なども反映されています。
【新規取得】2,050円 → 1,550円~2,450円
新規取得する場合の手数料は、現在は一律で2,050円です。
これが、発行する免許証の種類によって、以下のように変わります。
・ マイナ免許証の1枚のみ:1,550円
・ 従来の免許証の1枚のみ:2,350円
・ マイナ免許証と従来の免許証の2枚:2,450円
【更新】2,500円 → 2,100円~2,950円
免許証を更新する際の手数料は、現在は一律で2,500円です。
これが、発行する免許証の種類によって、以下のように変わります。
・ マイナ免許証の1枚のみ:2,100円
・ 従来の免許証の1枚のみ:2,850円
・ マイナ免許証と従来の免許証の2枚:2,950円
更新時以外でのマイナ免許証への一体化も可能ですが、1,500円の手数料がかかります。
講習の手数料も改定
免許更新の際には講習を受けなければなりませんが、講習手数料も改定されます。
・ 優良運転者:500円 → 200円(オンラインの場合)
・ 一般運転者:800円 → 200円(オンラインの場合)
・ 違反運転者・初回更新者:1,350円 → 1,400円
オンライン講習を選択しない優良運転者・一般運転者の講習手数料に、変化はありません。
マイナ免許証に関するよくある質問
まだ見ぬマイナ免許証ですので、疑問だらけです。
ここからは、よくある質問を回答とともにまとめました。
よくある質問 (1) マイナ免許証を紛失したらどうするの?
マイナ免許証を紛失したら、「自治体でマイナカードを再発行 → 運転免許センターなどでマイナ免許証を再交付」という流れです。
再発行に800円、マイナ免許証への一体化に1,500円の手数料がかかります。
従来の免許証を発行する場合は、警察で2,550円の手数料でできますが、警察ではマイナンバーカードを発行してくれません。
別途、自治体でマイナカードを再発行する必要があります。
運転免許証の更新期限はどう把握すればいいの?
≪画像元:若林自転車商会≫
マイナカードには免許証の情報が印字されないので、免許証の有効期限が分からない人もいるでしょう。
警察庁では専用の読取アプリを開発中とのことです。
また、従来通り更新のお知らせハガキも届きます。
マイナ免許証は運転時に携帯しなければダメ?
「マイナカードは持ち歩きたくないけど、運転する際にはマイナ免許証は持ち歩かなきゃダメだよね」と思うでしょう。
免許証を携帯せずに運転すると、反則金3,000円が科されます。
発行する免許証の種類によって、以下のように対応が変わるでしょう。
・ マイナ免許証の1枚のみ → マイナ免許証を携帯
・ 従来の免許証の1枚のみ → 従来の免許証を携帯
・ マイナ免許証と従来の免許証の2枚 → いずれか、または両方を携帯
ただし、マイナ免許証をスマホに搭載できる日が来れば、スマホだけ持ち歩けばOKとなるかもしれません。
マイナ免許証の返納をする場合は?
≪画像元:警察庁≫
マイナ免許証を持っている人が免許証の自主変更をする際は、ICチップから運転免許証の情報だけを削除します。
マイナカードを返納する必要はありません。
「運転経歴証明書」はマイナ免許証とは異なり、おそらくマイナカードには入れられないでしょう。
≪画像元:JR西日本≫
ちなみに、9月15日~2025年2月28日の期間中、滋賀県内の警察署及び運転免許課の免許窓口で、75歳以上の人が運転免許証を自主返納しICOCAを提示すると、WESTERポイント(チャージ専用)が1,500ポイントもらえます。
運転免許更新の際は予約が必要に
≪画像元:警視庁≫
運転免許更新の際、比較的空いている平日の午後に行くのが筆者の恒例です。
しかし、仕事や送迎などの都合でそれ以外の日時に行かざるを得ない人もいるでしょう。
混雑緩和を目的として、運転免許の更新手続きを予約制にする自治体が増えており、東京都ではウェブサイトや電話で予約可能です。
結構早く枠が埋まってしまいますので、更新はがきが届いた人は早めに予約を入れましょう。
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