東京都港区に位置する三縁山廣度院増上寺では、2023年5月に「練塀」の解体調査が行われました。
この調査は、1998年12月に続く二度目のもので、工学院大学の菅澤茂先生が監修しました。
調査の結果、廣度院の「練塀」は、江戸城の「練塀」と同じ内部構造を持つことが確認されました。この発見は、東京都立中央図書館が所蔵する重要文化財資料『江戸城造営関係資料集(甲良家伝来)』に記された内容と一致しており、歴史的価値が再認識されています。
「練塀」は、江戸時代に増上寺境内に多く存在していた土塀であり、現在ではその内部構造を確認できる唯一の存在です。2025年には修復作業が再開される予定で、これが内部構造を見学できる最後の機会となります。廣度院では、文化財の保存と普及に向けた活動を進めており、修復には多大な費用がかかるため、一般の支援を呼びかけています。
また、廣度院では「東京文化財ウィーク」に合わせて、練塀の内部特別公開や造営体験、文化財講座、散策会などのイベントを無料で開催しています。
これらのイベントを通じて、参加者は江戸時代の歴史や文化財の重要性を学ぶことができます。さらに、御朱印や御守りの授与、瓦の寄進活動も行われており、文化財保存への参加を促しています。
廣度院の「練塀」は、江戸時代の景観を今に伝える貴重な遺構であり、徳川家菩提寺の意匠としても重要な役割を果たしてきました。浮世絵や江戸名所図会にも描かれ、江戸の人々に親しまれてきたこの土塀は、今後もその歴史的価値を後世に伝えるために、保存活動が続けられます。文化財の保存には多くの人々の協力が必要であり、廣度院はそのための仲間を募集しています。興味のある方は、公式情報サイトや保存委員会のLINEアカウントを通じて参加することができます。
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